仕事の終了時には、必ずエヴァリュエーションをして、「未完了感」を残さないようにします。できたこと、できなかったこと、うまくいったこと、いかなかったこと、すべて、事実は事実として認める。そして、次の仕事に生かせるものは何であるかを整理します。要するに、未来に持っていくものと、持っていかないものを分けるわけです。(伊藤守)
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エヴァリュエーション(事後評価) と新しい目標の設定をセットで行おう!
仕事を完了させることを怠る経営者が多く存在します。経営者はどうしても、未来志向になり、新しいことをやりたがります。しかし、次の行動を起こす前に、一旦プロジェクトの棚卸しをすべきだと、エグゼクティブコーチの伊藤守氏は指摘します。
伊藤氏のひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術 3分間コーチは、部下とのコーチングをわかりやすく解説している良書ですが、経営者向けに使えるメソッドがいくつも紹介されています。その中の一つが、プロジェクトをしっかり完了させることなのです。
ともすると、新しくやることばかりに目が向きますが、ちゃんと終わらせれば確実にエネルギーは上がります。わたしたちを疲れさせるのは、未完了感や気がかりを引きずることだからです。それらを減らせば、それだけでエネルギーは上がります。
終わった業務の棚卸しをすることで、本当にやるべきことが見えてきます。失敗したこと、やるべきではないことがわかれば、それをNOT TO DOリストに書き出しましょう。やらないことを決めることによってはじめて、本当にやるべき重要なことが見えてきます。
社外役員型コーチ(エグゼクティブ・コーチ)はこの視点を持って、業務の完了をサポートすべきです。そして、次に向けての〈ビジョン・メイキング〉を行います。 エヴァリュエーション(事後評価) と新しい目標の設定をセットにすることで、経営の改善を行います。
社外役員型コーチは経営者に、次の仕事のイメージや、ポイント、タスクの優先順位に関する質問を行います。完了とビジョン・メイキングをセットで行うことで、コーチングの効果が上がると著者の伊藤氏は述べています。
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経営者にビジョンとリスクを示そう!
人は、意識するしないにかかわらず、未来にビジョンを描き、それにしたがって行動しています。会社におけるビジョンもあれば、個人としてのビジョンもあります。
経営者は、ビジョンを作り、それを絶えず確認すべきです。例えば、自社の商品が日本中、あるいはニューヨークでもドバイでも売られているビジョンを描けば、積極的に行動できるようになります。逆に、モチベーションやパフォーマンスが落ちているときは、ビジョンが不明確になっていたり、混乱している可能性があります。社外役員型コーチはそんな時に、経営者のミッションを確認すべきです。
では、この〈ビジョン・メーキング〉は、どのように行えばよいのでしょうか?コーチは経営者との会話や問いかけを通じ、さまざまな可能性を思い描くようにします。10年後の会社の未来を質問する、1年後、2年後の会社の姿を確認し、経営者の目を未来に向けさせます。
ビジョンを一度だけ確認するだけでなく、コーチはこのプロセスをなんども繰り返し、経営者のビジョンを明確にすべきです。ビジョンはコミュニケーションによって、鮮明になると言うルールを信じて、 経営者への質問を繰り返しましょう。
社外役員型コーチになりたければ、経営者と伴走しながら、絶えず未来を語るべきです。時にはリスクを指摘しなければなりません。よい話だけでなく、悪い話があれば、それを避けずに話題にすべきです。社外役員型コーチにとって大切なことは、事が起こってからコーチするのではなく、事が起こる前にリスクを予測し、それを経営者に知らせる能力です。自分の知識と体験を全て動員し、直感を信じて、経営者への質問を繰り返しましょう。ビジョンを経営者に確認し、リスクを減らすことで、強い組織が生まれます。
まとめ
社外役員型コーチは エヴァリュエーション(事後評価) と新しい目標の設定をセットにすることで、経営の改善を行います。経営者にビジョンをなんども質問し、確認することで、経営者とメンバーが積極的に動けるようになります。
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