その後のとなりの億万長者
トーマス・J・スタンリー ,サラ・スタンリー・ファラー
パンローリング株式会社
本書の要約
蓄財優等層は蓄財劣等層よりも、規律を守り、質素・倹約を心がけています。現代のようなソーシャルメディア時代には、他人の投稿を気にせず、見栄を張らないことが大切です。億万長者は自分のライフプランを優先し、無駄なものにお金を浪費せず、貯蓄したお金を投資で増やすことを実践しています。
億万長者になるために必要な5つの特徴
2000年、億万長者の95%が、規律は自分たちの成功にとって決定的に重要だと認め、2016年には91%の億万長者が規律を守ることを重要な成功要因に挙げている。 (トーマス・J・スタンリー ,サラ・スタンリー・ファラー)
トーマス・J・スタンリー博士とサラ・スタンリー・ファラー博士は、現在のアメリカの億万長者の実態を明らかにしました。
本書は「となりの億万長者」の続編で、ソーシャルメディアやデジタルマーケティング時代に資産家になる方法も紹介されています。著者の2人は膨大なインタビューから「億万長者」の実像を明らかにし、規律の重要性を改めて私たちに提示しています。
彼らには以下の5つの特徴がありましたが、驚くことにその多くは私たちの隣に住むような普通の人だったのです。
1、大半は親の遺産引き継ぎなどはなし
2、最も多い出身階級はブルーカラー
3、経済的に規律正しい行動をすること
4、SNSを見る時間が少ない
5、友人や隣人の消費行動と自分を比較しない
経済的成功のために最も大切なこととは、経済問題に対して規律ある行動を取り続けることによって、長期的に収入を資産へと変えることができると言うことを理解し、それを実践することです。
収入を手にし、それを富へと転換するには規律が必要である。この規律には、①自分がいくら稼いでいるのか、②自分がいくら消費しているのかを把握し、そして、③予算や消費計画を策定して、その差額がプラスとなるようにすることが含まれる。計算式は簡単な足し算と引き算だ。規律は蓄財の要素であり、それによって計算が成り立つようになるのだ。貯蓄に回すお金が増えれば増えるほど、投資機会も増えるであろう。
規律なき人々は、自分が稼いだ収入以上にお金を浪費します。逆に億万長者になった普通の人々は、限られた予算のなかで家計を切り盛りしていました。彼らは貯蓄したお金を投資に振り分け、富の蓄積と維持につなげていました。
億万長者がソーシャルメディアに時間を使わない理由
長期にわたり富を築き、維持するためには、消費、貯蓄、収入の創出、投資といったすべての財務管理に対しては、周りにいる人たちとは異なる規律あるアブローチで取り組むことが必要である。そのためには、単なる信念や姿勢または性格ではなく、自ら行動を起こすことが必要である。
長期にわたり富を築き、富を増大させる能力は何を考えているのかではなく、何を実践するのかによって決まります。
その際、他人との比較をやめることがポイントになります。隣人や友人が乗っている車、買っているもの、着ている服を気にしないという概念(社会的無関心)をあらゆる分野の消費に関して、高い水準で発揮する人たちが、多くの富を築いています。
社会的無関心は生活のなかでの人目を引く買い物を競い合うことへの免疫として役立ちます。 自らの周囲の流行に対する無関心さは、年齢や収入にかかわらず、純資産と関係があることが分かったのです。
逆に、他人が買っているものにひたすら注意を向け、一貫して最新かつ最良の消費財(テクノロジーや洋服など)を求める人は長期にわたって富を築く可能性が低くなります。
収入を富へと転換することに成功する人たちは、乗っている車や仕事着やソーシャルメディアの投稿内容などに一貫した行動パターンがある。友人が買っているもの、着ているもの、そして見せつけているものは、われわれの同調願望を通じて、われわれに心理的影響を与える。
ソーシャルメディアに費やす時間が多ければ多いほど、製品やサービスや経験のマーケティングにお金を使う可能性を高めます。 他者の投稿や企業のコンテンツマーケティングに接することで、購買意欲が刺激されます。そのため多くの億万長者はソーシャルメディアへの接触時間を減らしています。
マーケティングと消費主義はデジタルマーケティングやソーシャルメディアによって、この20年間で劇的に変化しています。ECサイトが普及することで、買い物も便利になっていますが、億万長者たちの消費に対する控えめな態度は一貫しています。
今でも蓄財優等層は蓄財劣等層よりも、規律を守り、質素・倹約を心がけています。現代のようなソーシャルメディア時代には、他人の投稿を気にせず、見栄を張らないことが大切です。億万長者は自分のライフプランを優先し、無駄なものにお金を浪費せず、貯蓄したお金を投資で増やすことを実践しています。
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