ロナルド・A・ハイフェッツの[新訳]最前線のリーダーシップ――何が生死を分けるのかの書評

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[新訳]最前線のリーダーシップ――何が生死を分けるのか
著者:ロナルド・A・ハイフェッツ&マーティ・リンスキー
出版社:英治出版 

本書の要約

リーダーとして行動することは、自分の身を危険にさらして生きることであり、反対派からの抵抗にあいます。リーダーは反対派の意見を無視するのではなく、彼らの話に耳を傾けるべきです。ビジョンを示し、反対派とのコミュニケーションを続ければ、課題が明確になり、変革への道を歩めるようになります。

リーダーはなぜ反対派の話を傾聴しなければならないのか?

絶え間なく続く複雑で抜本的な変化は、誰にとっても挑戦だ。それは、個人にとっても集団にとっても、新しい、まれに見るチャンスである一方、必ず何かを失うことになる。誰かが取り残されたり、古くからの価値観に疑問が生じたり、大切な規範や慣習が行われなくなったり、全く突然に、雇用保障や慣れ親しんだ安心感が消えたり、予測がつかなくなったり、といったことが起きるのだ。(ロナルド・A・ハイフェッツ、マーティ・リンスキー)

ハーバード・ケネディスクールで25年間「最も影響を受けた授業」に選ばれ続けるロナルド・A・ハイフェッツ マーティ・リンスキーは、組織を変革したければ、支持者だけでなく、反対派との関係をしっかりと構築すべきだと言います。

自分が発信したビジョンや情熱に共感してくれない人、自分を支持してくれない人との関係をつくるのは、とても骨のある仕事です。人はついつい自分の味方の話を聞きがちですが、それだけでは組織はうまく回りません。

リーダーは反対する人にこそ、注意を向けるべきだと著者たちは言います。反対派と密に連絡を取ることは、実は組織を診断することにつながります。その際、あなたが目指す変革に最も動揺すると思われる人たちが、最も重要な人だと捉え、彼らの話を傾聴すべきです。

関係は支持者とも反対派とも関係を築かなければなりませんが、中間に位置する人も忘れてはいけません。彼らは現状に対して実質的な関心はほとんどなく、ただただ自分の生活を守りたいと考えています。中立な立場の人にも、ビジョンを示し、彼らを安心させるようにしましょう。中立の人への根回しが足りないと彼らが反対派に回り、結果、変革ができずに終わってしまい、組織が危機に陥ります。

リーダーはまず、人々の声に耳を傾けて学ぶことが肝要だ。すなわち、人々の現状を知り、彼らがすでに知り、大切にし、実際にしていることのうち最良のものが何かを見きわめなければならない。次いで、それを土台にして一歩ずつ進めていく必要がある。変革についての考えだけを念頭に置いたリーダーシップは危険だ。

リーダーは以下のことに注意を払うことで、敵を作らずに変革を実現できるようになります。ビジョンを示すだけでなく、それを伝え、仲間を確実に増やす必要があります。
■人々の価値観
■技能
■経歴
■環境の変化にもしっかり配慮する

部下から信頼を得るための4つのステップ

部下から信頼を得るためには、以下の4つのステップを踏む必要があります。
①自分も問題に関与しているという責任を引き受ける
所属する組織やコミュニティでリーダーシップを発揮しようと思うなら、あなたも問題と無関係ではありません。進めたいと思う変革を滞らせかねない部分が、自分の行動や価値観にあることを認識する必要があります。人々をもっと別のよりよい世界へ導こうとしているときでも、現況に自分がなんらかの影響をもたらした責任を認識し、受け容れなければなりません。

②人々の喪失感を承知していると伝える
適応へ向けて取り組みを進めるときは、人々に大きな犠牲を求めることになります。 人は理由がわかれば、犠牲を払うことも厭わなくなります。

③範となって示す
リーダーは人々に求めることをみずから実践し、現実的にリスクを負っています。

④犠牲者が出るのはやむなしとして受け容れる
適応へ向けた変革が、組織全体にとっては利益になるとしても、古い体制から恩恵を得ていた人たちの一部に対しては、どうしても切り捨てる形となり、つらい思いをさせることになります。

組織やコミュニティが重大な変革を行う場合、これは必ず起きる。どうあっても一緒に行けない、あるいはその意志がない人が、何人かはいるのだ。そういう人を守るのか、それとも袂を分かって前進するのか、あなたは選択しなければならない。犠牲者が出ることをつらく、 ほとんど耐えがたいほど苦しく思う人は、リーダーシップのこの側面によって、大きなジレンマに陥る。だが、これはリーダーの仕事にはつきものだ。犠牲者が出るのをやむなしとして受け容れることは、あなたの覚悟を示すサインになる。逆に、そんな犠牲を出すのはいやだという意志を示したら、態度を決めかねていた人たちに、未来に対するあなたのビジョンは忘れてもらっていいと告げることになってしまう。

リーダーは孤軍奮闘する戦士ではありません。一人きりで行動することにこだわると、組織からノーを突きつけられ、やがて変革は行き詰まります。リーダーにはパートナーが必要で、人々と心を通わせることが欠かせません。

まずは、支持基盤をつくり、反対している人たちと有意義な関係を築くためにサポートしてもらいましょう。信頼を得る努力は、支持者と反対派にとどまらず、考えを決めかねている人たちにまで広げる必要があります。変革を先延ばししたくなければ、多大な犠牲を伴うことのある対立に本気で取り組む覚悟が求められます。強い気持ちで変革を行わなければ、課題は解決できず、大切な組織がなくなってしまうかもしれません。

著者たちのアドバイスに従い、リーダーシップを発揮するリスクと対処法をしっかり実行することで、組織は強くなります。権威的なリーダーシップに頼るのではなく、人々の変化の痛みを理解する共感力を持つことで、変革を実現できようになります。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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