脳は経験と反復と意思によってかたちづくられる。(ジェームズ・R.ドゥティ)
photo credit: stopherjones Seeing stars via photopin (license)
スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジックは
著者ジェームズ・R.ドゥティの成長ストーリーを楽しみながら
マインドフルネスの素晴らしさも同時に学べる良書です。
アルコール依存症の父とうつ病の母親を持つ本書の主人公のジムは
12歳の夏まで、貧困と家庭崩壊という絶望的な環境の中で人生を浪費していました。
偶然、マジックショップで出会ったルースという老女がジムの人生を変えてくれます。
瞑想というマジックの力を使うことで、ジムは自分の人生を変える術を学んで
スタンフォードの脳外科医への道を切り拓くのです
マインドフルネスを習慣化することで、人生が変わることを本書で実感できます。
マジックを習い始めた初日に、ジムはルースから深呼吸によるリッラクス法を学びます。
深く深呼吸しながら、自分の体の部位に集中していくのです。
胸の中心に意識を集中して、胸の筋肉がリラックスするように指示を受けたジムは
心臓の鼓動を感じながら深呼吸することで、気持ちが穏やかにできることに気づきます。
後に医師になったジムはその理由をこう記しています。
心臓は迷走神経を通じて延髄という脳幹の一部とつながっていることを知った。迷走神経には二つの部分があることや、リラックスして呼吸をゆっくりすることで迷走神経を活性化させると、副交感神経系が刺激されて心拍数や血圧が下がることも知った。また迷走神経が緊張すると交感神経が刺激されて、たとえば怖いときや驚いたときにドキドキするのはそのせいだとわかった。
私たちは呼吸のペースを落とすことで血圧をコントロールし
心拍数を低く抑えることができるのです。
これを続けることで、気持ちを平穏に保てるようになります。
ジムはこのメソッドのおかげで脳外科医として、成功するのです。
ルースはジムにこの深呼吸を習慣にすることを教えます。
特に家族にトラブルがあった時に、この深呼吸をすることで
イライラから解放されて、リラックスできるようになるとを伝えます。
このテクニックをマスターすることで、ジムは自分を意識し始めます。
スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック [ ジェームズ・R.ドゥティ ] |
ルースとジムの会話から、私は子育てのヒントをもらいました。
以下のルースの言葉が私にはとても刺さりました。
(娘たちにもこの言葉を伝えようと思います。)
人生にはどうしようもないことがたくさんあるわ。とくに子供のときは、すべてが思いどおりになるなんて考えられないわよね。なんでも変えられるなんてね。でも、からだを思いどおりにできれば、心も思いどおりになるの。たいしたことじゃないように聞こえるかもしれないけど、それがすごく力になるの。すべてが変わるのよ。
「呼吸とリラクゼーションは心を手なずける一歩」で
ジムはルースの店に10日間通うことで、この呼吸法をマスターします。
共感と直感に優れた人と会うことで人生を変え変えられることを
ジムはルースを通して学ぶのです。
「頭の中の嫌なDJ」を退治することで、ジムは心をしずめられるようになります。
呼吸に集中したり、ロウソクの炎を見る、マントラを唱えることで
私たちは他のことを意識しなくなり、集中力を高められるようになります。
何も考えない時間を増やすことで、心をコントロールできるのです。
神経可塑性は脳が本来備えた機能の一部だということが科学的に認められている。脳を鍛えれば集中力や注意力が増し、頭の中の声に邪魔されずに、明快で賢い判断ができるのだ。
マインドフルネスによって、私たちは本来自分に備わっている能力を
発揮できまるようになります。
どうしようもない未来や悲惨な過去を考えても仕方がありません。
マインドフルネスによって、集中力を取り戻せば、嫌な気持ちを味わずにすみます。
ジムの成長していく様子と医師になったジムのアドバイスを
同時に楽しめるストーリー構成が素晴らしく、あっという間に読了できます。
わかりやすくマインドフルネスを学べるので、入門書としても最適です。
私も本書でマインドフルネスの価値を再認識できました。
医学的アプローチからマインドフルネスを学べる良書だと思います。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
ぜひ、書籍の表紙をクリックしてご一読ください。
ソーシャルメディアを武器にするための10カ条 [ 徳本昌大 ] |
コメント