エドガー・ H・シャインの謙虚なコンサルティングの書評

これでもういいと妥協してしまったら、それまでだ。(エドガー・ H・シャイン)


photo credit: john.gillespie Hani Rashid talk at the National Arts Club via photopin (license)

優秀なコンサルタントになるために!

エドガー・ H・シャイン氏は「それであなたはどうしましたか?」と
質問を変えるとクライアントとの関係を改善できると言います。
彼の最新作の謙虚なコンサルティングを読めば
優秀なコンサルタントのメソッドを学べます。
彼らの役割は「答えを提供する」から
答えを見出せるよう支援する」ことに変化しています。
クライアントを真に支援するためには
自分では答えを出せないことを自覚し
謙虚な姿勢になって、クライアント共に答えを見つけるべきです。
クライアントを前進(行動)させるための問いかけができなければ
優秀なコンサルタントとは言えないのです。

課題を明確にし、クライアントに行動を起こさせるためには
クライアントと親密な関係を築かなければなりません。
彼らの本当の考えを突きとめることと
自分の好奇心を尊重することが必要になります。

私が行った重要な「介入」は、彼らを自宅に招いて「具体例を挙げてほしい」と求めるこバーソナライズしたことによって、打ち解けた関係を築き、状況をより明確に理解したことだ。私を突き動かしていたのは、好奇心と、なんとかして役に立ちたいという気持ちが入り混じった思いだった。

なんとかして、クライアントの役に立ちたいという意識をもち
相手の懐に入る努力が欠かせません。

謙虚なコンサルティングとは何か?

私たちが解決しようとしているのは、かつてない複雑な問題と、かつてない種類のクライアント組織、そしてクライアントが感じているかつてない切迫感である。そのため新しいコンサルティング・モデル、すなわち「謙虚なコンサルティング」が必要になる。このモデルを使えば、どのような姿勢でクライアントに対するべきかや、クライアントからの最初の問い合わせにどう対応すればいいかがわかり、さらにそうすればいいか初めはわからない場合があることを受け容れられるようになる。

謙虚なコンサルタントは、クライアントの役に立ちたいと全力を尽くし
誠実な「好奇心」で課題に対峙しなければなりません。
クライアントの思いを積極的に突きとめるためには
相手への思いやりを持つことも必要です。
初対面でも率直に話のできる関係を築くために
心を割って話したり、堅苦しさをなくさなければなりません。
クライアントと距離感があっては、何も生み出せません。
上から目線で相手に接するのでなく、友人のように語り合いましょう。
エドガー・ H・シャイン氏はこれをレベル2の個人的な関係と呼んでいます。)
一段低い位置にクライアントがいると思わせたり
あまりに仲良くなりすぎると真の課題を見つけることはできません。
個人的な関係を築ければ、クライアントの本当の考えを突きとめられます。
友人のような関係をすぐに作れれば、クライアントは自ら動き始めます。

謙虚なコンサルティングに必要な3C

謙虚なコンサルティングには以下の3つのCが求められます。
■積極的な気持ち(Commitment)
クライアントへの思いやり(Caring)
真摯な好奇心を全開にする(Curiosity)
クライアントへの好奇心と思いやりを忘れずに
積極的に話を聞くようにしましょう!

最初のたしかな支援とは、コンサルタントの手助けによって、クライアントが、問題となっている状況の本当の複雑さと厄介さを理解し、その場しのぎの対応や反射的な行動をやめられるようになることだ、と。そのうえで、適切なアダプティブ・ムーヴを展開し、本当の現実ーコンサルタントとしてクライアントに目を向けてもらうようにすべき本当の現実iに対処することが、本物の支援なのである。

科学者のようにデータ分析をして、冷静にアドバイスをするのではなく
友人のように本気でクライアントを支援すべきです。
好奇心を持って相手の話を傾聴し、共感することで
何が本当の課題かがわかります。
あとは相手を動かすために、良い質問を心がけるだけです。
豊富なケーススタディを読むことで
謙虚なコンサルティングをわかりやすく学べます。
組織の課題を解決したいリーダーや経営者にもオススメの一冊です。

まとめ

クライアントの懸念を突きとめるためには
クライアントとコンサルタントが相互に信頼する必要があります。
そのためには、クライアントと打ち解け
個人的な話ができる関係を築かなければなりません。
相手に対する好奇心を持って、話をしっかりと聞き
真の課題を共に見つけるのです。
そして、クライアントがすぐに行動に移せるように
良い質問を投げかけましょう。
謙虚なコンサルティングを身につけるとは
人間力を鍛えることだと本書から学べました。
傲慢なコンサルタントは、もはや生き残れないという事実に
著者のおかげで気づけました。
相手を信頼し、真摯に対応しない限り、解決策は見つからないのです。

今日もお読みいただき、ありがとうございました!!

     

    

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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