やり過ぎる力 混迷の時代を切り開く真のリーダーシップ論
朝比奈一郎
ディスカヴァー・トゥエンティワン
やり過ぎる力 (朝比奈一郎) の要約
「やり過ぎる力」の本質は、既存の枠組みを超越し、新たな価値を創造する革新的精神です。それは単なる挑戦ではなく、社会や自己の根本的変革を促す原動力です。「やり過ぎる力」は、実はリーダーシップの発揮そのものであると考えられます。この力を用いて何かを実行に移す人こそが、真のリーダーと呼ぶにふさわしいのです。
現代にやりすぎる力が必要な理由
方向感なく、単に現在の苦境に耐え続けること、すなわち、前例や横並び、これまでの常識にとらわれて「頑張る」ということには、実はあまり意味がない。特に混乱の時代においては。むしろ、そうしたものを乗り越える力、「やり過ぎる力」が必要である。(朝比奈一郎)
青山社中株式会社の筆頭代表(CEO)を務める朝比奈一郎氏は、「やり過ぎる力」によって、現代社会が直面する課題を解決できると述べています。日本は長期の経済停滞と急激な社会変化に直面しています。この状況下では、従来の「頑張る」姿勢だけでは不十分です。
社会に真の変革をもたらし、新たな価値を創造するには、「やり過ぎる力」を持つ個人や組織が不可欠です。 この「やり過ぎる力」は、単なる挑戦精神や冒険心を超えた概念です。それは、周囲の評価や目を気にせず、自らの信念に基づいて徹底的に行動する能力を指します。
目標達成のプロセスにおいて、「やり過ぎる力」は極めて重要な役割を果たします。私たちは常に様々な障壁や抵抗に直面し、当初の目標から押し戻されることが少なくありません。そのため、想定する着地点を大きく上回るビジョンを掲げ、それに向かって「やり過ぎる」くらいの勢いで前進することが求められます。
このアプローチによって初めて、望むポジションの確保が可能となるのです。 「やり過ぎる力」は、既存の枠組みや常識にとらわれない創造的思考と、困難に立ち向かう不屈の実行力の融合といえます。それは、現状に甘んじることなく、より良い未来を描き、それを実現するための行動を起こす原動力となります。
この力を発揮することで、個人や組織は自身の限界を押し広げ、予想を超える成果を上げることができます。それは、単に目標を達成するだけでなく、その過程で得られる経験や学びを通じて、大きな成長をもたらす機会ともなります。
「やり過ぎ」には批判もつきものだが、同時に、感動を呼ぶことも少なくない。人生を躍動に満ちたワクワク感で包むためには、「やり過ぎる力」は必要不可欠であると言えよう。
「やり過ぎる力」は、時として批判の的となることがあります。しかし、その一方で、人々の心に強く響き、感動を呼び起こす力も秘めています。人生を真に充実させ、心躍る体験で満たすためには、この「やり過ぎる力」が不可欠な要素となるでしょう。
明治時代の先駆者たちは、まさにこの「やり過ぎる力」を駆使して国の発展を牽引しました。彼らの精神は、現代の日本社会にとっても重要な示唆を与えています。今こそ、私たちはこの力を再認識し、取り戻すべき時なのです。
しかし、「やり過ぎる」ということは、単に無謀に突き進むことを意味するわけではありません。それは、周到な準備と深い考察に基づいた行動であるべきです。自らの行動が周囲に与える影響を十分に認識しつつ、それでもなお既存の枠組みを超えようとする姿勢が求められます。
「やり過ぎる力」とはリーダーシップ!
私は、「やり過ぎる力」とは「リーダーシップ」の発揮にほかならず、この「やり過ぎる力」を使って何かを実行に移す人こそが、真の「リーダー」であると考えている。
「やり過ぎる力」の本質は、前例や常識にとらわれず、それらを打ち破る力にあります。 この力を発揮するためには、志を同じくする人々との団結が重要な鍵となります。しかし、それは単に同調することではありません。むしろ、互いに率直に議論を交わし、意見をぶつけ合うことで、共に行動へと踏み出す原動力が生まれるのです。
「やり過ぎる力」は、実はリーダーシップの発揮そのものであると考えられます。この力を用いて何かを実行に移す人こそが、真のリーダーと呼ぶにふさわしいのです。リーダーとは、最も高い木に登り、全体を見渡して「このジャングルは違う」と声を上げられる人です。前例や掟を乗り越える勇気を持つ人、それがリーダーの姿なのです。
リーダーシップのステップは、「リード・ザ・セルフ」(自分自身をリードする)から始まります。そして「リード・ザ・ピープル」(人々をリードする)へと発展し、最終的には「リード・ザ・ソサエティ」(社会をリードする)へと至ります。
リーダーになる人が自らを鼓舞し、前進し続ける中で、フォロワー(追随者)が生まれ、組織が、そして世の中が変わっていくのです。
「やり過ぎる力」を発揮するためには、いくつかのコツがあります。まず、「PSR」(Personal Social Responsibility)、つまり個人として社会的責任を負うことです。「おかしい」と感じることに対して声を上げる勇気を持つことが大切です。
次に、「M&A」(Minna Action)、みんなで共に行動することです。一人ではなく、志を同じくする仲間と共に動くことで、大きな力となります。
そして「タイミング(信頼の蓄積)」です。周囲からの信用を蓄積しながら、一歩踏み出すための絶好の機会を待つことが重要です。
さらに、「やり過ぎる力」を発揮するための本質的な要素を著者は3つあげています。
①死への意識
日々の生活の中で「死」を意識することで、自分の人生をどのように輝かせるかを考えられるようになります。
②後世への意識
自分が去った後の世界のために何を遺せるかを考える。後世のことを考えることで、野望を実現できるようになります。
③自分への意識
自分の本質や考えとは何であるのかを探求し続けることで、本当にやりたいことが見つかります。
これら3つの要素を意識しながら「やり過ぎる力」を発揮することで、私たちは単なる現状維持を超えて、真の変革をもたらすことができるのです。それは個人の成長だけでなく、組織や社会全体の発展にも大きく寄与します。
「やり過ぎる力」を持つリーダーは、既存の枠組みにとらわれず、新たな可能性を切り開く存在です。彼らは自らの信念に基づいて行動し、周囲を巻き込みながら、社会に変革をもたらします。 しかし、この力を適切に発揮するためには、高い倫理観と責任感も必要不可欠です。自らの行動が社会や他者に及ぼす影響を常に意識し、建設的な方向に力を注ぐことが求められます。
「やり過ぎる力」は、決して特別な才能を持つ人だけのものではありません。誰もが、自分の信念に基づいて行動し、既存の限界に挑戦する能力を秘めているのです。重要なのは、その力を認識し、適切に活用する勇気を持つことです。
「やり過ぎる力」は、混沌とした現代社会を生き抜くための新たな指針となります。それは、個人の成長だけでなく、組織の発展や社会全体の進歩にも貢献し得る重要な概念です。この力を養い、実践することで、私たちは単に現状に適応するだけでなく、より良い未来を積極的につくれるようになります。
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