書評 出口治明氏の座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」

銅を鏡にすれば、衣服や身なりを整えることができる。歴史を鏡とすれば、人の世の興隆や衰亡を知ることができる。人を鏡とすれば、自分の行いを正すことができる。厳しいことをいってくれる魏徴は、鏡のような存在であった。魏徴を失い、私は一面の鏡を失ってしまった。 (李世民)


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リーダーが『貞観政要』を読む理由

よきリーダーになりたければ、『貞観政要』を読むべきだと多くの経営者が述べています。『貞観政要』は唐の第2代皇帝、太宗・李世民の言行録ですが、なぜ、中国の古典がこれほどの人気を集めているのでしょうか?その理由を明らかにするために、あらためてこの李世民の言葉を読み返すことにしました。参考にしたのは長年、ライフネット生命の経営に携わり、現在は立命館アジア太平洋大学学長をつとめる出口治明氏の座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」です。

『貞観政要』には、太宗と臣下の政治上の議論や問答が、全10巻40篇の中にまとめられています。「貞観」とは、当時の元号(年号/西暦627~649年)のことで、この時代は、中国史上もっとも国内が治まった時代(盛世)のひとつといわれています。本書を読むことで、貞観の時代を築いたリーダーとそのフォロワー(部下)たちの行動を知ることができます。出口氏は太宗がリーダーとして傑出している理由を大きく2つあげています

①「権限の感覚」を持っていたこと
臣下にいったん権限を与えたら、その権限は臣下のものです。皇帝といえども口出しすることはできません。それが、仕事を任せるときのルールです。
②臣下の「諌言」を得たこと
太宗は諫言する部下を積極的に登用していました。『貞観政要』に登場する太宗の側近は、魏徴をはじめとして、太宗を数えきれないほど諌めています。冒頭の太宗の言葉はその魏徴が亡くなった時に述べたものです。この魏徴は実は太宗の政敵で、李世民を殺そうとしていました。しかし、太宗は彼を許しただけでなく、側近として大抜擢したのです。

太宗は、臣下の諫言を積極的に受け入れ、彼らの批判に耐えることで、自らを鍛え上げていきました。皇帝であっても、決して全能ではないことをわきまえた姿勢。欠点や過失を指摘されることを望み、喜んで聞き入れ、自分の行動を改善し続けました。その結果太宗は優れたリーダーになり、歴史に名を残したのです。

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「三鏡(銅の鏡、歴史の鏡、人の鏡)」を座右の銘にする。

「三鏡」とは、リーダーは3つの鏡を持たなければいけない、という教えです。(出口治明)

李世民は、有能な人材を登用して能力を発揮させるとともに、彼らの諫言に耳を傾け、常に自己を律していました。李世民の強みは、臣下の諫言を喜んで受け入れたことです。李世民には多くの側近(十八学士、二十四功臣)がいました。そのなかでも、房玄齢と杜如晦、前述の魏徴の3人のサポートによって、太宗は善政を行うことができました。

太宗は「三鏡」の教えを実践します。三鏡とは、銅の鏡、歴史の鏡、人の鏡の3つを指し、リーダーはこれら3つの鏡を持たなければいけないという教えです。

・鏡に自分を映し、元気で明るく楽しい顔をしているかチェックする(銅の鏡)
・過去の出来事しか将来を予想する教材がないので、歴史を学ぶ(歴史の鏡)
・部下の厳しい直言や諫言を受け入れる(人の鏡)

つまり、今の自分の表情(状況)、歴史、第三者の厳しい意見を知ることがリーダーには不可欠なのです。自分の姿を日々チェックし、自らにエネルギーを与え、歴史と人から学び続ける姿勢がリーダーには欠かせません。

まとめ

『貞観政要』は唐の李世民の言行録ですが、本書にはリーダーの心構えが紹介されてます。李世民は部下の諫言に耳を傾け、自分の行動を改善し、歴史に名を残したのです。彼は三鏡を持つことで、よき政治を行いました。三鏡とは、銅の鏡、歴史の鏡、人の鏡の3つを指し、リーダーはこれら3つの鏡を持たなければいけないという教えです。

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