マーケティングにTTM(行動変容ステージモデル)を活用しよう!

見込み客を理解したいなら、TTMを理解せよ。(ドルー・エリック・ホイットマン)


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プレゼンテーションを成功させるTTMとは何か?

ドルー・エリック・ホイットマンクロージングの心理技術21書評ブログを続けます。著者は顧客を獲得し、成約率を高める「消費者心理学 21の原理」を本書で紹介しています。このテクニックを活用するとプレゼンテーションがうまくいくようになることを私は実感しています。今日はその中からTTMについて書こうと思います。

新たな見込み客に会うときは、相手があなたの商品や商品のカテゴリーをどれだけ知っているかということを考慮に入れておく必要がある。あなたの売るものが何であれ、それを買ってもらうのに最も効果的な方法は、相手とその人の世界で出会うようにするということだ。

相手にモノやサービスを買ってもらうためには、一瞬で相手との信頼関係を築く必要があります。”イエス・セット”、つまり、クライアントの気持ちが承諾に傾く条件づけを行うことによって、成功が近づきます。

話の最初のほうで理解してもらう度合が高ければ高いほど、契約が容易になる。

TTM(行動変容ステージモデル:transtheoretical model)は、心理学者のジェームズ・0・プロチャスカによって提唱された健康理論の一つです。健康行動への変容を促すための行動医学に基づく理論で、行動変容は以下の5つのステージによって起こります。
1、無関心期(precontemplation)
2、関心期(contemplation)
3、準備期 (preparation)
4、実行期(action)
5、維持期(maintenance)
健康行動をとろうとする人はこの5つのステージのどこかにいます。逆戻りしたり、同じステップにいることもありますが、5つのステップを順番に登っていくことがわかっています。著者はこのTTMをセールスに応用するとよいと述べています。

消費者の知識とその結果生まれる行動を5段階に分けるのです。その5段階を知り、セールストークが変えることが重要です。見込み客が、ある製品のことを理解する前の段階からその後の段階へ移行する意識の5つの段階を把握し、的確な言葉を相手に伝えることで、セールスの結果が変わります。

TTMをマーケティングに活用しよう!

第1段階:検討以前
この段階の人はあなたの商品の存在を知らないか、それの必要性に気づいていません。

第2段階:検討
この段階の人はあなたの商品のことを知っており、それを使ってみることは考えているが、まだ決心がついていません。自分の悩みや課題について、考え始めています。

第3段階:準備
プロダクトやサービスの計画をスタートしました。見込み客はあなたから商品を買うことを考え始めるが、この商品のメリットについてもっと情報が欲しいと考えています。値段や機能、ユーザーの口コミをネットで調べ始めます。

第4段階:行動
顧客が実際に購入し、プロダクトやサービスの期待値を高め、実際にそれらを使いながら確認します。

第5段階:継続
商品購入後のこの段階では、顧客の生活に欠かせないものになっています。ここからファンによる口コミが起こり、プロダクトやサービスがもっと売れるようになります。

このテクニックを使うビジネスの目的は、消費者を1段階ずつ動かし、最終的にその商品を使うことが習慣になるように仕向けることだ。あなたが取り組むべきは、もちろん、それぞれの段階にいる見込み客を上手に導くことである。

見込み客は自分が問題を抱えていることに気づいているか?
彼らにはあなたの扱っている特定の製品に限らずその製品一般への知識や理解があるか?
彼らはあなたの商品を望んでいる、あるいは必要としているか?
彼らはそれが存在していることを知っているか?
TTMでは、最初から「私の商品/サービスは素晴らしいです。ぜひお勧めします」という言い方をするのではなく、カギになる1つの質問をしてそれに答えてもらうようにするのです。

最初に商品についての簡単な質問をし、自由に答えてもらいましょう。「まったく何も知りません」から「それ持っていますよ。よく知っています」まで、あらゆる答えを引き出すことで、相手のステップを把握でき、セールストークのどのレベルにジャンプすればいいかがすぐにわかります。これで、時間と労力が大いに節約できるのです。

TTMは広告や販促資料、パンフレット、ちらし、ウェブ記事などを作るときに特に役立ちます。
1、段階に関係なくすべての人を対象にした広告、資料を作る。
各段階にいる見込み客は自分に関係する部分に注意を向けるようにします。この場合、何も知らない人でもすぐに商品知識が得られるよう、すべてを詳しく提示する必要があります。ある程度知っている人は自分に関係のある部分だけ読むことができます。

2、第1段階から第5段階へと進んでいく広告、資料のシリーズを作る。
第1段階では市場にあなたの商品を紹介します。そして前回のものを受けて次の段階へ進むという具合に広告、セールスレター、パンフレット、ちらし、eメールを作っていきます。

3.ウェブサイトで見る人が自分の段階に適したサブページを選べるよう、ボタンを複数用意する。
たとえば:当てはまるところにチェックを入れて「ENTER」をクリックするように設計します。

いずれも自分に関係のある情報や動機を見込み客にたっぷり提供し、それぞれのペースで5つの段階を進んでもらうこと、そして最終的に固定客になってもらうこと、これが目的だ。経験不足なセールスパーソンと同じようなことをしていてはいけない。

顧客が今どのような状態にあるかを見極め、それから相手の世界に入っていくようにしましょう。TTMの5つのステップを活用することで、時間の節約になるだけでなく、見込み客に大いに関心を持ってもらえるようになります。各ステップのセールストークを研ぎ澄ますことで、高い成果をあげられるようになるのです。

まとめ

マーケティングにTTM(行動変容ステージモデル)を活用することで、顧客との関係が築けます。顧客の5つのステップを把握し、的確なセールストークを使うことで、売り上げを拡大できるようになります。広告を作成するときにも5つのステップを意識し、顧客がどの段階なのかを把握するようにしましょう。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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