ストレスのネガティブな影響に注目しすぎても、いいことはないと私は確信している。(ショーン・エイカー)
幸せになるためにストレスを味方にしよう!
多くの人はストレスを悪いものだと考えています。確かにストレスは病気の原因になり、人間の臓器に悪影響を及ぼします。ポジティブ心理学の第一人者のショーン・エイカーは、ストレスをネガティブではなく、ポジティブに捉えることで、人生がうまくいくようになることを見つけました。
「ポジティブな現実を作り出す」とは、いわゆる「ポジティブ思考」によって、 いいことが魔法のように起きるという話ではなく、 真の変化が可能だと信じることによって、自分が持つ認知的、 知的、感情的リソースを引ぎ出し、 ポジティブな変化を生じさせるということである。 こういうポジティブな現実を常に作り出せる能力を「 ポジティブ才能」と呼ぶ。この才能が、成功、 優れたパフォーマンス、幸福の先駆けとなる。
ショーンは成功が約束される選択の法則: 必ず結果が出る今を選ぶ5つの仕組みの中で、現実を改良する戦略をとれば、ストレスを味方にできると述べています。彼はイェール大学の研究者、アリ・クラムとピーター・サロベイ、UBSの経営幹部と調査を行いました。UBSの380人のマネジャーを2つのグループに分け、それぞれに異なるビデオを見せました。最初のグループが見たビデオは、企業の「ストレス軽減プログラム」で以下のメッセージが含まれていました。
●1日に、およそ100万人の労働者がストレスに関連する症状で欠勤している
●ストレスが生殖、成長、免疫力に及ぼす悪影響は、人類の生存にとつて脅威とされている
2つ目のグループのビデオはまったく違う内容で、ストレスが脳の働きを活性化して、記憶や知能を高め、身体の負傷も回復が早まるというものでした。
●ストレスに反応して放出されるホルモンが、認知機能や記憶力を向上させる。認識領域が狭まることで注意力が増し、脳の情報処理速度が増す
●ストレスは身体の回復機能や免疫機能など生物学的プロセスにプラスに働くので、心理面の活力が増す
●ストレスや逆境は場合によつて、その人の精神的強さを増し、他の人々とのつながりを深め、優先順位を明確にさせ、生きる意味を確かなものにする、いわゆる「外傷後成長」をもたらすとされる
その実験から1週間後、2つのビデオが参加者たちのストレスレベルにどのように影響したかを見るために、いくつかの方法を用いて評価を行いました。SMM(ストレス・マインドセット法)、ワーク・パフォーマンス測定法、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)尺度、77の質問を行うMASQ(気分と不安症状に関する質問表、身体的情緒的症状を評価するもの)など4つの方法で調査したところ、驚くべき結果が得られたのです。ストレスのプラス効果を強調したビデオを見たグループでは、ストレスにまつわる頭痛、腰痛、疲労感などの身体的症状が、23パーセントも軽減しました。さらに生産性を1から4の4段階で評価しましたが、ポイントが1.9から2.6へと30パーセント近く上昇したのです。
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ストレスが生産性やパフォーマンスをアップしてくれる!
同じ状況で前向きに進んでいく人がいる一方で、
希望を失ってしまう人がいる理由は、彼らが文字通り「 異なる現実」を生きているからである。 一方はどんな障害があっても「幸福や成功が可能な現実」 に生きていて、他方は「それらが不可能な現実」に生きている。 不可能だと思い込んでいる人が、 幸福になって成功を勝ち取ることができるはずがない。
さらに、ショーンとクラムは200人のマネジャーを対象に「ストレスを再考する」プログラムを実施しました。彼らはストレスの害に注目するのをやめ、それを仕事に活かすことを教えました。
①ストレスの存在を認識する。
②ストレスの背後にある意味を考えさせる(例えば、「私がこのプロジェクトでストレスを感じている理由は、成功できれば昇進するからだ」など)。
③ストレス反応をモチベーションや生産性の向上に導く方法を教える。
このプログラムの効果はさらに劇的で、マネジャーたちのストレスレベルが「低下」しただけでなく、ストレスが「善玉」に変化しました。マネジャーたちの作業効率や健康状態は改善し、ストレスに対する「新しい現実」があることを突き止めました。
ここで得られる教訓は、ストレスと「闘う」ことをやめようということだ。ストレスは「闘争ー逃走反応」のひとつであり、闘つたり逃げ出したりすれば、それはいっそう増大する。それよりも、ストレスが生じた時には、それが著しく生産性やパフォーマンスを上げることを可能にするのだと考えるほうがいい。
もし、新しい仕事の面接を前にストレスを感じているのであれば、自分のキャリアを進展させるためのチャンスに注目するようにするのです。別の組織へのプレゼンテーションを前にストレスを感じているのであれば、その組織とのつながりが有益であると考えるようにしましょう。
アリ・クラムは心の「アンカーポイント(判断の基準)しとしてドアノブを使い、ストレスを抵抗せずに受け入れています。例えば、講演や面接のために会議室のドアを開ける時、ドアノブを見たとたんに、「今感じているストレスは自分のパフォーマンスを向上させる働きがある」ということを思い出すのです。
仕事上のストレスを感じる状況で、そのストレスと闘わないことを思い出すような、自分なりの「アンカーポイント」を作ることで、私たちはストレスを味方にできます。ストレスはどんな場合でもプラスに働くわけでもありません。ストレスに対してポジティブなマインドセットを持つことで、結果をよくできるのです。ストレスが不可避だからといって、その悪影響まで不可避なわけではないと考えることで、幸せな人生を送れるようになるのです。
著者のショーンは、以下の5つのスキルでPQが高まり、幸せが手に入ると指摘します。
1、もっとも価値のある現実を選択する
2、メンタルマップの作成
3、一番力を発揮できるスポットを見つける
4、ノイズの消去
5、ポジティブ視点の植え付け
自分にポジティブな変化をもたらしたいのなら、まずは自分の現実を変えることから始めましょう。私も現実の捉え方を変えることで、幸せになれたのでショーン・エイカーの主張に共感を覚えました。
まとめ
目の前の現実の捉え方を変えると私たちは幸せになれます。成功出来るを脳を作るためには、ストレスをネガティブではなく、ポジティブなものとして捉えるようにすべきです。ストレスは不可避なものですが、それを悪いものにする必要はないのです。ストレスを複数の視点を持ち、マインドセットを変えると私たちは幸せになれるのです。PQを高める5つのスキルを身につけ、幸せな時間を増やしましょう。
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