高杉康成氏の一流ビジネスマンは誰でも知っているヒットの原理 売れるプラン作成の基本の書評


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一流ビジネスマンは誰でも知っているヒットの原理 売れるプラン作成の基本
著者:高杉康成
出版社:日経BP

 本書の要約

ミクロニーズ(トレンド)とマクロニーズ(隠れたニーズ)を捉え、それをタテヨコ思考で深掘りすることで、ヒット商品を量産できるようになります。市場動向(Trend)、顧客ターゲット(Target)、自社技術・ノウハウ(Technology)の3T分析で戦略を立案し、プランの精度を高めましょう。

ミクロニーズとマクロニーズを上手に使い分けよう!

ヒット商品に共通しているのは、「トレンド」と「隠れたニーズ」を捉えているということです。それがヒットの原理です。つまり、新しい商品やサービスを売り出したり、販促活動を開始したりするときには、「トレンド」「隠れたニーズ」を探ることが重要なのです。(高杉康成)

日本屈指の高収益企業キーエンスで、 新商品・新規事業のプランナーとして数々のオンリーワン商品を開発した高杉康成氏は、ヒット商品を作りたければ、プランニングの際に、ミクロニーズ(トレンド)とマクロニーズ(隠れたニーズ)をしっかりと捉えるべきだと言います。このヒットの原理を押さえることで、売り上げを伸ばせるようになります。

ミクロニーズ(トレンド)とマクロニーズ(隠れたニーズ)は、戦略に応じて、以下のように使い分けます。
■既存の顧客向けに新しい商品・サービスを作りたい場合→ミクロニーズに注目する
■新しい顧客を開拓したい→マクロニーズに注目する
■新しい顧客に新しい商品・サービスを作りたい(新規事業)→ミクロニーズとマクロニーズの両方に注目する

ミクロニーズは、顧客の行動や現象に隠されています。つまり、既存の顧客の行動、現象を見ることで捉えることができるのです。従って、新商品・新サービス・新しい販売方法を考える場合は、顧客のミクロニーズをしっかりと捉えることが、満足度の向上につながります。

新規顧客の開拓を考える場合、顧客の行動、現象などを収集する必要がありますが、自分たちの顧客ではない人たちについて調べるのは難しいことがあります。その場合、ミクロニーズに注目するよりも、マクロニーズに注目したほうがプランを展開しやすくなります。

新しい顧客に、新しい商品・サービスを作りたい(新規事業)という場合のは、まずマクロニーズでトレンドを探り、そのあとでミクロニーズに注目して商品・サービスなどを磨いていくようにします。新しい顧客のミクロニーズを収集するのは難しいので、まずはマクロニーズに注目して小さく事業を開始し、顧客が集まり出した段階でミクロニーズを収集し、商品・サービスカを向上させ、さらに顧客を増やしていくのです。

ヒット商品を生み出すためのフレームワーク

表面的なニーズに気を取られると浅はかなプランとなり、そこからはヒット商品は生まれません。ニーズ情報を生かすためには、タテヨコ展開が必要になります。

縦に深く掘り下げ、横につなげる。このタテヨコ展開を使いこなせるようになると、ニーズ情報の探索力は格段にアップします。

1、タテの展開
①なぜ(Why)②誰が(Who)③何の価値を(What)の3つの軸で、顧客のニーズを深掘りします。

2、横への展開
ほかに似たようなケースはないのか?ほかに同じような要望を持っている顧客はいないのか?という「ほかにはないのか(Other)」の視点で企画を広げていきます。

タテヨコ展開を行い、ニーズ情報を深掘りし、「縦に深く横に広い視点」を持つことで、プランが客観化していきます。プランが客観化すればするほど、成功確率が高まっていきます。

タテヨコ展開は以下の方法で展開可能だと著者は言います。
1、新聞記事から展開する
2、ミクロニーズ(顧客のニーズ)を展開する
3、マクロニーズを展開する

また、著者はプランニングの際に3C分析だけでなく、3T分析を行うとよいと言います。

3T分析とは、「市場動向(Trend)」「顧客ターゲット(Target)」「自社技術・ノウハウ(Technology)」の3点から戦略(プラン)を立案していくという手法です。それぞれの頭文字の「T」をとって3T分析と呼んでいます。

優れたプランには、6つの要素が含まれていると著者は言います。ある程度プランができがった段階で、以下の6つの条件を満たしているかをチェックし、プランのクオリティを高めるようにしましょう!
①収益性
②客観性
③妥当性
④持続性
⑤展開性
⑥実現可能性

また、以下のステップでプランを深掘りすれば、顧客のニーズにフィットした価値を持った商品を提供できるようになります。
■マクロニーズ、ミクロニーズを捉え、主観を客観化する
■タテヨコ展開で、深く掘り下げ、横に広げる
■プランの外堀りを埋めていく
■ニーズ起因のポジショニングマップで参入余地を明確化する
■3T分析で実現可能性を高める

顧客の声を直接聞き、ニーズをタテヨコ展開で深掘りすることで、キーエンスやアイリスオーヤマはヒット商品を量産しています。著者のフレームワークを盗むことで、凡人にもヒット商品が作れるようになります。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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