中国古典の知恵に学ぶ 菜根譚 エッセンシャル版
洪自誠
ディスカヴァー・トゥエンティワン
本書の要約
『菜根譚』はおよそ400年ほど前に、中国・明代の学者である洪自誠によって書かれた処世訓です。「晩年になって身を固め、堅実な生活をすれば、過去の浮ついた生活は帳消しになる」という洪自誠の言葉を信じ、自分の行動を変えることで、自分の人生を素晴らしいものに変えられます。
人間の一生はその後半で決まる!
若いころ、好き勝手に遊び暮らしていても、どんなに派手な生活をしていても、晩年になって身を固め、堅実な生活をすれば、過去の浮ついた生活は帳消しになる。ところが、若いころは節度を守って生きていたのに、晩年になって欲におぼれてしまったり、人の道にはずれた生き方をしてしまったりすると、それまできちんと生きてきた半生が台なしになってしまう。人間の一生は、後半の人生をどう生きるかで決まるのだ。(洪自誠)
このブログでも何度か、菜根譚を紹介しています。『菜根譚』はおよそ400年ほど前に、中国・明代の学者である洪自誠によって書かれた処世訓です。日本には江戸時代末期に伝わり、これまで非常に多くの人から愛読されてきました。特に日本では多くの経営者や政治家、文化人に影響を与えた書として有名です。
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著者の洪自誠は、儒教・仏教・道教という、中国はじめ東洋全体に影響を与えた三大思想について学び、
それぞれの足りない部分を他から補うようにして、この本を書いたと言います。
『菜根譚』という書名は、明代よりさらにさかのぼる宋代の学者の言葉「人よく菜根を咬みえば、すなわち百事なすべし」からとられていますが、洪自誠の言葉を噛みしめることで、人生をよりよくできそうです。
私は若い頃、アルコールに溺れ、人に誇れることがありませんでした。周りの仲間の死や経営者からのアドバイスによって、仕事に対する考え方が変わり、自分の人生をやりなすことを決めました。44歳の時に断酒をスタートし、この14年間一滴もアルコールを飲んでいません。
お酒を飲まなくなたことで、お金や時間の使い方が変わり、自分に投資できるようになったのです。そんな時に洪自誠の「晩年になって身を固め、堅実な生活をすれば、過去の浮ついた生活は帳消しになる」という言葉を読み、自分への誓いとしました。
実際、私は今人生の後半戦を楽しんでいますが、菜根譚から学んだことを実践することで、自分の生き方を修正しています。若い頃に時間を浪費したためにできなかったことを書き出し、小さなことから始めることで、徐々に結果を出せるようになったのです。
人生後半戦に気力を充実させる方法
太陽が地平線に沈んだあとでも、空は夕焼けで美しく輝く。また、年の瀬が迫るような寒い時期でも、柑橘類の木は実をつけ、よい香りを漂わせている。 これは人間でも同じだ。晩年になっても、気力を充実させれば、さらなる飛躍を遂げることができるのである。
人生100年時代になり、人生の後半戦はどんどん伸びています。40代や50代になっても、まだまだやれることはたくさんあります。
今までの知識や体験を糧に、仕事の選択肢を増やすことで、人生の後半戦をより豊かにできます。若いときにやりたかったことや自分が他者に貢献できることを書き出し、それを新たな仕事とすることで、定年後も楽しく働けます。
私は51歳の時にサラリーマンをやめ、社外取締役やアドバイザーとして独立をしましたが、日々、経営者との壁打ちをすることで、脳の老化を防いでいます。付き合う経営者の年齢の幅も広がり、最近では20代や30代の若い経営者とのミーティングも増えています。彼らの思考やビジネスモデルから刺激を受けることで、ワクワクする機会も増えています。
経営者の悩みや課題は多岐にわたりますが、それを解決するために、自分のスキルを高めるために時間を使っています。この書評ブログも当初は自分のために書いていましたが、最近では経営者の課題を解決することを意識しています。経営者が読みたい本を選び、彼らのために記事を書くようになりました。
大量読書と大量アウトプットを続けることで、結果、私は自分のスキルを高めることができました。お酒をやめ、読書に時間を使うことで、私の人生の後半戦を豊かにできるようになったのです。素晴らしい経営者や良書との出会いを続ければ、いくつになっても気力を充実させることは可能です。他者への貢献が、自分のエネルギーを高めてくれるのです。
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