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90日で成果をだす DX(デジタルトランスフォーメーション)入門
著者:須藤憲司
出版社:日本経済新聞出版社
本書の要約
DXが加速する中で企業が生き残るためには、「デジタル」を活用して、圧到的にかつ優れた顧客体験を提供する必要があります。①モバイルファースト②動画活用③データ活用④リアル接続⑤ビジネスモデル変革のDXを成功させるための5つのステップを実践し、顧客に感動体験を与えましょう!
DX時代には体験のリッチ化とパーソナライズ化が鍵
DXを行う中で最も大切なことは、「デジタル」を活用して、圧到的にかつ優れた顧客体験を提供し、事業を成長させること」です。ここでの”成長させる”は、もっとハッキリと「稼ぐこと」と言い換えてもいいでしょう。顧客体験と直接的に関連しないデジタル化ではDXとは言えず、自分たちの事業や商売に直結していることが原理原則になるからです。(須藤憲司)
今月からいよいよ日本でも、5Gが本格的にスタートしました。世界は今後ますますデジタル化され、デジタルトランスメーション(DX)は加速します。DXを戦略の中心に据えなければ、企業は生き残れなくなっています。採用や人口減少、GAFAの台頭という理由だけでなく、今回のコロナ騒動も企業のDXを加速しています。Zoomでのオンライン会議が増え、企業の生産性が思わぬところから高まっています。
著者の須藤憲司氏は、顧客体験を変えることで、多くの事業のKPIを劇的に変えてきました。企業と共に様々な施策を行うことで、DXをどう進めていけばよいかの知見を高めてきました。そのノウハウが本書90日で成果をだす DX(デジタルトランスフォーメーション)入門には詰まっています。
サブスクリプション・モデルが当たり前になるなかで、顧客の価値は変わり、好きな物と安いものしか選ばなくなっています。体験においてはリッチ化とパーソナライズ化がキーワードになります。UberやGrabは配車した車がいつくるかを地図上でチェックできるようにして、顧客のペイン(待ち時間)を取り除いています。データをAIで分析することで、アマゾンは顧客のパーソナライズ化を行い、最適な商品を提案できるようにすることで、売上アップをはかっています。
顧客体験は好きか安いかという2軸でプロダクトを判断されますが、体験のリッチ化とパーソナライズ化で価値を高めることが可能です。DXが加速する今、企業は自分たちが、どんな価値を顧客に提供できるのかを再定義する必要があります。優れた顧客体験を提供し、その体験提供を通じて生み出されたデータを活用し、提供価値を加速させたり、強化したりする必要があるのです。
DXを成功させるための5つのステップ
DXを成功させるための5つのステップ
①モバイルファースト
②動画活用
③データ活用
④リアル接続
⑤ビジネスモデル変革
① モバイルファースト
顧客がスマートフォンを使いこなすだけでなく、社員のモバイル化が進んでいます。顧客向けのWebサイトだけでなく、業務用の社内システムもモバイルファースト対応をすべきです。
②動画活用
モバイルでは長文コンテンツを読んでもらえなくなる中で、社外・社内向けの資料を動画化すべきです。動画化することで、顧客の行動をトラッキングできます。動画は他のコミュニケーションに比べて、わかりやすいメリットがあります。難しい表現では顧客に逃げられてしまいますから、できるだけシンプルでわかりやすい動画を作りましょう。
③データ活用
誰がどれぐらい見たかというデータを収集し、コンテンツのアップデートを行います。
・視聴している人間や時間帯
・人気のあるコンテンツ
・離脱したポイント
などをチェックし、PDCAを回すようにします。視聴者の興味の高い動画を配信すること(体験のパーソナライズ化)も積極的に行いましょう。
④リアル接続
デジタル環境だけではなく実店舗や営業の現場などの「
⑤ビジネスモデル変革
DXを進化させることで「ビジネスモデルの変革」が起こります。昨今、金融業界でもDXが進み、保険やローンなどの新規契約において、本人確認書類も自ら写真で撮影してアップロードする形式が当たり前になりました。こうした企業では、窓口業務を減らし、固定費の削減に成功しています。
売り切りモデルから定期購入型(サブスクリプション)
DXにおいては、正しい目的を設定することが重要です。目的を達成するための問題を洗い出し、それを小さく切り刻みます。仮説を検証するために、テストマーケティングを行いながら、問題をスピーディに解決することで、顧客体験をアップできます。ネットフリックスはこの方法で、顧客を虜にし、GAFAに次ぐ存在になったのです。
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