I型(内向型)さんのための100のスキル(鈴木奈津美)の書評

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I型(内向型)さんのための100のスキル
鈴木奈津美
BOW&PARTNERS

I型(内向型)さんのための100のスキル(鈴木奈津美)の要約

本書では著者が書籍から見つけた、内向型の人々のための100のスキルが紹介されていますが、それらは内向型の人だけでなく、外向型の人々にも非常に有益です。内向型の人々の感じ方や考え方を理解することで、彼らとのコミュニケーションが改善され、より良い人間関係を築くための洞察が得られます。

内向型の人たちの強みは何か?

「オンライン時代」だからこそ、内向型の潜在能力を「強み」として活かし、「可能性」を広げていくことができるからです。(鈴木奈津美)

パーソナルブランディングが求められる現代のような外向型社会において内向型の人が生きづらくなっていると著者の鈴木奈津美氏は指摘します。なぜ認めてくれないのだろうか?と悩んだ著者を救ったのが、著者と1対1で対話のできる書籍だったと言います。

現代社会では、外向型や積極的な人が成功を収めやすいとされる傾向があります。しかし、そのような社会の中で内向型の人が自分をアピールし、自己表現することは難しい側面もあります。鈴木氏が指摘するように、内向型の人が周囲から理解されずに生きづらさを感じることは珍しくありません。

内向型の著者が本を書いた理由は2つあります。1つ目は、オンライン時代の情報の多さと変化の速さにより、内向型が押し潰されそうになるという危機感からです。特にSNSのようなプラットフォームでは、目立ちやすい外向型がさらに際立ち、内向型は自己否定に陥りやすい状況にあります。

2つ目の理由は、オンライン時代だからこそ、内向型の潜在能力を強みとして活かし、可能性を広げることができるという点です。内向型はテキストベースのコミュニケーション、敏感さや観察力、じっくりとした関係構築、深い思考や集中力、誠実さ、他者の強みを引き出す能力など、多くの長所を持っています。これらを生かすことで、オンライン時代における新たな価値を創造できると著者は考えています。

内向型だという著者ですが「母親アップデート」というコミュニティを立ち上げ、積極的に活動しています。内向型の人たちがファシリテートする会では、誰もが話しやすい雰囲気になり、参加者の強みを引き出せると言われています。

私のiU(情報経営イノベーション専門職大学)での講義でゲスト登壇をお願いした時にも、その効果を実感しました。著者が学生たちの話を丁寧に聴き、質問をしてくれたことで、参加者たちは自分の意見や考えを自由に表現することができました。その結果、グループディスカッションが活発になり、新たなアイデアや解決策が生まれてきました。

著者は本書で以下のようなスキルを100個紹介しています。
・内向型の特性を知る。
・内向型のプラス面や得意パターンを知る。
・ネガティブな効果を知る。
・ストレスを和らげるコーピングを実施する。
・スリー・グッド・シングスを書く。
・このブログでもお馴染みの感謝日記を書く。
・「弱いつながり」をつくる。
・ちょっとづつできることを増やす。
・自分の「メモ」としてブログを書く
・「ありがとうございます」を多用する。
・マイナス言葉をプラス言葉に言い換える。
・とりあえず手や体を動かす。
・「書く」アウトプットを継続する
・「毎日0.2%」の改善をする。

著者は内向型の特性とスキルを紹介していますが、これらのスキルは外向型の人々にも非常に役立ちます。この本を読むことにより、内向型の人々の感じ方や考え方を理解する手助けとなり、彼らとのコミュニケーションを改善するのに役立つ洞察が得られます。

また、内向型だけでなく、外向型の人々も、本書で紹介されるアプローチやスキルを活用して、より豊かな人間関係を築くことが可能です。このように、本書は多くの読者にとって有用なガイドとなり、内向型と外向型の枠を超えたコミュニケーションの理解と向上に寄与します。

今日はこの中から、「スリー・グッド・シングス」と「感謝日記」を取り上げ、その効果について考えてみたいと思います。

スリー・グッド・シングスと感謝日記の効果とは?

「なんかいいことないかな……」そう思うことはないでしょうか。実は日常にいいことは転がっているのに、なかなか気づけない。ここまでお話ししてきたように、人はネガティブなことに目がいってしまうものです。 日常のよいことに気づく方法として、「スリー・グッド・シングス」というアプローチがあります。そのやり方はとても簡単で、「寝る前にその日に起きたよいことを3つ書き出す」ことです。

「スリー・グッド・シングス」という手法は、日常生活の中で良いことに気づくためのシンプルなアプローチです。この方法は、毎晩寝る前にその日に起きた良いことを3つ書き出すというもので、ポジティブな出来事に焦点を当て、前向きな気持ちを育むのに役立ちます。

このプラクティスは、心理学者マーティン・セリグマンによって提唱されました。彼の研究では、約60人の参加者が1週間毎夜この活動を行った結果、大多数の幸福度が向上し、うつの症状が軽減したことが報告されています。 この習慣を通じて、日々のポジティブな出来事を振り返ることで感謝の気持ちを育み、一日の終わりを幸せな気分で終えることができます。これによりストレスの軽減と心の安定が促進されます。

特に忙しい日々を送る人々やネガティブな出来事に翻弄されがちな人々にとって、この手法は心のバランスを整えるのに有効です。 ポジティブな視点を持続することで、深い幸福感を実感することができます。

私自身も、このスリー・グッド・シングスと感謝日記を組み合わせ、一日に10のよいことを書き出し、それに感謝することを習慣にしています。この習慣を10年以上続けることで、私の幸福度は明らかに向上し、より充実した人生を送ることができるようになりました。ぜひ、読者の皆さんもこの手法を試し、心の健康と幸福度を向上させる一歩を踏み出してみてください。

読書を習慣化し、それを参考に行動を起こしてきた私は、本書で紹介されている多くのメソッドを実践することで、豊かな人生を送れるようになりました。内向型ではない私ですが、読書と行動の習慣化のおかげで幸せになれたので、著者のメッセージには共感を覚えました。

内向型の人のための50冊の読書ガイドの多くは、一部を除いて、未読なので今後チャレンジしてみます。

※本書は鈴木奈津美氏から献本いただきました。ありがとうございます。


 

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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