イノベーションを起こすために重要なマインドセットとは?


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アイデアは交差点から生まれる イノベーションを量産する「メディチ・エフェクト」の起こし方
著者: フランス・ヨハンソン
出版社:CCCメディアハウス

本書の要約

イノベーションを起こすためには、アイデア作りだけではダメで、それを実行する必要があります。いきなり成功を目指すのではなく、失敗を考慮した計画を立て、決してあきらめないようにしましょう。大量の失敗からイノベーションが起こると信じ、行動を続けることが重要です。

アイデアを形にし、イノベーションを起こす方法

交差点でさまざまな概念の組み合わせが爆発的に起きれば、そのなかから独創的で桁はずれのアイデアが数多く生まれてくる。だが、いくらすばらしいアイデアを思いついたからといって、イノベーションを起こせるとは限らない。それにはアイデアを実際に形にすることが必要なのだ。(フランス・ヨハンソン)

フランス・ヨハンソンアイデアは交差点から生まれる イノベーションを量産する「メディチ・エフェクト」の起こし方書評を続けます。イノベーションを起こすためには、ただアイデアを作るだけではダメで、それを形にする必要があります。

様々な研究から「アイデアの量が質をもたらす」ことがわかっているのですから、まずは、アイデアを量産すべきです。そして、失敗を恐れずに、それを乗り越えていくという覚悟を決めなければなりません。不確実性の中でイノベーションを起こすためには、失敗を繰り返し、そこから答えを探すことが重要になります。

イノベーションを起こす独創的な人間はそうでない人に比べて、多くのアイデアを追求する分、失敗も多く経験するということになる。したがって、交差点で生まれたアイデアを十分練り上げ、計画を完壁な方法で実行して形にするなどというのは至難の業だ。というより、実質的には不可能だ。

イノベーションを起こす際には、道筋が見えないことが多く、何をしてよいのかがわからなくなります。交差的アイデアを実現するためには、いきなり成功を目指すのではなく、失敗を考慮した計画を立て、あきらめないようにするのが肝心です。何がうまくいって、何がうまくいかないかをひとつひとつ検証し、次のプロセスに進まなければなりません。

間違いを犯したりスタートで失敗することは、交差点でアイデアを生み出すプロセスの一過程にすぎない。イノベーションをなし遂げたいなら、それも勘定に入れたうえでアイデアを実行に移しつづけ、失敗を乗り越えなくてはならない。

●失敗に終わるアイデアのなかから失敗しないアイデアを発見する。
●試行錯誤のためのリソースを確保しておく。
●モチベーションを保つ。

失敗を恐れないマインドセットを養い、失敗から次のアイデアを生み出し、行動を続けるようにしましょう。最悪なのは、アイデアを作るだけで、何もしないことです。クリエイティブなアイデアをいくら作っても、まったく実行しなければ、結果は伴いません。一部の人はアイデアを考えることだけを優先し、行動を起こさずに貴重な時間を失っています。

 

自分の内なる声を信じ、挑戦を続けよう!

スタンフォード・ビジネススクール教授のロバート・サットンは、イノベーションを生み出すための指針を出しています。
●アイデアを実行しないことこそ最大の失敗であり、罰の対象になるということを周知徹底する。
●全員が過去の失敗から学ぶようにする。同じ失敗には何度も報奨を与えない。
●失敗の数が少ないときには疑う必要あり。その人間が十分なリスクを負っていないか、あるいは組織の他のメンバーが自分の失敗から学ぶのを嫌って、失敗を隠している可能性が ある。
●過去に「知的な」失敗を犯した人を採用し、組織の他のメンバーにそれが採用の理由のひとつであることを知らせる。

イノベーションのジレンマで有名なクレイトン・クリステンセンも、当初の計画がうまくいくことはなく、リーソースを確保し、挑戦を続けるべきだと述べています。

新規事業で成功した例の大部分は、最初のプランを実行に移し、何が市場でうまくいき、あるいはうまくいかないかを学んだ時点で当初のビジネス戦略を放棄していることが、これまでの研究で明らかになっています。一般に、事業の成功と失敗を分ける主要な違いは、もともとの戦略の良し悪しではない。スタート地点で正しい戦略は何かを予測するよりも、新規事業のイニシアチブが正解を見つけるまで2度、3度と挑戦をくり返すための十分なリソースを確保する(または信頼できる支援者や投資者をもつ)ことのほうがはるかに重要だ。こうした試行錯誤を十分行わないうちにリソースや信用を失う者は失敗する(クレイトン・クリステンセン)

多くの人は失敗を考慮せずに当初の資金を使い果たします。イネベーションを起こすためには、初期計画に全リソースを注ぎ込まないことが肝心です。

ビジネスをスタートする際に以下のことを考慮し、計画を立てましょう。
●実行計画を変更する可能性も予定に入れておくこと。
●アイデアの実現を左右するのが資金なら、その使い方は慎重にすること。同時に支援者を見つけ、資金を豊富にしておくこと。
●あなたのアイデアの実現を左右するのが時間なら、何回か試行錯誤ができるだけの時間を確保すること。
●あなたの評判や信用、コネをかけてアイデアの実行を一度で成功させることに賭けるのであれば、慎重に慎重を重ねて事にあたること。

アイデアの交差点で成功を収めるのにもっとも重要な戦略は、モチベーションを保つことだと著者は言います。

やる気さえ維持できれば、失敗してもそれを乗り越え、成功するまで諦めずにアイデアを貫くことができる。だがいったん意欲をなくしてしまったら、もう先はない。自分のアイデアに興味を喪失するだけでなく、さまざまなクリエイティブなアイデアを試そうとか、リスクを引き受けようとする意志もたちまち萎えてしまう。モチベーションは、最初のアイデアが失敗したときに諦めずに前に進むための必要不可欠な条件なのだ。

そのためには報酬などのインセンティブではなく、自分の内なる火を消さないようにすべきです。良い仕事をしたいう内なる動機を失わなければ、次の目標に向かって動けます。自分が楽しみながら仕事をする環境を作り、試行錯誤のプロセスで意欲を失わないようにしましょう。

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