誰しも会議など嫌いであろう。その通り、たいていの会議は時間の無駄である。そして、会議はけっしてなくならないのも事実だ。したがって、会議をよりよいものにすることは、リーダーの責務である。ただ時間の短縮を図ればよいのではなく、もっと効率化し、秩序化しなければならない。そして、あえて言わせてもらうが、会議は楽しめるものにすべきなのだ。職場における幸福は重要である。多くの人は起きている時間のほとんどをそこで過ごしているのだから、当然であろう。幸福ではない状態慢性的ないら立ち、不満、仕事への強い嫌悪感などは望ましいはずがない。(アニー・マッキー)
リーダーは、EI(Emotional Intelligence 感情的知性)を高めよう!
ハーバード・ビジネス・レビュー[EIシリーズ] 共感力の書評を続けます。ペンシルバニア大学教育大学院のシニアフェローのアニー・マッキーは職場に置ける幸福感が重要だと述べています。従業員がネガティブな感情になると、悪い結果を引き起こしてしまいます。社員同士のチームワークが悪くなり、創造性やイノベーションにも悪影響を及ぼします。会議はいまだに、協働、創造性、イノベーションが多く生じる場です。会議がしっかりと機能しなければ、企業をうまく経営することができないことがわかってきました。
では、会議をどのように改善すれば、社員は幸福に働けるようになるのでしょうか?まず、ふさわしい参加者を選び、議題を適切に設定し、準備をしっかりやるようにしましょう。この基本を押さえた上で、リーダーは、EI(Emotional Intelligence 感情的知性)の「共感」と「感情の自己管理」の2つの能力を高める必要があります。
この2つの力を身につけることで、会議をメンバーと楽しめ、結果を残せるようになるのです。
①共感 参加者を注意深く「読む」
共感力を高めることで、他者との関係をよりよくできます。メンバーに共感することによって、その場の空気を読めるようになります。
■誰が誰を支持しているのか?
■いら立っている者、惰性でそこにいる者は誰か?
■抵抗者は誰か?
などを見抜けるようになると、アイデアキラーを撲滅できます。会議における、最も賢い抵抗者は、支持者のように見せかけながら、あなたのアイデアを潰そうとしています。参加者を注意深く読み取ることで、水面下での対立を見つけることもできるようになります。対立はたいがいの場合、 会議で検討中の議題や意思決定事項には関係がなく、誰が誰に影響を及ぼせるのかという、人的な力学によって生まれています。
人の力関係が、集団においては、きわめて重要なファクターであることを認識し、会議を運営するようにしましょう。
ほとんどの組織では、権力は実質的な「通貨」だからである。そして権力は、会議の場でも展開される。力の動向や変化を読む方法を学ぶことは、会議をそして他のあらゆることを、主導するうえで役に立つだろう。ここで、留意すべき点がある。共感の活用によって、自分(リーダー自身)に対する参加者の反応も把握しやすくなる。
リーダーはおそらく、その会議で最も権力を持っているはずです。会議の参加者に、依存的なメンバーが含まれると、どんな場面でもリーダーの判断に従おうとします。しかし、この状態を放っておくと、依存的な集団が形成され、組織は弱体化します。リーダーの望むことに何でも従うメンバーと、そうでないメンバーの二極化によって、コミュニケーションがうまくいかなくなるのです。
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良い感情も悪い感情も組織内に伝染する?
②感情の自己管理 リーダーの感情を不要に伝染させない
会議で依存的なメンバーが増えるとどうなるでしょうか?取り巻きは気持ちのよい存在ですが、集団内の力学を悪い方向へ向かわせます。「このリーダーは追従者を歓迎する人だ」と思われることで、部下から適正な評価を得られなくなります。自らのエゴにとらわれているリーダー、もしくはご機嫌取りや人を操ろうとする者の毒牙にかかっているリーダーだと思われ、やがては、組織をうまく運営できなくなります。
また、強い感情は集団全体の雰囲気を往往にして、決定づけてしまいます。人々はそこで起きていることに対して抱くべき感情を、互いを見て察し合います。会議においてもリーダーの感情が伝染し、その場の空気を支配するようになります。
もしリーダーが、希望や熱意といったポジティブな感情を適切に示せば、参加者はそれらを模倣する。すると集団の全体的な雰囲気は、前向きな姿勢が色濃くなり、「自分たちは一丸となって取り組み、きっと成し遂げられる」という意識が広がる。さらにいえば、感情と認識の間には、脳神経的に強い関連がある。感情が総じてポジティブな状態にある時、そして適切な反対意見に直面している時には、思考がより明晰で創造的になるのだ。その反対がどうなるかは、明白であろう。ネガティブな感情もまた伝染しやすく、適切に管理しないまま垂れ流せば、ほぼ常に有害となる。
リーダーの感情は非常に伝染しやすいという事実を受け止めましょう。自分の感情を適切に管理し、人々が意思決定と任務完遂に向けて協働しやすい環境をつくるようにすべきです。少なくともネガティブな感情を表に出し、部下のやる気を削がないようにすべきです。会議を楽しくするために、一緒にいる人々に意識を集中するようにしましょう。
参加者に、会議の内容、それぞれの貢献、そしてリーダーに対して高い満足感を持って終えてもらうことを目指すのです。共感の力によつて、会議で何が起きているのかを読み取ることができるようになります。そして、感情の自己管理によって、目標を達成するための空気を醸成できます。社員の能力を引き出すことで、幸福感のある職場を作れるようになるのです。チームのよきメンバーとなり、会議の雰囲気を改善するために、できるだけポジティブに振る舞いましょう!
まとめ
会議をよりよいものにすることは、リーダーの責務です。会議の時間の短縮を短縮するだけでなく、生産性を高めるように努力するべきです。社員にポジティブなエネルギーを伝染し、幸せな状態をつくることで、パフォーマンスがアップします。共感と感情の自己管理を身につけ、会議を楽しいものに変えましょう!
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