新しい状況で求められるのは同じアイデアではない。
それまでとは違う何かがなければならない。 そこで必要になるのが、第7感だ。第7感は、 新たなアイデアを生みだす脳のメカニズムだ。それは、 これまで誰も思いつかなかったような突然のひらめきや、「 そうか、わかった!」という感覚を生む。新しく、 かつ便利なアイデアを生みだすのは第7感だ。実際、 社会は第7感がもたらすアイデアによって進化してきた。(ウィリアム・ダガン)
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第7感を鍛えよう!
コロンビア大学ビジネススクールで、戦略的な思考法を教えているウィリアム・ダガンは、第7感の重要性を指摘します。今日は彼の天才の閃きを科学的に起こす 超、思考法――コロンビア大学ビジネススクール最重要講義のブログでこの第7感について、ブログでまとめてみたいと思います。この第7感によって、平常心で思考できるようになり、ストレスを撃退できるというのです。ネガティブな感情から自分を解放すること(フリー・ユア・マインド)によって、良いアイデアが浮かびやすくなり、課題を解決できるようになります。
第7感は以下の4つのステップで構成されます。
・歴史の先例
・オープンマインド
・突然のひらめき
・決意
過去の先例を材料にし、インプットした情報を統合し、一歩離れて一旦俯瞰します。第6感とは異なり、第7感には時間をかける必要があります。その際、自分の心を解放し、オープンマインドにならなければなりません。 第7感が生じるまでには、相当時間がかかる場合もあります。何かが気になり、それが心の隅にひっかかったまま一週間が過ぎ、一か月が過ぎ去ることもあるのです。そしてある日、突然、課題を解決するためのひらめきが生まれます。シャワーの最中や、運転中、眠りに落ちかけているときになどに面白いアイデアが浮かんでくるのです。
第7感の第3の要素「突然のひらめき」が生まれると、「何をすればいいかわかった。ぜひそれをやってみたい」と思うようになります。斬新なアイデアによって、心にスイッチが入るのです。この「決意」という最後の重要なステップによって、私たちはアイデアを実現できるようになります。
天才の閃きを科学的に起こす超、思考法 コロンビア大学ビジネススクール最重要講義 / 原タイトル:The Seventh Sense[本/雑誌] / ウィリアム・ダガン/著 児島修/訳 |
目の前の状況から離れ、オープンマインドを実現しよう!
オープンマインドとは目の前の状況からいったん離れることです。それによって脳は自分の中の情報を組み合わせるための、空間と時間を確保できます。オープンマインドを育むのは簡単ではなく、そのためには精神的な訓練が必要だと著者は指摘します。
オープンマインドは良いアイデアを創出するうえできわめて重要だ。それに、この心の状態になることで、幸福感や健康状態が向上するというメリットもある。 もちろん、集中するのは良いことだ。集中しなければ、人は何も成し遂げられない。しかし、つねに心を何かに集中させていると、オープンマインドの状態にはなれない。そこでおすすめするのが、自分の時間を「フォーカス」と「オープンマインド」の2つに分割する方法だ。
まずはアイデアのための関連する情報をインプットし、その後はオープンマインドによって、別のことをします。ハワード・シュルツやガンジーはそれでスターバックスや独立運動のアイデアを手に入れたのです。1日のなかには、フォーカスとオープンマインドのそれぞれに費やせる時間があるはずです。一週間のなかでも同じで、フォーカスの日とオープンマインドの日を分けることができます。
ネガティブな感情には、不安、嫉妬、恐怖、後悔などさまざまな形態があります。こうした感情が現れると、心がそれにフォーカスしてしまうことがあります。嫌な気持ちをなかなか払拭できず、いつまでもそのことばかりが気になってしまうのです。こうなったら最悪で、マイナス思考で頭がいっぱいになっていると、心はオープンマインドの状態にはなれません。瞑想をしたり、運動することで、自分を取り戻し、オープンな心でアイデアを得るための環境を作り出すのです。私も瞑想を習慣にしていますが、以前よりもネガティブな感情に支配されなくなり、良いアイデアが浮かぶようになりました。
毎日の1%をアイデアに使おう!
実際、私たちの1日の行動のほとんどは、すでに経験済みの行動の繰り返しであり、まったく新しい何かをすることはめったにない。新しい映画を観たり、新しい本を読んだり、新しい人に会ったりすることはしばしばあるが、映画を観る、本を読むと、人と会うといった行動自体は新しいことではない。それゆえ、日常生活の99パーセントは同じ行動を繰り返していればいい。新しいアイデアのための時間は、1パーセントだけあればいいのである。
第1感から第6感までの6つの感覚は「自分はどんな人間を教えてくれるのに対し、第7感は「自分はどんな人間になり得るか」を教えてくれるとウィリアム・ダガンは言います。なりたい自分になるためには、この1%の時間が重要になります。変化したければ、 一年間の1%の60時間を確保すればよいのです。
4つのステップの他に以下の3つのツールを組み合わせることで、目標を達成できるようになります。
●フリー・ユア・マインド
●人生戦略マップ
●アイデア・ネットワーキング
「フリー・ユア・マインド」は、不可能な状況から可能な目標をつくりだし、「やりたいこと」から「できること」へと発想を切り替えるのに役立ちます。「人生戦略マップ」は、人生のさまざまな可能性を探り、幅広い方向性があることを把握できるようになります。 最後の「アイデア・ネットワーキング」は、こうした目標に近づくための予想もしていなかったような方法をたぐり寄せてくれます。自分の課題を解決する人は限られていますから、多くの人を人脈にするのではなく、少数の会うべき人を決め、無駄な時間を使わないようにしましょう。この3つのツールのために自分の1%の時間を使うようにすることで、結果を残すようにすべきです。
第7感は、これら3つのツールすべてと深く関わっている。「歴史の先例」は、可能な行動が何かを(少なくとも部分的に)示してくれる。「オープンマインド」は、チャンスの発見や、必要に応じた目標の軌道修正に役立つ。「突然のひらめき」は、目標を達成するための最適な行動が何かを教えてくれる。「決意」は、前進を続け、直面する問題を解決し、詳細を詰めていくために必要な勇気を与えてくれる。
この4つのステップと3つのツールを使いこなせば、自分の人生を変えられるようになります。実際、私はこの本を読んでから、半年程度経過しましたが、2018年になってから、目標達成のスピードが加速したようです。自分が真の天才になるのは難しいですが、ひらめきを得て、行動を重ねるうちにたいがいの問題を解決できることに気づけました。目標を達成したい人は、ぜひ本書を読んでもらいたいと思います。
まとめ
世の中には多くの課題がありますが、その中には論理的に考えるだけでは無理な問題も存在します。そんな時には第7感を活用すれば、答えが見えてきます。第7感は4つのステップと3つのツールを使いこなすことで生まれます。良いひらめきも効率的に生じさせる方法を本書から学ぶことで、多くの課題を解決できるようになります。
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