世界の終わり 賢者たちの遺言
フレデリック・ルノワール
飛鳥新社
本書の要約
結果を出したければ、他者の批判を気にするのをやめ、自分のやりたいことを明確にし、それにフォーカスすべきです。自分の行動に自信を持ち、他者の意見に左右されないようにしましょう。自由になりたければ、他者の批判や賞賛を気にするのではなく、自分のやりたいことに目を向けるべきです。
他人の視線を気にするのをやめよう!
自動車や携帯電話、電気、インターネット、水道やテレビがなくても、人間は数千年間幸せに生きてきた。だが、現代では、こうしたもの抜きで暮らそうとする人は、頭がおかしいと思われるだろう。だれもそんな人とはいっしょにいたがらない。つまり、現代には平穏な生活を送るために必要不可欠なものが多すぎるのだ。しかもその快適さに、皆が慣れてしまっている。もちろん、電気や水道なしで暮らす技を身につけるよりも、依存せずそれらを自由に使ったほうがよっぽど役に立つ。 ただし、ときには意図的にインターネットや自動車と距離を置いてみるのもいいかもしれない。(フレデリック・ルノワール)
本書には、宗教や哲学を超えた人間の真理が書かれています。西洋哲学、キリスト教、仏教、ヒンドゥー教、
イスラム教、道教、ユダヤ教、シャーマニズムの指導者たちが集まり、人がどう生きるべきかを話し合い、以下のナラティブを生み出します。
1日目:人生の意味
2日目:肉体と心と魂
3日目:真の自由
4日目:愛
5日目・育てるべき美徳と取り除くべき毒
6日目:生きる智恵
7日目:あるがままを受け入れる
今日はこの中から、真の自由を取り上げ、私たちがどう生きればよいのかを考えてみたいと思います。
私たちには無限の物欲があり、モノを所有することで幸せになれるという幻想があります。物質的な財産の奴隷になり下がるのではなく、自分の内面を高めることで幸せになれるのです。すでに持てっているものを見直して、不要なモノを処分することで、心が楽になります。自由になるためには、シンプルを目指しましょう。モノに頼るのをやめ、自分の力を引き出し、ポジティブに行動するのです。
私たちは他人の視線を気にしすぎ、自分の本当のやりたいことに意識を向けずにいます。たいていの場合、人間の行動や反応は願望──人に気に入られたい、嫌われたくない、みんなと同じでいたい、もしくはほかの人とは違う風にしたい、人の関心を引きたい、目立たないようにしていたい──に左右されています。
人の視線を気にしている限り、自分の行動を自ら制限してしまいます。他人に何を言われようとそれを気にするのをやめ、自分のやりたいことにフォーカスし、そのための行動を起こすべきです。
人間は承認を求める生き物だ。批判や非難に耐えられない。承認を求め批判を嫌う気持ちは、人間の魂の絶対的な性質なのだ。だから私たちは、賛成し、賞賛し、満足愁や名誉、社会的な名声、良い評判を与えてくれる他者の視線をいつも探している。反対に、たとえまったく知らない人からであっても、批判や非難を受けると動揺し、悪口を言われれば傷つき、評判や名誉を汚す失敗をすれば落ち込むだろう。
自分の行動に自信を持ち、他者の意見に左右されないようにしましょう。自由になりたければ、他者の批判や賞賛を気にするのではなく、自分のやりたいことに目を向けるべきです。
悪い習慣を良い習慣に置き換えよう!
人間はだれしも、両親や社会から受け継いだ価値観や信仰や知識のなかで生きている。それからも解放されるべきだなんて、ショックを受けるかもしれない。たしかに、先祖から受け継いだものは大切にしなくてはならない。しかし、あなたたちもじきに歳をとって大人になれば、受け継いだものがすべて正しいのかどうかを、自分の理性と経験の飾にかけなくてはならなくなる。
両親や教師の言うことを鵜呑みにしていると、時代の変化に適応できなくなります。家や学校、職場などの共同体は、それぞれ独自の信仰や価値観をもっています。
現代にはそぐわないルールや制約に縛られていると、正しい行動を起こせません。自分の性格や生き方には適していない基準に囚われているとチャンスを見失ってしまいます。
本当に自由で、完全に自分らしい自分になるためには、親や教師の考えを一旦捨て、自分との対話を繰り返すべきです。自分や世界を知ると自由になり、善い人生へと続く正しい選択ができるようになります。自分との対話を重ねることで、本当にやるべきことが見えてきます。自分のパーパスがわかれば、そのためのアクションを起こせるようになります。
自由に生きることとは、利己的に生きることは異なります。私たちは他者の存在無くしては生きられません。人は他者との関係を築き、貢献することで幸せになれます。自由に生きるとは、自分の価値を磨き、世の中に貢献することなのです。
人間の精神は、長所と短所、良い習慣と悪い習慣、美徳とときには悪徳によってできている。だからこそ、精神にとって何が良くて、何が悪いのかを見分ける術を学ぶ必要がある。善悪を識別したら、精神を成長させ高めてくれるものを育てて、精神を堕落させ曇らせるものを取り除かなければならない。そのためには知性と意志の力で選んだ結論を、実行に移すのも大切だ。善悪の識別は精神にしかできないし、その選択が人の一生を左右するのだから。
自分の価値を磨くためには、学び続ける必要があります。悪い癖を放っておくと、自堕落な日々が始まります。自分の悪い習慣を意識し、良い習慣に置き換えるようにしましょう。
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