どうすればリーダーシップが身につくのか。そのための決まった方法はありません。ただひとまず言えることは、自分で「おれがリーダーシップを取るんだ!」と意気込んでも、決して身につくものではないということです。つまり、威勢が良くて力があっても、周りがついてこなかったらリーダーとは言えません。本当のリーダーが生まれるのは、周囲の人が「あいつがリーダーだ」と認めたときです。(松山大耕)
松山大耕氏のビジネスZEN入門の書評ブログを続けます。
本書で松山氏はみんながついてくるリーダーとは
「当たり前のことをきちんとできる人」だと定義しています。
朝早起きしたり、約束を守れたり、自分から率先して動ける人が
自然とリーダーとして、周囲から認められていくのです。
松山氏は会社をまとめ上げていくために社長がすべき簡単なことを紹介しています。
人が一番嫌がることを、まず自分から率先してやることが大事だというのです。
そのためには、トイレ掃除を実践するのがよいそうです。
社長が動き始めると、社員も動きます。
社長が黙々とトイレを掃除していれば
自分も何かやらなければいけないと社員が考えるようになるのです。
もちろん、それが一度や二度だけの単なるパフォーマンスであってはいけません。日ごろからそういう行為を積み重ねていることが大切です。
社長が人が嫌がる当たり前のことを習慣にすれば、社員もその姿を追いかけます。
社長の良い習慣が会社に伝染し、組織が強くなるのです。
トイレ掃除で有名なイエローハットの鍵山社長は
掃除をすることで、心が澄み、人を恨まなくななると言っています。
リーダーが、トイレ掃除を行うと会社は強くなるのです。
ビジネスZEN入門 [ 松山 大耕 ] |
私は社員の心をなんとか穏やかにしたい。が、言葉や文章ではむりだ、自分の態度や生き方で示すしかないと思いました。そこで職場をきれいにしようと、やはりトイレそうじから始めたんです。(鍵山秀三郎)
社員を成長させるためにイエローハット創業時に鍵山氏が始めたのが、トイレ掃除でした。
渡り鳥のような荒ぶれた人たちを会社に定着させるために
トイレ掃除を実践しましたが、当初はなかなか効果が現れなかったそうです。
しかし、鍵山社長は見返りを求めることなく、トイレ掃除を続けます。
やがては、社員もその輪に加わり、心を込めた接客ができるようになったのです。
確かに、トイレがきれいだと、心が落ち着きます。
トイレ掃除は日本のおもてなしの心の原点なのかもしれません。
鍵山社長の掃除力と継続力がイエローハットを強い会社に変えたのです。
著者の松山氏も退蔵院の副住職として、掃除力でお寺をまとめています。
喜んで掃除をすることで、周りにその気持ちが伝わっていくそうです。
「勝手にやっておけ」と言って自分は何もしなかったら決してまとまりません。自分がちゃんと外に出て、庭の状態を見て掃除をする。草も引く。お手洗いの掃除も、手が足りないときは私も必ず一緒にします。そしてそれを喜んでやる。すると、自然とみながまとまるので す。要は思い上がらずに、自分が人としてやるべきことをやる。それで初めて周りがついてくるのだと思うのです。つまり、リーダーシップというのは身につけようと思って身につけるものではなく、当たり前のことを当たり前にやっていたら、自然にあとからついてくるものなのです。いくら立場が上であっても、「何やあいつ、偉そうなことを言っているけど」と言われていたら、全くリーダーシップにはならないわけです。
当たり前のことを当たり前にやるというシンプルなルールがリーダーの素養なのです。
時々このリーダーのルールを思い出さないと、人はすぐに裸の王様になってしまうのです。
松山氏と鍵山氏の言葉が、それを私に思い出させてくれました。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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