売れる店頭は何が違うのか?: 思わず買ってしまう! 集客販売の極意 (久野和人)の書評

A woman carrying a grocery basket of vegetables picks up a Boxed Water box
売れる店頭は何が違うのか?: 思わず買ってしまう! 集客販売の極意
久野和人
夢叶社

本書の要約

3次元の店頭では、2次元のWEBとは異なり、五感を活用した様々な施策が打てます。スーパーや量販店などは、にぎわいが命です。 にぎわいの中にいると、それだけで人は購買欲求が刺激され、アクションを起こしてくれます。ライブ感、リアル検証、人的刺激の3つの視点で、店頭施策を設計しましょう。

モノを売る原点は店頭にあり!

店頭は『3次元の空間を使ったルール無用の販促地帯』だからです。 店員による接客に始まり、五感に訴える表現や動き、空間演出、臨場感、陳列、イベントなど2次元のネット販売とは違い、販促方法も伝え方も種類もケタ違いにたくさんあります。(久野和人)

日本経済の停滞が続き、賃金が上がらない中、人々の財布の紐がしまっています。最近では、原油高と円安が加速することで、インフレも進む中、売上を上げるためにはどうしたらよいのでしょうか?

売場改善のコンサルティングを行う久野和人氏は、2次元のWEBとは異なり、3次元の店頭では五感を活用した様々な施策が打てると指摘します。

五感の中で人が物事を判別する割合は、以下で視覚に訴えることはとても効果があります。
■視覚的要素→83%
■聴覚→11%
■嗅覚→3.5%
■触覚→1.5%
■味覚→1%

例えば、スーパーなどの床がピカピカに磨かれるのも、清潔感を追求しているだけでなく、下から反射される光で商品を新鮮に見せるためだと言います。 店頭陳列でも、商品の積み方や配列、色合い、角度などを顧客視点で考えるべきです。消費者の目の高さを意識したり、色相環図の真逆にある補色や対照色相をアクセント的に上手く使ったりして、存在を際立たせるようにしましょう。

隔てた場所にいる顧客に影響を与えるために、聴覚に訴えるのも効果的です。聴覚的要素としては、店員(販売員)さんの呼び込みはもとより、館内放送を有効活用するという手もあります。エンドレステープを使ったボイスプロモーションも効果的だと言います。 売り場やイベントに合わせたBGMを選ぶことで、売上が上がるという調査もあります。

このように人の五感に訴えることで、店頭での売上をアップできるようになります。「モノを売る原点は店頭にあり」と考え、五感を刺激するマーケティングを実践しましょう。

実店舗の3つの魅力とは?

場の空気というのは、販売では非常に重要です。 特に、にぎわいやおもてなしといった雰囲気は、2次元のネット販売にはできない演出です。

実店舗の魅力は、以下の3つに整理できます。
① 商品に直接触れることができる感動
② 空間が演出する興奮や刺激
③ 人との出会いやふれあい

リアル店舗では、五感を刺激することが差別感要因になり、そのためには以下の視点で、マーケティングを考えることが重要になります。
・ライブ感(繁盛的刺激、臨場感、催事・イベント)
・リアル検証(五感で感じる、吟味できる、比較できる)
・人的刺激(出会いがある、影響力、欲求解消)

スーパーや量販店などは、にぎわいが命です。 にぎわいの中にいると、それだけで人は購買欲求が刺激され、アクションを起こしてくれます。 イベントを開催することで、人が集まると集団心理が発動し、積極的に商品を購入してくれるようになります。

人は空気に敏感です。 特に、空気を読むのが得意な日本人はこの傾向が強くなっています。 そのためには、いかにして来店者の五感に訴える仕掛けをほどこし、追われる立場に持っていけるか。そして、いかにしてにぎわいを作り、衝動的な感情を起こさせるかが大事になってきます。

また、店頭ではPOPが消費者の行動を左右します。著者は、魅力的なPOPを書く方法を紹介しています。
1、悩みを解決する手段を提供する
2、利用者または自分の使用感、使用法を伝える
3、買った後に得られるものを想像させる
4、数字で魅了する
5、専門知識をわかりやすい例え話などを使って教える
6、特別感を出す
これらの中から一番お客様に響くワードを選び、 それを目立つようにキャッチコピーに書くことで、消費者に見つけてもらえるようになります。

顧客にファンになってもらうためには、商品価値を明確にし、それを様々な切り口から洗い出すべきです。価格、スペック、実績、ポリシー、使用法、利用用途、得られる体験などを顧客視点で書き出しましょう。

人は常に自分が欲している言葉を探している。

人は情報の量が多くなればなるほど、それに比例して商品への関心・愛着は強くなり、信頼も重要度も増すようになると著者は指摘します。リピーターになってもらうためには、商品の情報発信にもっと力を入れるべきです。 情報量が多くなればなるほど、それと比例して商品への関心・愛着は強くなり、お店への信頼も重要度も高まります。



この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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