「お金」と「すごい成果」の法則 億万長者に学ぶ不安を減らして資産を増やす大切な教え
ブライアン・トレーシー
日経BP
「お金」と「すごい成果」の法則 (ブライアン・トレーシー)の要約
「資本の法則」が示すように、稼ぐ能力は私たちの最も価値のある資産であり、それを高めるための時間とお金の投資は、自己の可能性を引き出し、より大きな成功へと導く鍵となります。自分のキャリアを向上させるため、そして人生をより充実させるために、これらの教えを日々実践していくことが大切です。
自分のお金の目標を明確にする!
「どれだけお金を蓄えたいかを決める」という簡単な決断をするだけで、それを達成できる可能性は5倍から10倍に膨らみます。 (ブライアン・トレーシー)
「どれだけお金を蓄えたいかを決める」という一見単純に思える行為には、驚くべき力が秘められています。ブライアン・トレーシーが指摘するように、この決断ひとつで目標達成の可能性が5倍から10倍にも膨らむのです。なぜこれほどまでに効果があるのでしょうか?
それは、目標を具体化し、自分自身を深く見つめ、行動を計画的に進めることにつながるからです。 まず、自分が「どれだけお金を蓄えたいか」を明確にすることが重要です。ただ漠然と「お金が欲しい」と思うだけでは、どのくらい努力すればいいのかもわからず、方向性を見失ってしまいます。
一方、具体的な数字を設定すると、目指すべき地点が明確になります。目標がはっきりすることで、行動に一貫性が生まれ、モチベーションを維持しやすくなるのです。 次に、自分の価値を客観的に知るためには、純資産を計算する必要があります。純資産とは、所有している資産の合計額から負債を引いたものです。この計算を行うことで、自分の経済的な現在地をはっきりと把握できます。
そして、その数字を基に、目標金額とのギャップを明らかにするのです。この差が、これからの人生で埋めるべき「課題」となります。 課題が明確になると、次はその埋め方を考える段階に入ります。このとき、数字を常に意識することが重要です。
目標金額が自分の価値観や生活の一部になるまで考え続けることで、日常の選択や行動が自然と目標達成に向かうようになります。たとえば、日々の支出を見直す中で、無駄遣いに気づくこともあるでしょう。投資や貯蓄の方法について学び、新たな行動を取り入れるきっかけにもなります。
著者は、「自分の思いが行動を決める」「節約と一定の比率の貯蓄」「低リスクのインデックス投資」など32の法則を本書で紹介しています。今日はこの中から私が気になった法則を紹介します。
今日のあなたの経済的状況を見て、それがあなたの考え方とどう調和しているか考察してみましょう。 あなたの人生でいいと思う事柄は全面的に認めます。それらがそこにあるのは、あなたが それらを自分に引き寄せたからです。
私たちが今日の経済的状況を見つめるとき、それは単なる数字の集まりではなく、自分自身の考え方や行動の結果が反映されたものだということに気づかされます。この瞬間、自分がどのような選択をし、どのような思考をしてきたのかを省みる機会となります。
まずは、人生でうまくいっていること、つまり自分が満足している事柄に目を向け、それらを素直に認めることが大切です。良い結果が現れているのは、それを引き寄せた自分自身の思考や行動があったからこそです。 何かがうまくいっているとき、それはあなたの考え方が前向きで、行動が計画的であった結果であることが多いのです。その状況を生み出した自分を褒めることは、自信を育み、さらなる成功の土台となります。
しかし、そこで止まってはいけません。同時に、今の状況の中で不満や不快感を覚える部分にも目を向けることが必要です。その部分は、自分の考え方や行動の中に改善すべき点があることを示しています。気に入らない状況は、他者や環境のせいではなく、最終的には自分自身の責任であると認めることが第一歩です。
たとえば、収入が増えない、支出がコントロールできない、または貯蓄が思うように増えないと感じるなら、それは単なる外的要因の結果ではなく、内的な原因が存在している可能性があります。その原因を突き止めるためには、自分の思考の癖や信念を冷静に振り返る必要があります。
浪費に走りやすいのはなぜか、お金に対する不安が強すぎるのはなぜか、自分自身の価値を低く見積もっているのではないか。そうした内なる問題を見つけることが、次の行動につながります。 このプロセスの鍵は、自分自身を責めるのではなく、誠実に状況を受け止めることです。
