なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?
加藤俊徳
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか? (加藤俊徳)の要約
ひとり言は単なる独り言ではなく、自己との対話を通じて潜在能力を引き出し、夢や目標の実現に繋がる重要なツールです。右脳と左脳の連携を強化し、実行機能を高めることで、より効果的に目標達成を目指すことができます。私たちも日常生活でひとり言を積極的に取り入れることで、成功を手に入れることができるようになります。
ひとり言にはパワーがある??
脳科学者としての結論は、病的なもの(英語では、Soliloguy)を除いて、ひとり言には脳を覚醒させ、眠っていた能力を伸ばす力がある!と断言したいと思います。(加藤俊徳)
言葉には、不思議な力があります。古来から、人々はこの力を「言霊」と表現してきました。言霊には、人を動かす霊的な力が宿っていると信じられています。この考え方は、言葉が持つエネルギーや影響力を強調し、人々の心や行動に深く関与するものです。
脳科学者である加藤俊徳氏は、言葉の持つ力について特に注目しています。彼は、言葉、特にネガティブに捉えがちな独り言にも効果があると述べています。脳科学の観点から見ると、言葉は脳に直接的な影響を与えるツールとなり得るのです。
加藤氏によれば、独り言は使い方次第でポジティブな効果をもたらすことができると言います。実際、相対性理論を確立し、世紀の天才と称されるアインシュタインは、常に独り言をつぶやいていたと言われています。アインシュタインの独り言は、彼の思考を整理し、複雑な理論を構築する助けとなっていたのでしょう。
同様に、ドイツの世界的文豪ゲーテも、ベートーベンと初めて会った際、その音楽的天才に衝撃を受け、半日間ずっと独り言を言い続けていたと言われています。これらのエピソードは、独り言がいかに思考を整理し、深い洞察を得るための手段となり得るかを示しています。
ひとり言をつぶやくことによって、思考が整理され、考え方がまとまることがあります。私たちが複雑な問題に直面したとき、声に出して自分の考えを表現することで、頭の中で散らばっていたアイデアや情報を整理しやすくなります。このプロセスは、問題解決や創造的なアイデアの発見に役立ちます。
また、探し物をする際にひとり言をつぶやきながら探すと、見つかるまでの時間が短くなるという調査結果があります。これは、ひとり言が集中力を高める効果を持っていることを示しています。自分の行動や考えを声に出すことで、注意が散漫にならず、目的に対する集中度が増すのです。
私もこの書評ブログを書く時に、ひとり言を発しながら頭を整理することがあります。今回、本書を読んで、ひとり言のパワーを改めて認識することができました。
さらに、ひとり言には記憶力を高める作用もあるとされています。学習中に声に出して情報を確認することで、その情報が記憶に残りやすくなります。これは、「音声」と「聴覚」の両方の刺激を受けることで、脳が情報をより効果的に処理するからです。例えば、勉強する際に声に出してテキストを読むと、黙読よりも記憶に残りやすくなります。
言葉の選び方や使い方は、脳の活動に大きな影響を与えます。ポジティブな言葉を使うことで、脳はその言葉に反応し、ポジティブな感情や行動を引き起こすことができます。反対に、ネガティブな言葉を使うと、脳はその言葉に反応してストレスや不安を増幅させることがあります。
ひとり言を意識的にポジティブにすることで、脳を訓練し、前向きな思考パターンを形成することができます。 一方で、ネガティブな独り言も恐れずに活用し、自分の感情を素直に表現することで、ストレスを解消し、自己認識を深めることができます。このように、言葉の力を理解し、適切に使うことで、心と脳の健康を保ち、より良い生活を送ることができるのです。
ひとり言で夢を実現する方法
夢に近づくためには、脳の「実行機能」を働かせる必要があります。 実行機能とは、脳の「思考系」と「運動系」が連携して、目的に向かって思考し、手段を考え、実行するという機能です。
無意識に口から出るひとり言は、天から降りてきた知恵や内面の奥底から吹き出してきた情報だと考えられます。大事なのは自己と向き合い、自己と対話することです。ひとり言はまさに自己との対話そのものであり、自分の見えない潜在能力とつながるツールであり手段なのです。
夢に近づくためには、脳の「実行機能」を働かせる必要があります。実行機能とは、脳の「思考系」と「運動系」が連携し、目的に向かって思考し、手段を考え、実行するという機能です。この機能を効果的に活用することで、目標達成に向けた具体的な行動が取れるようになります。
直感的な右脳のひとり言を、左脳のひとり言が言語化し、事実化することで、夢や目標が実現していくと考えられます。右脳は直感や感情を司り、潜在意識からのメッセージをキャッチします。一方、左脳は論理や言語を担当し、右脳からのメッセージを具体的な言葉や計画に変換します。ひとり言を通じてこのプロセスを促進することで、潜在能力を引き出し、現実の行動に繋げることができるのです。
米国の実業家ジョン・D・ロックフェラーは、「未来は現在の過ごし方にかかっている」「自分を見失わず着実に前進しろ」という言葉を口癖にしていました。彼は絶えず自分自身に言い聞かせることで、目標に向かって一歩一歩前進する姿勢を保っていました。
ロックフェラーのように、自分自身に対してポジティブなメッセージを送り続けることが、成功への道を開く重要な鍵となります。 ひとり言の実践方法 私たちも日常生活でひとり言を活用し、自己対話を実践することで、多くのメリットを得ることができます。
例えば、朝のルーチンに「今日も一日頑張ろう」と自分に言い聞かせることで、前向きなスタートを切ることができます。また、困難な状況に直面したときに、「私はできる」「問題を解決できる」と自分を励ますことで、ストレスを軽減し、冷静に対処する力を高めることができます。
私も毎朝、自分に勇気を与える言葉を唱えていますが、これにより気持ちよく一日をスタートできるようになり、ポジティブなことが起こるようになったので、著者のアドバイスには共感を覚えました。
ひとり言は、自己対話を通じて脳をフル回転させ、成長を目指すためのシンプルで効果的な手段です。誰にでもできるこの行為は、特別な準備や才能を必要とせず、日常生活の中で簡単に取り入れることができます。声に出すのが難しいときには、内言語でつぶやくことで同様の効果を得ることができます。
自分自身にポジティブなメッセージを送り続け、問題に直面したときには冷静に対処するための問いかけをすることで、ひとり言の力を最大限に活用し、自己成長を促すことができるのです。
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