「できる奴」と「できない奴」はどう違うのか。それは、「できる奴」は、無駄を省いて、目ざめている時間を最大限使っている。一方、「できない奴」は、無駄を省くかわりに、睡眠時間を省いて、その結果、ぼんやりしている時間ばかりを無駄に増やしている。「睡眠を削れば、得られるのはぼんやりした時間だけ」という、考えてみれば当たり前のことに気づいていないのです。(井原裕)
PDFA習慣術の徳本昌大です。
今日は都市型のビジネスマンに流行っているうつの治し方について書きます。
神経症性抑うつ=ノイローゼと呼ばれていたものが
最近ではうつ病と診断されるようになり、患者数を増加させています。
この10年でなんと患者数は2.4倍になっているそうです。
精神疾患は現代の都市生活者の悩みの一つになっているのです。
そして、この都市型うつは、睡眠不足によってもたらされているというのです。
私どものDNAには、昼行性動物の遺伝子が組み込まれています。一定の睡眠を得て初めて健康を維持できるような、体の仕組みができあがっています。そういう自然の理を無視すれば、倦怠感、頭痛、突然の不安、容易には治らない抑うつ、そんな悲惨な結果が待ち受けているのです。
精神科医の井原裕氏のうつの常識、じつは非常識は
この都市型うつの原因を掘り下げている良書です。
本書を読むと、睡眠と睡眠を意識した働き方の重要性を学べます。
私は10年前まで、アルコール依存症でした。
アルコールを飲んでいた頃は、大切な睡眠時間を削り、自分の首を自ら絞めていました。
睡眠不足とアルコール依存が、私の心と体を蝕んでいたのです。
本書には、私のような叩き方をしている悪いケーススタディがいくつも紹介されています。
新聞記者や広告会社、IT、商社などの都市型のホワイトカラーが
都市型うつ病になりやすいと書かれていますが、その原因は明白です。
不規則な生活、ストレス、睡眠不足、過度のアルコール、この組み合わせによって
私たちは都市型うつ病を発症しやすくしているのです。
では、私たちはどうすればよいのでしょうか?
うつの常識、じつは非常識 [ 井原 裕 ] |
著者の井原氏は長年精神科医の仕事を続けてきました。
都市部の患者うつ病患者を診察している中で、この病気の本当の原因を見つけたのです。
その結果、抗うつ薬、抗不安薬、
井原氏が、薬を使わなくなった理由は
都市型うつの病理の本質が心身の疲弊=睡眠不足にあるからです。
情報技術がもたらす効率性というストレスと
感情の動物がも
都市生活者に襲いかかって
ストレスを飲酒やギャンブルなどで紛らわすことで、ますます自分を忙しくしているのです。
悪い習慣によって大切な睡眠を削ってしまい
多くの都市型ビジネスマンがうつ病を患っています。
井原氏は都市型うつ病が薬では治せない理由を以下のように説明しています。
第一に、抗うつ薬を使うことにほとんど意味がないということ。第二に、この人たちの「うつ」の背後には都市生活特有のライフスタイルの問題があるということ。第一は、第二の直接の帰結です。つまり、都会人のライフスタイルの問題にメスを入れることなくしては、治りようがない。その問題に目をつぶって、「薬を使えば治るだろう」と踏んでかかってもムダだということです。
私たちの課題は
1日24時間のなかに7時間の睡眠をどうやって確保するか?が問題なのです。
もちろん、私たちの生活は忙しさに満ちています。
その中で、
週合計50時間ほどの睡眠を確保すれば、私たちはうつ病を直せるのです。
あとは、
井原氏は現代のうつ病が医薬業界のキャンペーンによるものだと指摘しています。
自分の大事な体を薬漬けになしないためにも、本書をぜひごご一読ください。
最後に井原氏の言葉を紹介します。
この『寝不足のときは一時的に「頭が悪くなっている」という言葉が
今の私にはとても刺さりました!
脳が体調不良のときはいいパフォーマンスができません。頭に少しでも曇りがあれば、もう発想が湧かず、言葉も出てきません。端的にいって、寝不足のときは「文章を書く能力」が下がっています。一時的に「頭が悪くなっている」のです。
自分を都市型うつ病にしないためにも無理をしない生活
(50時間睡眠)を心がけたいものです。
薬に頼る生活はとても危険だと考えて、自分を大切にすることで
自分を元の素晴らしい存在に戻せるはずです。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
私の好きな本や自分の著書をピックアップしています。
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ソーシャルメディアを武器にするための10カ条 [ 徳本昌大 ] |
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