日本のベストセラーを海外で売り出そう!マーケット感覚を身につけよう(ちきりん著)の書評iPhoneアプリ習慣術

マーケット感覚を身につけようちきりん著)の書評を続けます。
ちきりん氏は自分の価値をもっと考え、活用すれば
新しいマーケットを作り出せると本書で主張しています。
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世界がネットとソーシャルメディアでつながったおかげで
私たちは情報発信から恩恵を受けられるようになりました。
自分のアイデアや情報を日々アウトプットすることで
悩みを抱えている人たちに、検索やソーシャルメディア経由で
自分の価値を見つけてもらえるようになったのです。

私もおじさん流のiPhone活用術や
断酒体験による習慣術をこのブログで書き続けた結果
編集者からお話をいただき、昨年5冊目の紙の書籍の
iPhoneアプリ習慣術を出版できました。

私の場合は普通のおじさんiPhoneを掛け合わせたことがバリューなのです。
ガラケーを使っているおじさんにiPhoneの価値を伝えるのは
若い専門家より、私のようなおじさんの方が適任です。
おじさんでもiPhoneで生産性を上げられ
人生を変えられたというのが、私の価値なのです。
iPhoneのハードを細かく説明するのではなく
iPhoneを使っておじさんが変身できることを伝えることが
私にできることで、そこにマーケットがあるから、本をリリースできたのです。

お酒で苦しんでいる人にとって
飲酒習慣を変えることはとても大変です。
私は重度のアルコール依存から
ソーシャルメディアやiPhoneで立ち直った経験があります。
お医者さんや有名なコンサルタントとは違って
身近であること、親近感を持ってもらえることが私の価値なのです。
普通のおじさんがiPhoneによる習慣化で断酒ができたのなら
自分にもチャレンジできると思ってもらえればよいのです。
このように自らを分析していくと
自分のバリューでマーケットを切り開けるようになるのです。

当然、個人だけでなく、国家や企業視点でも
マーケットバリューは見つけられます。
ちきりん氏はMade in Japan以外にも
「Best seller in Japan」などのメッセージをプラスして
日本はもっともっと価値を発信すべきだと書いています。

日本の製造業はよく「Made in Japan」を売りにしようとしますが、それと同等以上に「Used inJapan」「Accepted in Japan」「Best seller in Japan」には価値があります。ところが日本のメーカーは、「日本製」には強いこだわりがあっても、「日本で売れている」ことに価値があるとは、まだ気がついていません。むしろ欧州やアジアのメーカーなど海外企業のほうが、「日本市場で売れたことの価値」を理解し、それを海外でのビジネスに利用しています。これも、マーケット感覚の鋭さの違いなのでしょう。

世界で一番厳しい消費者が日本人だと言われています。
このマーケットでシェアを取れるプロダクトは
世界でナンバー1を取れる可能性があるのです。
日本で売れていることに、私たちは価値を見出すべきなのです。

そういえば台湾の女の子は、日本の中古品は偽物が少ないと言って、わざわざ日本の質屋で中古のブランドバッグを買うといわれています。ご存じのように中華文化圏では、ブランドもののコピー商品が数多く出回っているのに対し、日本では中古品ショップでさえ、偽物が厳しく排除されています。このため「中古のブランド品市場」として、日本の市場はアジアの市場より圧倒的に競争力が高いのです。日本の中古ショップ業界は、中古品市場の倫理観と目利き力がグローバルな競争力を持っていることを利用し、東南アジアからの観光客に向けて「日本の中古ショップには偽物がありません。日本で安いブランド品をゲットしよう!」「シャネルの新品を買いたいならパリへ、中古品でよいものを手に入れたいならトーキョーへ!」といったキャンペーンを打てばよいのです。

日本にはコピー商品が少ないことが価値だと気づけば
マーケティングやコミュニケーションも変わります。
ちきりん氏はキャラ弁も、メイクのノウハウも価値だと言います。
狭い日本というマーケットで価格勝負に陥るのではなく
海外にマーケットを求めことで、新たな価値を手に入れられるのです。
かわいくクオリティの高い中古の洋服や小物を
台湾やアジアだけでなくドバイ経由で中東やアフリカに輸出しても面白いですね。
日本で価値がなくても、別のエリアなら価値が出せると考えることで
私たちは世界で戦えるマーケット感覚を養えます。
日本ばかりを見るのではなく、海外からの視点を持って
マーケットバリューをどんどん鍛えましょう。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。
  

photo credit: invest in plastics, son : the new bag, san francisco (2014) via photopin (license)

 

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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