失敗や問題点に目を向けるのは、自己批判のためではなく、未来をより良くするためのステップとしての意味を持ちます。そして、気に入らない状況を生み出した考え方の「欠陥」を特定したら、その欠陥をどう克服するのかを考えることが重要です。
考え方を変えれば、人生が変わります。これは決して抽象的な概念ではなく、日々の行動や選択を左右する現実的な力です。私たちの思考が、どのようにして目の前の状況を形成しているのかを理解することで、望む未来を作り出す方法も見えてきます。
創造性を刺激する4つの質問
創造性を刺激するためには、日常の中で自分自身に問いかけをすることが効果的です。特に、行動や思考を見直すための具体的な質問は、惰性に流されがちな日々のルーチンを打破し、新たな視点やアイデアを引き出す助けとなります。
その中でも、「何をもっとすべきか」「何をもっと減らすべきか」「今日やっていないことで始めるべきことは何か」「何を完全にやめるべきか」という4つの質問は、創造性を高めるための強力なツールとなります。
まず、「何をもっとすべきか」という質問は、現在取り組んでいる活動や行動を振り返り、それを強化すべき領域を探る機会を与えてくれます。たとえば、仕事において効率を上げるために新しいスキルを学ぶ必要があるのか、人間関係を深めるためにもっと感謝を伝えるべきなのか、あるいは健康を維持するために運動の時間を増やすべきなのか。
この問いは、自分が目指すゴールに近づくためにどの行動を優先すべきかを明確にし、集中力を高めてくれるのです。
次に、「何をもっと減らすべきか」という問いかけは、不要な行動や習慣を見直すきっかけとなります。私たちはしばしば、限られた時間やエネルギーを無駄にする行動をしてしまいがちです。たとえば、無目的にスマートフォンを触る時間や、重要でないタスクに過剰に時間を割くことなどが該当します。
この問いによって、自分の生活や仕事の中で非効率な部分を見つけ出し、それを減らすことで、より重要な活動にリソースを集中させることが可能になります。
「今日やっていないことで始めるべきことは何か」という質問は、新しい可能性を探るための視点を提供します。創造性は、未経験の行動や未知の領域に足を踏み入れることで刺激されます。たとえば、新しい趣味を始める、新たなスキルを学ぶ、これまで手を付けていなかった課題に挑戦するなど、小さな一歩が新しい発想を生み出します。この問いは、現状維持から抜け出し、未来への一歩を踏み出す原動力となるでしょう。
最後に、「何を完全にやめるべきか」という質問は、現在の行動や考え方を根本的に見直す助けになります。私たちは時として、自分にとって有害な習慣や思考パターンにしがみついてしまいます。それが、ストレスの原因であったり、成長を妨げる要因であったりする場合も少なくありません。
この問いを通じて、自分にとって不要なものを断ち切る勇気を持つことで、新たな可能性が開け、創造性をより一層高めることができます。
私自身、2014年にアルコールを完全に断つという決断をしたことで、自分が本当にやりたいことに時間とエネルギーを注げるようになりました。この4つの質問を繰り返し自問することで、自分の行動を見直し、変える力を身につけ、より良い結果を生み出せるようになるのです。
楽しくて簡単なことをしたいという誘惑に抗い、難しくて必要なことに着手するよう自分を律することができるようになったとき、あなたは将来のよりよい生活をほぼ確実に保証されたといってもいいくらいの性格を手に入れています。
私たちは、時に楽な道を選びたくなることがあります。楽しい活動や目先の快楽は、一時的には満足感を与えてくれるかもしれませんが、長期的な成長や成功には結びつきません。一方で、難しくてもやるべきことに挑戦することは、今は辛く感じるかもしれませんが、それが将来の自分に大きな利益をもたらします。
自分を律し、必要な課題に取り組む力を養うことで、未来に対する確固たる保証のようなものを手に入れることができます。この性格や姿勢は、成功を持続させるために欠かせない要素となります。 問いを活用し、自分を見つめる中で、より高い目標に向けて行動を変えていけるようになります。
そして、それを繰り返すことで、自分自身を進化させ、創造性をさらに高めることができるでしょう。その結果として得られるのは、より良い生活と、充実感に満ちた未来です。このプロセスをぜひ続けてください。難しいことに立ち向かう姿勢が、あなたの人生を豊かにし、望む成果を引き寄せる力を生み出します。
自分の人生を豊かにする「資本の法則」とは何か?
