あてはめるだけで“すぐ”伝わる 説明組み立て図鑑(犬塚壮志)の書評


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あてはめるだけで“すぐ”伝わる 説明組み立て図鑑
犬塚壮志
SBクリエイティブ

本書の要約

メッセージを届ける相手にきちんとわかってもらうことで、自分が見ている世界を相手と共有できるようになります。メッセージをしっかりと伝えることで、相手の行動を変えられます。その結果、クライアントがポジティブに動いてくれるようになり、ワクワクな未来を築けるようになります。

説明力を一気にアップするための方法

わかりにくいは「コスト」と「リスク」になる。(犬塚壮志)

説明下手な人は、自分の意志や気持ちを相手にうまく伝えらえず、損をしてしまいます。実は説明の仕方にはルールが存在しているのですが、多くの人はそれを知らずにいることで、コミュニケーションがはかれなくなっています。本書に書かれている80の型を活用することで、その課題を解決できます。

著者の犬塚氏の書籍はこのブログでもお馴染みですが、本書は今までの彼の書籍の集大成にもなっており、これさえ読めば、説明下手から抜け出せます。(犬塚氏の関連記事

わかりにくい説明を脱却し、わかりやすく相手に伝えることで、他者から選んでもらえるようになります。説明下手な人は組み立てを考えずに、話をしがちです。明確にゴールのない説明をすることで、相手は消化不良を起こしてしまうのです。

また、目的やシチュエーションに合わない説明も厳禁です。最近、結論ファースト=結論を最初に話すことが、とてももてはやされていますが、この手法がうまくいかない時もあります。実はこれも、話の組み立てに問題があるのです。

相手に自分の頭で考えてもらいたい場合、「結論ファースト」は不向きになります。なぜなら、「結論ファースト」で結論(答え)を聞いた後、そこまでに行きつく途中のプロセスを自分で考えようとしなくなる可能性があるからです。

自分と相手は当然、持っている知識も違えば、領域によっては知識レベルも異なります。シチュエーションが異なる場合には、結論ファーストで話すことはやめた方がよさそうです。

交渉の際にも、結論ファーストでは、やりとりや駆け引きができなくなるため、すぐに話が決裂してしまいます。ビジネスで成功したければ、相手を立てることも必要になります。自分と相手の「共通の利益」は何かを探り、Win-Winのゴールを目指すために、説明の組み立てを考えるべきです。

置かれているシチュエーションと目指すゴールを明確にしながら、わかりやすいストーリーを組み立てていきましょう。その際、本書に紹介されている説明の型が役立ちます。

説明の型を活用することで、よりよい世界が生まれる!

「できる人の説明」とは、説明する相手や目的、シチュエーション(制約)によって、組み立て方を変えているということです。つまり、目的やシチュエーション(制約)に合わせて、「わかってもらいたい内容」に最適な順序で説明を組み立てられれば、誰でも説明の伝わりやすさは格段に上がるのです。

目的を達成するためには、「組み立て方」を工夫することが重要になります。

■説明の目的の3つのフェーズ
①理解してもらう説明
②動いてもらう説明
③できるようになってもらう説明 

本書には、3つのフェーズごとに詳細な型が紹介されています。この中からゴールやシチュエーションを意識し、ストーリーを組み立てると、相手とWin-Winの関係を築けます。

今日は①の理解してもらう説明の代表的な型を3つ紹介します。
①CRF法(Conclusion,Reason,Fact)
→自分の主張や提案に対し、相手からOKを引き出したいときに用いると非常に効果的な型
「結論としては●●で、その根拠は■■です」

②SDS法(Summary,Details,Summary)
→説明の概要を最初に話、最低限この部分を理解してもらうようにする型
「本日の概要ですが・・」

③PERP法(Point,Reason,Example ,Point)
→CRFとSDS法の良いところどりの型
「まず、結論からお伝えしますと」

本書には営業・販売に使える「目利き代行の型」、交渉の際に使える「破壊の型」、指導の際に使える「エンカレッジの型」などがわかりやすく紹介されています。当然、自分が置かれているシチュエーションに置いて、説明の型は変わりますから、自分が使えそうな型をいくつか用意しておくとよいでしょう。

私は本書に書かれている型を広告会社時代のプレゼンや交渉、謝罪の現場で先輩から苦労して学んできました。本書を読めば、短時間で私が学んだメソッドを吸収できます。「再現性の形」や「3.5.7の法則」などは、このブログを書く際にも使っています。

相手に自分の価値を提供するためには、上手に説明することが求められています。説明の目的やシチュエーション(制約)に合わせて効果を発揮する「組み立て方」は異なりますから、本書の型を上手に活用して、説明ストーリーを組み立てるようにしましょう。

メッセージを届ける相手にきちんとわかってもらうことで、自分が見ている世界を相手と共有できるようになります。メッセージをしっかりと伝えることで、相手の行動を変えられます。その結果、クライアントがポジティブに動いてくれるようになり、ワクワクな未来を築けるようになります。

ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大の5冊目のiPhoneアプリ習慣術がKindle Unlimitedで読み放題です!ぜひ、ご一読ください。

 

 

 

 

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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