キオ・スタークの知らない人に出会うの書評

わたしにとって、見知らぬ人に話しかけるのはちょっとした冒険だ。それは、楽しみであり、反抗であり、解放でもある。つまり、わたしの生き方なのだ。その理由はいくつもある。知らない人と話せば、日常の決まりきった会話に、心躍るような風穴を開けられる。いつもとは視点を変えられるし、ほんのひととき、意義のあるつながりを持てる。(キオ・スターク)


photo credit: 。張零 2017.04.29 café lumière via photopin (license)

知らない人とのコミュニケーションがあなたを幸せにしてくれる

私たちは知らない人と出会うことで、この世界に敏感になれます。
知らない人への理解を深めることが世の中を変える原動力になるのです。
キオ・スターク知らない人に出会うの中で
知らない人との出会いが私たちを幸せにしてくれると言います。

知らない人に話しかけてみることで小さな幸せを得られます。
ちょっとした街中の何気ない会話から
人とのつながりの感覚が呼び起こされるのです。
知らない人と出会うことは暮らしの中で出会える冒険だと
著者のキオ・スタークは指摘します。

世の中には確かに怖い人もいますが、良い人もいます。
周りの人が怖いと感じて何もアクションを起こさなければ
私たちは幸せになるチャンスを逃してしまいます。
知り合いになる人は自分の感覚で選べるのですから
相手の存在をしっかりと認め、共通点を探しましょう。
洋服や髪型、飼っている犬をほめるだけで素敵な笑顔をもらえます。
外見や国籍、宗教などの偏見を無くして
相手と真摯に接することで親密になれます。
ちょっと立ち止まって、知らない人に挨拶したり
勇気を持って行動することで世の中を少しづつよくできるのです。

人は親密さを求めて生きていますが、
街中で知らない人に話しかけることでも、束の間の親密さを味わえるのです。
この街中の親密さは家族や友人たちとの普通の親密さとは異なります。
街中で人とすれ違う時に「こんにちは」と挨拶したり
エレベーターの中で最後の一人に「お気をつけて」と声をかけることで
さまざまな場面の空気を素晴らしいものに変えられます。
街中の何気ない親密さによって、私たちは温かい気持ちになれるのです。
挨拶や笑顔のコミュニケーションを習慣にすることで
一人の人間として認められた満足感を得られます。

日常の意味のない挨拶やフレーズには、途方もなく大きな社会的価値があるのです。
互いに相手を認識するだけで、心からの喜びや一体感が湧いてきます。

相手を求める行為を習慣にしてしまえば、もしかしたら自分自身が変わるかもしれない。

スターバックスの客を2つのグループに分けた実験について知ると
人との何気ないコミュニケーションのパワーを実感できます。
一方のグループは以前からの知り合いみたいにバリスタと話してもらい
もう一方には話さないようにしてもらいました。
その結果、会話を交わした客たちは
店を出るときに前向きな気持ちになっていました。

確かに初めて入った飲食店で、スタッフの人たちに
「料理、美味しかったです!ごちそうさま」と言うだけで
お互いが笑顔になれ、幸せな気分を味わえます。
この小さな幸せが人生に彩りを与えてくれるのですから
知らない人にコミュニケーションすることは価値があるのです。

ほんのつかの間のやりとり(最低限の社会的相互作用)のおかげで
私たちは人との結びつきをじかに感じられます。
知らない人との何気ない会話が
誰かとつながりたいという人間の根本的欲求を満たしてくれるのです。

 

異なるグループとも仲良くなるために

都会の住人はこの何気ないコミュニケーションが苦手です。
挨拶したり、視線を合わせるのをやめiPhoneの画面に集中します。
人には知られたい欲求と知られたくない欲求の両方があるのですが
街中や電車の中では、自分の殻を厚くして、自分を閉じてしまうのです。

しかし、知らない人とのコミュニケーションには様々なメリットがあります。
知らない人の話を傾聴することで、多くの知識を得られたり
信じられない体験を教えてもらえ、人生の幅を広げられます。

知らない相手に対しては失うものは何もありませんから
赤裸々に自分の気持ちや考えを明らかにできます。
結果を心配せずに自分をさらけだせるというメリットがあります。
たとえ相手がこちらをよく思わなかったとしてもよいので
本当の自分をさらけだすこともできるのです。

また、知らない人と直接話すことで、私たちは驚きをもらえます。
いつもとは違うサプライズを楽しむことで、ワクワクな気持ちを味わえます。

見知らぬ人に話しかけ、自分と相手との違いに敬意を払い、手を差しのべれば、周囲の世界は今よりもっと柔軟になり、変化のための余裕ができてくる。何よりすばらしいのは、可能性に満ちたそうした瞬間が、ちょっとしたやりとりから生まれるということだ。もちろん、知らない人に話しかける行為自体が、文化的・政治的レベルで何かを変えるわけではない。しかし、解決するのは無理でも、きっかけを作ることはできる。

しかし、政治や宗教がグループ間の偏見を助長し
トラブルや紛争を起こしてしまう悲しい現実があります。
グループ間で接触する経験の多くはポジティブなものだとしても
一部の敵対的だったり、ネガティブなコミュニケーションが
全体をダメにしてしまうのです。
社会を今より良い方向に変えたければ
異なるグループの人たちと圧倒的に良い経験をする必要があるのです。
マイナスな経験を与えたり、ネガティブな言動には
意義を申し立てる勇気を持ち、知らない人に優しく接することで
私たちは周りの人たちとの関係を改善できるのです。

まとめ

いつも同じ人とばかりコミュニケーションしていては
新たなサプライズは得られません。
異なる人との何気ないコミュニケーションが
私たちにワクワク感を運んできてくれます。
知らない人を怖いと思うのではなく、身近な存在だと意識を変えて
コミュニケーションすることで、さまざまな場面の雰囲気を変えられるのです。

      

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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