「資本の法則」は、キャッシュフローの観点からいって、あなたの最も価値ある資産は、あなたの身体的および精神的な資本、つまり稼ぐ能力であるというものです。仕事に取り組み始めるときに投資しなければならないのは、通常これだけです。すでに裕福でない限り、あなたの働く能力は、あなたが持っている最も価値のある資産であることさえ気づいていないかもしれません。
「資本の法則」とは、私たちの稼ぐ能力を中心に据え、時間やお金をどのように活用すべきかを説いた極めて実用的な考え方です。この法則が示す最も基本的で重要な真実は、私たちの最も価値ある資産が、身体的および精神的な資本、つまり稼ぐ能力そのものであるということです。
特にすでに十分な財産を持っていない場合、仕事に取り組む際に投資できる資産はこの稼ぐ能力だけです。それにもかかわらず、多くの人がこの事実を意識することなく、日々の時間を過ごしています。 あなたが今日得ている収入は、これまでにどれだけ稼ぐ能力を開発し、その能力をどのように活用してきたかの結果に他なりません。
自分の稼ぐ能力を価値ある商品やサービスの生産に応用することで、生活に必要なすべてのものを手に入れるための資金を生み出すことができます。
さらに、「資本の法則」が教える最初のポイントは、私たちの最も貴重な資源は時間であるということです。私たちが売るべき本当の資産は、時間とその時間における自分自身の努力そのものです。どれだけの時間を使い、その時間にどれほど自分を投じるかによって、収入を得る能力は大きく左右されます。
生産性を低下させる主な原因は時間管理が行き届いていないことにあると言われていますが、それは個人レベルでも組織レベルでも同様です。
「資本の法則」のもう一つの重要な教えは、時間とお金には使う方法と投資する方法があるという点です。時間やお金をただ使ってしまうと、それは永遠に失われる埋没コストとなり、二度と取り戻すことはできません。
一方で、これらを適切に投資することで、継続的に利益を得ることが可能です。たとえば、時間を知識やスキルを向上させることに投資すれば、あなた自身の価値が高まり、結果として稼ぐ能力が向上します。これにより、より高いキャッシュフローを実現し、場合によってはキャリア全体を大きく加速させることができます。
自分に投資することの重要性を理解し、それを実践に移すことは、最も賢明な行動の一つです。収入の少なくとも3パーセントを毎月、自分自身の成長やスキルアップのために投資することから始めるべきです。
さらに収入の5パーセントから10パーセントを自分自身に投資することで、その成果は5倍、10倍、あるいは20倍にもなって返ってくる可能性があります。このようなリターンは、他のどんな投資よりも大きいものです。裕福で成功した人々がいずれ気づくのは、稼ぐ能力を高めるために時間とお金を再投資することが、人生において最も価値のある選択であるということです。
一方で、この事実を理解しないまま人生を過ごす人も多く存在します。 また、仕事や人生において、自分の最も価値の高い時間の使い方を特定することが重要です。どの活動が最大の成果に貢献しているのかを見極め、その活動にもっと多くの時間を注ぐことで、より良い結果を得られます。エネルギーのリターンを最大化する方法を継続的に模索し、実行に移していくことが必要です。
戦略的な時間とお金の使い方を実践することで、人生のリターンを最大化することが可能になります。 「資本の法則」が示すように、稼ぐ能力は私たちの最も価値のある資産であり、それを高めるための時間とお金の投資は、自己の可能性を引き出し、より大きな成功へと導く鍵となります。自分のキャリアを向上させるため、そして人生をより充実させるために、これらの教えを日々実践していくことが大切です。
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