大平信孝氏の指示待ち部下が自ら考え動き出す!の書評

じつは、部下を自ら考え動く人材に育てるのは、それほど大変なことではないのです。部下との日常的な会話や定期面談のやり方など、ちょっとしたことを変えるだけでいいのです。(大平信孝)


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行動イノベーショントークで部下のやる気に火をつけよう!

大平信孝氏から新刊の指示待ち部下が自ら考え動き出す!を献本いただきました。早速、大平氏の部下を動かす行動イノベーションを紹介したいと思います。若い社員の間では個人優先の考え方が一般化し、会社への帰属意識が低くなっているようです。指示待ち社員が増加し、部下とのコミュニケーションに悩んでいるビジネスマンも増えています。実際、私の周りの経営者も部下が積極的に働かなくなったことに不満を感じています。しかし、不平不満を言うだけでは、業績は伸ばせません。今いる部下を戦力に変えるためには、経営者や上司が変わらなければならないのです。上司という立場で人を動かす「ポジションパワー」の時代は終わり、影響力(信頼関係および実力)で人を動かす「ヒューマンパワー」の時代になったのですから、大平氏のアドバイスに従い、社員とのコミュニケーションを変えてみましょう。

そのためには、上司は以下の3つのポイントを意識すべきです。
1、相手そのものではなく、「相手の興味・関心」に関心を持つ
2、部下との共通点を見つける
3、できていることを「承認」する
この3つのポイントを抑えれば、部下との信頼関係を築け、なんども同じことを言わずにすみます。部下も人間ですから、感情を揺さぶることで仕事に対する態度は変わります。ダメなことにフォーカスするのをやめ、できていることを褒めれば、部下のやる気に火をつけられます。部下の生産性を高めることことができれば、自分の時間を有意義に使えるようになるのですから、まずは自分の言動や態度を変えるべきです。

大平氏は部下に行動させるための「行動イノベーショントーク」を身につけるとよいと述べています。部下の感情を動かすことを目標にして、彼らが動ける環境を生み出すのです。部下自身が心から実現したいという目標を設定するのです。「行動イノベーショントーク」には以下の5つのステップがあります。

ステップ1 現在地を確認する
仕事を分解し、できているところ、できていないところを確認する
ステップ2 会社の目標と部下の役割を確認する
部下自身が、自分に期待されていること、自分の役割を知る。
ステップ3 個人的な夢や目標を確認する
部下自身が、本当にやりたいことを再確認する。
ステップ4 部下の個人目標を設定する
具体的にどうするのかを決める。
ステップ5 アクションプラン(10秒アクション)を作る 
目標に向かうための具体的な行動を決める。

会社の目標だけでなく、部下の個人の夢を書かせることで、やる気が生まれてきます。会社の目標と自分の目標の共有ゾーンをつくると部下のモチベーションは一気に高まります。あとは大きな目標を達成するための小さな目標を日々部下に与え、すぐに行動するように仕向ければよいのです。日々の10秒アクションを大切にし、すぐに行動を起こさせることで、部下が自ら動けるようになるのです。

 

行動イノベーション・トークの効果を最大化するコミュニケーションとは?

部下に行動させるためには、上司のコミュニケーションのスタイルを変えなければなりません。上司はついつい部下を追求して、結果をすぐに求めてしまいます。多くのマネージャーは二者択一で答えられるクローズド・クェスチョンで、部下にYES/NOを迫りますが、この質問が部下の動きを鈍くします。部下がアイデアを生み出し、積極的に動けるようにするためには、回答が限定されないオープンクェスチョンを日常会話に取り入れるべきです。「あなたはどう思う?あなたの考えを聞かせて」と部下に問いかけることで、部下は自ら思考するようになります。

たとえ同意できなくても、相手の話を一度受けとり、「相槌・うなずき」「受け止める」「相手の言葉を繰り返す」「相手の気持ち・感情を言葉にして返す」という4つの行動で共感を示すことで、部下の気持ちがラクになる。

また、部下の意見に「共感」することも大事です。たとえ正反対の意見を述べたとしても、しっかり言葉と態度で示すことで、相手のやる気を削がずにすみます。相槌をうったり、相手の言葉を繰り返すなど部下の感情に配慮しましょう。

承認には「結果承認」「行動承認」「存在承認」「第三者からの承認」という4つの種類があります。この承認を使い分けると、部下との関係性は劇的に変わります。結果をほめるだけでなく、実際に行動したことをほめることも大事です。部下がいつも結果を残せるわけではないのですから、プロセスをほめるようにすると部下のやる気を維持できます。笑顔で挨拶したり、部下に気を配るなど自分の行動を変えて、部下との信頼関係を築けるようにしましょう。

まとめ

指示待ち部下を自ら動ける部下に変えることは実は簡単です。部下を変えるのではなく、自分の態度と言葉を変えればよいのです。行動イノベーショントークを身につけ、部下との関係を改善していきましょう。相手の興味・関心に共感したり、相手をほめることで上司と部下の関係を抜け出せます。会社の目標と個人の目標の共有ゾーンをつくりだし、日々小さな目標を与え、行動させるようにすることで、いつの間にか指示待ち部下が優秀な社員に変わっていきます。

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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