5つの物語で知る買い手の心理 圧倒的サイト戦略 (大浦早紀子)の書評

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5つの物語で知る買い手の心理 圧倒的サイト戦略
大浦早紀子
青春出版社

本書の要約

①売上は、サイト次第で「10倍」にも「半分以下」にもなる。②サイト作りは経営直結の課題である。③集客コストは単なる費用ではなく「投資」である。これら「3つのマインドセット」を身につけ、戦略作成、情報設計、原稿作成の3つのステップを正しく行えば、サイトで結果を出せるようになります。

サイトを成功させる3つのステップ

サイト作りの中で、売り手が知っておきたいのが、「戦略作成」「情報設計」「原稿作成」の3つのステップです。 (大浦早紀子)

インターネットやSNS経由で買い物をすることが当たり前になり、企業のECサイトの優劣が業績を左右するようになっています。適切な顧客と出会うためには、自社の価値を明確にすること(顧客に発見してもらい、選んでもらうストーリー)が重要になります。

膨大な顧客とのやりとりから生まれた自社の商品の優位性、業界知識・実務経験、商品やサービスへの熱い思いなどを明らかにし、主体者としての売り手の意志をメッセージ化すべきです。

以下のサイトの力を最大化する「3つのマインドセット」を身につけ、戦略作成、情報設計、原稿作成の3つのステップを正しく行えば、サイトで結果を出せるようになります。
①売上は、サイト次第で「10倍」にも「半分以下」にもなる
②サイト作りは経営直結の課題である
③集客コストは単なる費用ではなく「投資」である

サイト作りの3つのステップ「戦略作成」「情報設計」「原稿作成」に、売り手が主体的に関わることで、売り手もお客さんも幸せになる!

●戦略作成
自社の強みを明らかにし、競合との違いを顧客に伝えるための戦略を作成します。自社が置かれている環境の中で、どういうお客さんを、どう幸せにできるのか?を見つけて、「誰に、何を伝えるか」を考えましょう。自社の新しい価値を創造し、それを顧客に使えるべきです。

顧客の不安や疑問を解決することが、売上を上げるために必要なことです。多くの顧客は自分の課題を解決するために、検索を行い、サイトをチェックしていることを忘れないようにしましょう。

●情報設計

お客さんは基本、「見ない・読まない・クリックしない」。お客さんがそうなら、売り手がその視点を持ち、それでも伝わるよう設計することで、成功確率がグッと上がります。

必要な情報がより確実にお客さんの目に触れるよう、原稿を書く前に「どこに、どの情報を配置するか」を考えます。『お客さんは、こう動きたいだろうな』を想定したうえで、意志を持って設計することでサイトからの離脱を防げます。

●原稿作成

この3つのステップに時間・手間・情熱の投資をすれば、サイト経由の売上はアップします。ROIを高めたければ、この3つのステップを繰り返し、顧客とのコミュニケーションの質を高めましょう。

顧客が行動を起こすための3つの基本原理

サイトに入って、①『そもそも何を売っているのか』を理解し→②メイン通路で疑問や不安を解消して→③コンバージョン完了できるまで、お客さんの視点でシミュレーションしながら、ひとつひとつ整える。

原稿作成ステップでは、『お客さん、わかるかな?』『どう感じる/どんな情報が欲しくなるかな?』そして『動けるかな?』を意識し、情報設計を行い、コピーライティングを行うべきです。

サイトをつくる前提として、顧客は私たちが思う以上に『不安』を抱えていますし、『わからない』状態です。サイトに来ていただくときには、まるで会社やお店にリアルで来てもらい、対面でお話ししているような状況を生み出し、まだお会いしていない方とも『絆』をつくるようにします。

お客さんがスムーズに理解して行動を起こすためには、以下の3つの基本原理を繰り返し実践し、メッセージの精度を高めるようにします。
① このサイトで、そもそも何を売っているのか?
② 顧客の疑問や不安の解消
③ 顧客の行動へのハードルを執念で取り除く

「スタッフや現場の写真」「自社の実績」「メディア掲載」「自社の沿革」などを掲載することで、顧客の安心が得られます。それにプラスして、「お客様の声」を掲載することが、顧客の背中を押してくれます。

どんなサイトでもコンバージョン率に大きく影響する定番コンテンツが「お客様の声」です。お客さんに直接書いていただくだけでなく、写真付きインタビュー記事として掲載するのも有効です。お客様の声は、お客さんがその商品・サービスで手に入れたい「結果」であり、「実際に喜んでいる人たちがいる」という何よりの証拠。大量であるほど、人気店の 行列のような視覚効果があります。

第三者である顧客の言葉には、本人の言葉だけでは得られない客観的な説得力があります。「親身な対応に感動した」「誠実な人柄」「商品に大満足」といった、自分で言っても説得力がないメッセージは、お客さんに語ってもらうようにすべきです。

また、経営者のパーパスを語ることも重要です。このブログでは経営者にとってのパーパスの重要性を指摘してきましたが、サイトに経営者の思いが書かれることで、信頼感が増し、新たなファンとの関係が構築されます。

経営者の課題解決の固有のストーリー、自分の経験から生まれた商品開発の歴史や救いたい人へのメッセージを書くことで、課題を持った人に見つけてもらえるようになります。この思いが強ければ強いほど、顧客のこの人から買いたいという思いが強化されます。

顧客に来訪してもらい、サイトを通じて不安をなくし、気持ちよい接客を繰り返すことで、ファンとの関係が強化され、売上が上がるようになります。

 

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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