ジョー・ピュリッジの商品をつくる前に顧客を集める コンテンツ・インク戦略の書評


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商品をつくる前に顧客を集める コンテンツ・インク戦略
Content Inc.: How Entrepreneurs Use Content to Build Massive Audiences and Create Radically Successful Businesses
著者:ジョー・ピュリッジ
出版社:ダイレクト出版

本書の要約

今起業するなら、成功の必勝法は商品を売り出すことではありません。商品づくりよりも先に、オーディエンスを引きつけて増やすシステムを作ることです。コンテンツ・インクをスタートし、質の高いオーディエンスを集められれば、商品は自ずと売れていくものです。

起業家が今すぐコンテンツ・インクを行うべき理由

コンテンツマーケティングを始めるなら今だ。(ジョー・ピュリッジ)

コンテンツマーケティングとは、適切で価値あるコンテンツを作成、配布するマーケティングの手法で、最近では多くの企業が取り入れています。コンテンツマーケティングインスティテュート(CMI)の創設者で、この分野のスペシャリストと言われるジョー・ピュリッジが、新刊コンテンツ・インク戦略(Content Inc.:をリリースしました。

今起業するなら、成功の必勝法は商品を売り出すことではない。オーディエンスを引きつけて増やすシステムを作ることが先決だと私は考えている。

魅力的なコンテンツを発信することで、オーディエンスは起業家であるあなたのファンとなり、あなたが送る情報を楽しみに待つようになります。ロイヤルティの高いオーディエンスを築ければ、彼らはあなたからなら何でも買ってくれるようになります。そして、著者はこのモデルを「コンテンツ・インク」と呼んでいます。顧客を集める前に商品を作るのをやめ、コンテンツであなたのファンを増やすべきです。

コンテンツインクモデルには以下の6つの段階があります。
1、スイートスポット
オーディエンスを引きつけるスイートスポットを特定
2、コンテンツチルト
自分が考えているコンテンツを、視点を変えて見直し、差別化できる要因を突き詰める
3、基盤を築く
コンテンツの主要な基盤を一つ選ぶ(ブログ、ポッドキャスト、YouTubeなど)
4、オーディエンスを収穫する
オーディエンスを定期購読者に変えないと、収益化ははかれない
5、多角化
主力のコンテンツチャネルを多角化させる
6、収益化
5つのステップを全てやれば、購読者が増え、そこから商品を生み出すことが可能

ユニークな才能と情熱を、一番得意とすることと結合させながら、収益を稼ぐのだ。

私たちが事業を実際に差別化する唯一の手段がコンテンツで、そのコンテンツで顧客がどんな体験をしたかが、究極の差別化の要因になるのです。自分が好きな情報を顧客に届けること、情熱を原動力にして顧客の悩みを解決することで、あなたのファンを増やせるようになります。その際、手付かずで残っている領域を探して、その領域をコンテンツの力で開拓しなければならないのです。

そして、コンテンツチルトを見つけ出すには、とにかくなんでもいいから、コンテンツを作り始め、チャンスを見つけるしかないのです。コンテンツを書くことで、読者も自分も成長できます。オーディエンスからのフィードバックによって、自分のビジョンが補完され、独自のビジョンが最終的にそのコンテンツに染み渡っていきます。

自己PR戦略の三本柱

私自身の経験から、ブログを開設して記事を書く、本を出版する、講演するという3つの仕事が私の自己PRに最も役立っている。それに3つとも最高のビジネスチャンスを私にもたらしてくれた。だが、成功したのは私だけではない。

多くの成功者が、ブログ、本の出版、講演この3本柱で成功していると言います。

■ブログ
自分を他と差別化できるストーリーをインターネット上で定期的に配信する場所であるブログをスタートしましょう。その記事がオーディエンスによってシェアされることで、リーチの範囲が拡大します。コンテンツ・インク戦略を採用するほとんどの起業家がブログを自己PRの主力プラットフォームにしています。

■書籍
あなたのストーリーを「本」という手に取れる形にしていれば、人から「何をしている方なのですか」と訊かれたときにその本が名刺がわりになります。世の中にこれ以上に強力な名刺はありません。私も実際出版することで、自分のブランド価値が一気に変わりました。本を名刺がわり(エビデンス)にすることで、信頼度がアップします。

■講演
ブログと書籍が軌道に乗れば、講演のチャンスが巡ってくきます。世界各地でカンファレンスを企画している人たちから、「あなたの分野について講演していただけませんか」と打診されるようになります。講演依頼を引き受けるのを躊躇しているのであれば、それを引き受けることにより、ブログや書籍のオーディエンスとはまったく別の、新たなオーディエンスの前で自分のメッセージを伝えられます。その上、報酬までもらえて、依頼者側についているオーディエンスとの出会いも生まれ、新たな顧客リストが手に入ります。

私もブログや出版によって、自分のブランドを確立できました。最近はあまり人前で話していませんでしたが、このコロナ禍で、オンラインセミナーにチャレンジしてみました。こんな時代でも、新たなコンテンツをつくり、人との出会いをデザインすることで、自分の可能性を広げられます。

私の場合、10年以上前に始めたソーシャルメディアでの情報発信が出版、講演という収益につながり、その後、ブログというプラットフォームから様々な仕事の依頼を受けることができました。本書によって、コンテンツマーケティングの重要性と収益化のステップを再認識できました。

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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