ロン・クラークのムーブ ユア バスの書評


ムーブ ユア バス

著者: ロン・クラーク
出版社:SBクリエイティブ 

本書の要約

バス(組織)が目標に向かって速く走るためには、ランナーの力を引き出すべきです。リーダーであるドライバーは、ランナーをサポートし、彼が速く走れるようになれたら、ジョガー、ウォーカー、ライダーのステップアップをサポートします。この順番でメンバーのスピードアップをはかることで、組織が強くなります。

ドライバーは、まずランナーの力を引き出せ!

リーダーであるドライバーは、まずランナーを支えることに注力すべきです。そしてランナーが順調かつ高速で走りはじめたら、ジョガー、ウォーカー、ライダーにも目を向け、彼らのステップアップを助けたり、場合によってはバスから降ろしたりします。(ロン・クラーク)

ロン・クラークは1995年に小学校教師になり、ハーレムほか学習に問題を抱える生徒の多い学校で驚くべき成果をあげてきました。現在はロン・クラーク・アカデミー( RCA)の校長として、活躍する人気教師です。

ロンは学校教育で身につけた組織運営が、企業でも活用できると指摘します。彼は企業を1台のバスに喩え、働くメンバーを「ランナー」「ジョガー」「ウォーカー」「ライダー」「ドライバー」に分け、リーダーであるドライバーがどう動くべきかをアドバイスしています。

ドライバー(リーダーであり、舵取り役)
ランナー(チーム最強メンバーで、組織を成功させるエース)
ジョガー(まじめで頼りになるがんばり屋、長続きが苦手)
ウォーカー(やる気が足りない悲観主義者)
ライダー(チームのお荷物的存在)

ドライバーはバスに乗るメンバーを公平に扱うべきではありません。組織を活性化し、結果を残したければ、 お荷物であるライダーを歩かせるために時間と労力を注ぎ込むのはやめて、その分をすべてランナーに向け、バスの速度を上げるべきです。

スタッフにバスの意味を説明し、ランナー、ジョガー、ウォーカー、ライダーというカテゴリーも説明し「私はランナーを高く評価する」とはっきり言うことにしている。さらにこうも言っている。私たちはランナーの集団にならなければいけない。私たちが乗るバス、すなわち私たちが掲げる目標はとても大事なものなので、”ただ乗り”は許されない。

ドライバーがランナーのやる気を削げば、組織全体に支障が出ます。 ランナーに関しては、「ミスを大目に見る」ことが大事で、彼らのモチベーションを下げないようにするのです。ランナーがやりたいことがあれば、それを応援し、士気をくじかないようにすることがリーダーの重要な役割なのです。ロンは「まずランナーを支える」という方針を貫いてきたことで、RCAをわくわくする場に変えることができました。

バスを加速させる17のルール

ロンはバスを加速させる17のルールを紹介しています。
1.早めに行く
2.身なりを整える
3.あいさつする
4.ランナーの隣に座る
5.助けを求める
6.批判を受け入れる
7.やれることをやる
8.相手の意図をくむ
9.話す以上に聞く
10.よそ見をしない
11.後ろ向きの話をしない
12.ランナーをもりたてる
13.ぐずぐずしない
14.解決策を見つける
15.身のほどを知る
16.信頼を築く
17.細部に気を配る

この中から、いくつか私が刺激を受けたいメッセージを紹介します。

他者の批判をメンバーが受け入れ、謙虚になることで、バスをより速く走らせることができます。

誰もが多かれ少なかれ「自分は正しい」、「自分はなんでも知っている」と思い込んでいるものだ。だがそういう考え方をしているかぎり前に進めない。あなたの理解はあなたが思っているほど正しいわけではない。そう気づけるかどうかで大きく道が分かれる。だからこそ謙虚であること、人の意見に耳を傾けること、喜んで批判を受け入れることが大事なのだ。

メンバーがお互いの話を聞き、サポートすることで組織は強くなります。リーダーはその際、メンバーの話を傾聴しつつも、ランナーが働きやすい環境を作り、ランナーをサポートしなければなりません。ランナーが本来やるべきではない仕事を外し、他のメンバーに割り振り、ランナーのパフォーマンスを高めるようにしましょう。

ランナーではない人でも、チームに貢献する方法はある。やれることを積極的に引き受けて、ランナーの負荷を減らすこともその一つだ。そういう人が1時間でもつまらない仕事を引き受けて、そのあいだランナーが難しい仕事に集中できれば、その分バスの速度は上がる。つまりその人がバスを加速させていることになり、チーム全体に貢献していることになる。そのことに 周囲が気づかないはずはない。あなたがドライバーなら、まめにウォーカーを指名して、簡単な仕事を指示するといい。そうすればトップランナーが最速で走り続けられるので、バスの速度は上がる。

組織のメンバーがそれぞれの役割を担い、トップランナーが速く走れるようにすることで、組織の生産性が高まります。

リーダーは後ろ向きの言葉を使わずに、前向きの言葉を使うことで、オフィスの雰囲気を劇的に変えられます。

75%まで来たとき、まだ25%も残っていると思ってイライラすることもあるだろう。だがそこで75%も来たと喜び、小休止してチームと祝い、ここからゴールまでどう行こうかと話し合い、気合いを入れ直してみんなで残り25%を一気に駆け抜けるという方法もある。前向きの言葉は前向きの結果を生む。前向きの言葉は周囲の人々を力づける。

リーダーはランナーの数を増やすことで、強い集団を作れます。ビジョンを掲げ、よりよい人を集めることで、バスのスピードは上がります。ただ乗りするライダーを減らし、ジョガーやウォーカーをランナーに変えることがリーダーの大切な仕事なのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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