国貞克則氏の現場のドラッカーの書評

経営学は他の学問とは全く違う。経営学は実践されなければ意味がない。つまるところ、マネジメントとは実践である。その本質は知ることではなく、行うことである。(ピーター・ドラッカー)


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ドラッカーは現場で実践しなければ、意味がない!

書店で現場のドラッカーと言う書籍を見つけましたタイトルに惹かれ、本書を購入し、早速読んでみることにしました。以前、ドラッカー勉強会を主宰していたので、ドラッカーについては相当学んできましたが、ドラッカーの言葉は読むだけでなく、現場で実践しなければ意味がないことを再確認できました。

ドラッカーの本を読んだことがある人は沢山いるはずです。しかし、多くの人がその本質を理解できていないと著者の国貞克則氏は指摘します。すべての組織は目的を達成するために存在する集団です。目的を達成するためには、組織のトップを中心にして全従業員が共通の目的、共通の価値観を持っていなければなりません。共通の目的価値観を持たない限り、組織は成果をあげられないのです。

マネジメントの役割自体は変わっていない。それは、共通の目的、共通の価値観、適切な組織、訓練と自己啓発によって、人々が共に成果をあげられるようにすることである。

個人が成長するだけでなく、組織がチームとして一つになることで企業は成長できるのです。ドラッカーは成果をあげることに焦点を当てると同時に、仕事を通して人間が幸せになる組織とはどういうものかということを常に考えていたと著者は言います。組織は人間を幸せにするために存在するとリーダーが考え、動くことで、結果を出せるようになるのです。

リーダーは変化に適応することを考え、それを現場に伝えなければなりません。変革と継続を意識し、スピーディに対応することで、社員を幸せにできるのです。

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なぜ、”create a customer”(顧客創造)なのか?

市場は、神や自然や経済的な力によって創造されるものではない。企業人によって創造される。

ドラッカーの名言と言えば、”create a customer”(顧客創造)が有名です。なぜ、顧客満足ではなく、顧客創造だったのでしょうか?著者の国貞氏は以下の2つの理由をあげています。
1、社会は生き物
社会と言う生き物は絶えず変化しますが、誰も未来の変化を完璧に予測できません。変化し、その先行きがわからない社会の中で企業が生き残っていくためには、顧客満足では遅すぎます。自らが顧客を創り出し、市場を創り出さなければならないのです。

2、顧客は自分自身のニーズや欲求をそもそも自分自身がよくわかってはいない
iPhoneはユーザーがそれを具体的にイメージして、アップルに「こんな商品を作ってくれ」と言って作られたものではありません。汗を熱にかえるデザイン性のよいヒートテックも、顧客が具体的にユニクロに要望したものではありません。自分が担当しているお客様に密着し、顧客がどんなニーズを持ち、どんな現実の中におり、どんな価値観を持っているかを知ることで、企業ははじめて顧客を喜ばすことができます。顧客のために考え、役立つ商品を作ることで、顧客を創造できるのです。

ドラッカーは企業には以下の4つの機能が必要だと述べています。
■マーケティング
■イノベーション
■管理的機能
■利益

ドラッカーは「マーケティングの目的は販売を不要にすることである」と言います。企業は顧客を顧客以上に知り尽くし、顧客が期待している以上のものを提供できなければならないのです。顧客を起点にして顧客の期待以上のものを提供し続けている会社が、素晴らしい会社なのです。

企業の目的は利益をあげることではありません。企業の目的は顧客を創造することです。そのためにマーケティングとイノベーションの機能が必要になります。そして、資源を効率よく活用するために経営管理的機能が必要になります。この経営管理的機能の経済的側面を生産性と言います。これらマーケティングとイノベーションと経営管理的機能がうまく機能することによって利益がもたらされるのです。(国貞克則)

利益を出すためには、すべての社員が顧客を起点にし、顧客の期待以上の価値を提供しなければなりません。経営者は人という貴重な資源を有効に活用することで、利益という結果を出せるようになるのです。経営者や現場は利益を目的にすると、社会的意義を失います。企業は顧客に価値を提供して、はじめて利益を得られるのです。

まとめ

ドラッカーの言葉は読むだけでなく、実践しなければ意味がありません。リーダーは変化に適応することを考え、それを現場に伝える必要があります。経営者は変革と継続を意識し、スピーディに対応することで、顧客と社員を幸せにできるのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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