村山太一氏のなぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37のバカが見つけた必勝法の書評

なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37のバカが見つけた必勝法
著者:村山太一
出版社:飛鳥新社

本書の要約

(危機感×気づき×即行動)のサイクルを高速め回す危機回避術であるサバンナ思考と一流や世界一のやり方をマネして丸パクリするショートカット術(マヨネーズ理論)を組み合わせることで、村山太一氏は変化に適応してきました。サイゼリヤでの学びを実践することで、コロナ禍でも著者は黒字を確保できたのです。

サイゼリヤでのバイト体験で自分のお店が幸福な職場に変わる?

はたから見れば成功しているように見えたかもしれませんが、実際は長時間労働が常態化し、人間関係は最悪。経営もギリギリでした。スタッフは幸せじゃないし、僕も幸せじゃない。このままではまずい。そう思って、サイゼリヤでバイトして学んだら、人時生産性(従業員1人の時間当たり生産性)が約3.7倍になり、劇的に経営を改善できたんです。(村山太一)

成長したければサイゼリヤでアルバイトをすればよいと考えた村山太一氏(レストラン・ラッセ)は、ミシュランの星付きシェフというプライドを捨て、近くの店舗でアルバイトを始めます。普段は厨房で陣頭指揮をする有名シェフが、休日は高校生に混じって、サイゼリヤで働いたのです。その結果、お店の数字は一気に好転し、業績だけでなく、労働時間の短縮にも成功します。サイゼリヤの手法を取り入れることで、村山氏は自分のお店を幸福な職場を作り変えたのです。

・スタッフ1人当たりの年間売上850万円→1850万円(約2.2倍)
・経常利益率8%アップ
・労働時間16時間(8時~24時半、休憩30分)→9時間半(10時半~22時、休憩2時間)約4割減
・従業員数9人→4人(効率化により少人数で店を回せるようになった)

コロナ禍が起こる中で、この店に奇跡が起こります。村山氏はスタッフを幸せにすることを考え、絶対に倒産させてはいけないと無我夢中で動き続けることで、この3月~5月も黒字を達成します。コロナという大逆風が吹き荒れる中、黒字を達成できたのは、より良い方向に変化し続けたからだと著者は言います。

サバンナ思考(危機感×気づき×即行動)とマヨネーズ理論

イタリア最高峰のレストランでキッチンを任せてもらえたのも、帰国後にオープンしたレストランがミシュランの星を9年連続で保ち続けているのも、そのレストランの経営改善を続けて黒字体質になってきたのも、僕が毎日楽しく幸せに生きているのも、そしてこの本を出して皆さんと出会えたのも、僕が原理原則を守り続けてきたからなんです。その原理原則とは、「より良い方向に変化し続ける」ということ。当たり前のことではありますが、これ、できていない人が多いんです。

村山氏の必勝法は「落とし穴に落ちない」で「最短で成長する」ことです。著者は以下の2つを組みわせることで、変化に適応してきました。
1、サバンナ思考…「危機感×気づき×即行動」のサイクルを高速で回す危機回避術。
2、マヨネーズ理論…一流や世界一のやり方をマネして丸パクリするショートカット術。

サバンナ思考
★現代社会はいつライオンに食われるかわからないサバンナと考え、すぐに行動しましょう。
★「サバンナ思考=危機感×気づき×即行動」という公式を高速で回転させていけば、どんな困難な時代でも生き残っていけます。
★サバンナ思考の最大の敵はウェイト&ストップ思考と、固定観念に縛られることです。本当にそれで幸せになれるのか、絶えず自分に問いかけましょう。
★いつ雪崩が起こるかわからない雪山にいるかのように、危機感を持って周りを見渡します。
★空気は読まなくていいので、本当に大切なものを守りましょう。

マヨネーズ理論 

人生は、どんな人と出会って、その人からどんなことを学べるかによって、大きく変わります。 「人生を変える人と出会ってない」と思うのなら、これから出会えばいいんです。

★すごい人のやり方を丸パクリすれば、最速最短で成長できます。
★「無」の状態になって、相手を信じて一体化し完全コピーします。
★何年かけてでも「この人から教わりたい!」という師匠を探しましょう。
★師事したい人に「僕の情熱はあなたより上だ」と熱意を見せることで、入門できます。
★丸パクリしたら四次元ポケットから取り出すように使いこなします。師匠から学んだことを自分の知識や体験と組み合えわせ、変化することで、リスクを乗り越えられるようになります。

世の中の経営者やリーダーは、社員を幸せにするような仕組みをつくらなければならないと思います。その企業は必ず生産性が上がり、売上が上がります。仕事の生産性を上げるには、幸せであることが一番です。幸せなら、気分よく補い合いながら働いて、チームとしての全体最適を図れるので生産性が上がります。一方で、生産性が上がれば上がるほど、時間的にも精神的にもゆとりができてみんながより幸せになります。この好循環を実現させているのがサイゼリヤです。

著者はサイゼリヤでのアルバイトを通じて、自分の店の生産性を高め、自分の店舗を幸せな場所に変えてしまいました。ミシュランのシェフいうプライドを捨て、サイゼリアの現場から愚直に学び、よいところを徹底的に盗みます。独りよがりの経営をやめることで、チーム力が高まり、メンバー全員でコロナを乗り切る対策を考え、実践しました。

幸せになったら仕事が楽しくなり、仕事のスピードも上がります。一人一人の仕事の生産性が上がったら、店の売上も上がるという好循環によって、コロナ禍の中でも黒字を達成できたのです。サイゼリヤによって効果が証明されている「勝ち残る仕組み」を身をもって体験し、それを実践することで、自分の人生とお店をアップデートすることに成功します。

変化に適応するために、著者のサバンナ思考とマヨネーズ理論を取り入れることで、私たちは結果を変えられます。多くの飲食店が苦しんだ今回のコロナ危機を乗り越えた村山氏の原理原則と行動力は、本当に素晴らしいと思います。私も著者の思考法を取り入れ、自分をバージョンアップさせたくなりました。本書で紹介されている村山氏の読書法もとても効果的なので、次回はこちらを記事にします。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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