スーザン・ケインの内向型人間のすごい力の書評

口ーザ・パークスとキング牧師との協力関係を考えてみよう。バスのなかで白人に席を譲るのを拒んだのが、パークスのように、よほどの緊急事態でないかぎり沈黙を好む控えめな女性ではなく、堂々たる雄弁家の男性だったら、人々にそれほどの影響力をもたなかったかもしれない。そして、もしパークスが公民権運動に立ちあがって「私には夢がある」と語ったとしても、キング牧師のように一般大衆を鼓舞することはできなかったろう。だが、キング牧師がいたから、彼女は演説をする必要がなかったのだ。だが今日、社会が求める性格タイプはごく狭い範囲に設定されている。成功するには大胆でなければならない、幸福になるには社交的でなければならないと、私たちは教えられる。(スーザン・ケイン)


Designed by Renata.s

内向型人間はなぜネガティブ評価を受けるのか?

有名なアメリカ公民系運動は1人の内向的な女性の反抗から始まりました。キング牧師の抗議活動や演説が有名で彼が成功をもたらしたと考えられていますが、実は内向的な女性のローザ・パークスがいなければ、アメリカの黒人の生き方は変わっていた可能性が高いのです。内向的なパークスと外向的なキング牧師が協働することで、公民系運動はムーブメントになったのです。

現代のアメリカにおいて、内向型人間はネガティブな評価を受けがちですが、これは正しくないとスーザン・ケインはで指摘します。今日は彼女の内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変えるを掘り下げてみようと思います。内向型の人は、喋るよりも他人の話を聞き、パーティで騒ぐよりも一人で読書をし、自分を誇示するよりも研究にいそしむことを好みます。大勢の人との社交的な付き合いよりも、1人の時間を優先します。アメリカは外向型な人たちが活躍していると考えがちですが、そうではない事実が本書で明らかになっています。

私たちはアメリカを外向型人間の国家として見ているそれは必ずしも真実ではない。どの研究を見ても、アメリ力人の三分の一から二分の一は内向型である。言い換えれば、あなたの周囲の人々のうち2、3人にひとりは内向型なのだ(アメリカが有数の外向型の国のひとつだとすれば、世界にはもっと内向型の比率が高い国々がある)。

多くの人は外向型の人の方が出世すると考え、外向型を演じます。隠れ内向型の人たちがアメリア社会には満ち溢れ、普段の生活に疲れています。外向型の人間を理想とする価値観のなかで暮らすことが当たり前になり、アクティブに生きることが正しい選択だと彼らは考えています。

しかし、内向型の人にも強みがあります。著者は自分が内向型だからこそ評価され、自分の人生を変えられたと述べています。アメリカの公民権運動が成功したように、外向型と内向型が協業することによって、良い結果を得られます。内向型と外向型のように互いに違う性格を持つ者同士がチームを組むことで、組織や家庭がよりよくなることもあります。

 

有能なリーダーが外交的とは限らない!

有能なCEOたちのなかには内向型の人物が多い。たとえばアメリカを代表する実業家のチャールズ・シュワブ、ビル・ゲイツ、世界最大のアパレルメーカー〈サラ・リー〉のCEOだったブレンダ・バーンズ、〈デロイト・トウシュ・トーマツ〉のCEOだったジェイムズ・コープランドなどだ。
有能なCEOが外向型だというのは思い込みでしかなく、内向型のリーダーが偉大な企業を創業しています。あのピーター・ドラッカーも内向型の経営者が成功者には多いと指摘します。驚くべきことに有能な経営者はカリスマ的な才能などを持っていなかったのです。
この50年間に出会ったり一緒に働いたりしたきわめて有能なリーダーのなかには、オフィスに閉じこもる人物もいたし、超社交的な人物もいた。せっかちで衝動的な人物もいれば、状況を詳しく分析して判断に長時間かける人物もいた……共通する唯一の特質は、彼らが備えていないものだった。すなわち彼らは『カリスマ的才能』をまったくあるいは少ししか持っておらず、それを利用することもなかった。(ピーター・ドラッカー)

ブリガムヤング大学の経営学教授ブラッドリー・エイグルは大手企業128社のCEOを調べた結果、重役たちからカリスマ的だとみなされている人物は、そうでない人物と比較して給料は多いが経営手腕はすぐれていないことを発見しました。私たちは社交性に富んだリーダーが必要だと思い込みすぎているだけなのです。

ビジョナリーカンパニーのジム・コリンズは、優良企業の経営者の共通点が謙虚であることを明らかにしました。物静かで控えめ、無口なリーダーがとてつもない実績を残していたのです。部下の話を傾聴し、人々の意見をきちんと検討し、部下に仕事を任せられるリーダーが組織を強くしていました。

こういう検証を読めば、自分が内向型であることを否定する必要が無くなります。親が自分の子供が内向的だと心配するのは、ナンセンスかもしれません。実際、経営以外の多くの分野でも内向型の人々が活躍してきたことを理解すれば、控えめな性格を無理に変える必要はなくなります。

外向型を理想とする社会で暮らす内向型の人々は、男性優位世界の女性のようなもので、自分がどんな人間かを決める核となる性質ゆえに過小評価されてしまう。外向性はたしかに魅力的であるがゆえに、押しつけられた基準になってしまっていて、そうあるべきだ、と大半の人々が感じている。だが、外向型の人間を理想とする考えを、そのまま鵜呑みにするのは大きな間違いだ。進化論からゴッホのひまわりの絵、そしてパソコンにいたるまで、偉大なアイデアや美術や発明の一部は、自分の内的世界に耳を傾け、そこに秘められた宝を見つけるすべを知る、物静かで思索的な人々によるものだ。

内向型の人々がいなければ、つぎのようなものはどれも存在しえなかったと著者は述べています。
■重力理論(サー・アイザック・ニュートン)
■相対性理論(アルベルト・アインシュタイン)
■詩「再臨」(W・B・イェイッ)
■ショパンのノクターン(フレデリック・ショパン)
■失われた時を求めて(マルセル・プルースト)
■ピーター・パン(J・M・バリー)
■1984年と動物農場(ジョージ・オーウェル)
内向的なショパンがいたからこそ、私たちは美しいピアノで癒されますし、ニュートンやアインシュタインが内向的だったからこそ、科学が進化したのです。

バランスの取れた良いチームを作ることで、企業の業績が高まることもわかってきました。内向的なリーダーが成功するためには、部下が能動的でイニシアチブを取ることが多く、反対に外向的なリーダーは部下が受動的な場合に結果を残していることをペンシルヴェニア大学ビジネススクールのアダム・グラントが突き止めました。

たとえ、自分が内向型だからといって、自分の人生を諦める必要はありません。内向的であることに価値を見出し、自分自身を新しい観点から見るようにすることで、人生を変えられるようになります。内向型の自分を否定するのをやめ、ポジティブに評価することで、全く違う自分に生まれ変われます。

まとめ

積極性や人付き合いが良い外向型の人が評価されがちですが、内向型の人にも活躍の場があることを理解しましょう。内向型である自分を卑下したり、無理にアクティブに振舞う必要はありません。内向型でも自分の良いところを明確にし、外向型の人たちと協業し、良いチームを作ることで結果を残せます。

ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大の5冊目のiPhoneアプリ習慣術がKindle Unlimitedで読み放題です!ぜひ、ご一読ください。

 

Loading Facebook Comments ...

コメント