スキル
高瀬敦也
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
本書の要約
スキルは、日常の経験や学びから逐次磨かれるものであり、常に新しい知識や技術の吸収を意識的に行うことが成長の鍵となります。ただ学ぶだけでなく、それをどのように解釈し、どのように活用するかを常に考え直すことが、真のスキルアップへの道です。
どんなことでも考え方を変えれば、スキルにできる!
考え方をアップデートしたら、全部スキルになった。(高瀬敦也)
スキルとは、「考え方」だとコンテンツプロデューサー・経営者の高瀬敦也氏は指摘します。どんなことでも考え方や捉え方でスキルになります。何かを単に経験するだけでなく、それを明確に言語化し、自分なりの理解として定着させる時、その経験は真のスキルへと昇華されるのです。
私たちはビジネスを成功させるために、さまざまなスキルを必要としています。例えば、問題解決力やコミュニケーション能力などです。これらのスキルは、考え方や捉え方によって形成されます。 スキルを身につけるためには、まず自分自身が「なんでもないこと」を言語化し、認識する必要があります。
何気ない日常の中でのひとつの出来事や経験を振り返り、それを言葉で表現することで、スキルは確実にアップします。このプロセスを通じて、自分の考え方や捉え方を明確にすることができます。
そして、その明確化された考え方や捉え方を武器として使い始めると、周囲の人たちは自然と私たちを高く評価してくれます。それは、私たちが持つスキルを認めている証拠です。スキルは、他人との関係を築く上でも重要な要素です。コミュニケーションや協力など、仕事や人間関係においてスキルを活かすことは、成功への道を切り拓くことに繋がります。
スキルは、日常の経験や学びから逐次磨かれるものであり、常に新しい知識や技術の吸収を意識的に行うことが成長の鍵となります。ただ学ぶだけでなく、それをどのように解釈し、どのように活用するかを常に考え直すことが、真のスキルアップへの道です。
この読書ブログを始めてから、私の集中力やアウトプット能力、さらには創造力が飛躍的に向上しました。自分自身の人生を意識的に向上させようという決意と、それに伴う日々の行動が、私のスキルセットを豊かにしてくれているのを実感しています。
著者はスキルを4つのカテゴリーに整理しています。
・人を動かす(情報収集力、市場理解力、やりたいことを言う力、紹介される力など)
・武器を持つ(進行力 、プレゼン力 、営業力、パクる力など)
・身を守る(優先順位力、同時進行力、自分時間を増やす力、投資力、コンプレックス力など)
・自由になる(楽する力、頑張らない力 、ポジショニング力など)
失敗体験が未来を生き抜くスキルを磨いてくれる?
甘えるというのは「私はあなたを必要としています」「あなたと継続的な関係を構築したい」「元々あなたとは良い関係ができていると考えています」という意思表明です。冒頭で「人に甘えるということは、家族や親族、長い付き合いのご近所さんには許されてもビジネスの現場ではあまり使えないと思われている」と言いました。裏を返せば「あなたを親族や馴染みのご近所さんのように親近感を持っています」というラブコールです。
ビジネスの世界で「甘える」という行為は避けるべきだという考えが一般的ですが、これは本当に正しいのでしょうか?実は、甘えることは深い信頼関係が築けている証拠でもあります。良好な人間関係の中で、甘えを許容し合うことは関係の強化につながります。
しかし、ここで大切なのは「甘えること」と「過度に依存すること」の違いを理解することです。 甘えることは、自分の感情や欲求を相手に伝え、それを理解してもらう行為です。それに対し、依存は自分の責任や役割を放棄し、他者にすべてを頼る態度を示すことです。 信頼関係を築くためには、双方がコミュニケーションを大切にし、お互いの感情や考えを尊重することが必要です。相手の意見や感情に耳を傾け、理解し、思いやりをもって接することで、真の信頼関係が生まれます。
甘えることは、自らの限界を知ることでもあります。同時に、他者との繋がりの大切さを感じることもできます。甘えることによって、人と人とのつながりが深まり、その結果、自分自身の心にも安定感が生まれます。これこそが、甘えることの持つ本当の力と言えるでしょう。
著者はメンテナンスしなければ、人脈は腐ると述べています。
人脈は腐ります。少し言葉が強かったかもしれませんが、人脈は永続的に維持されません。人脈は生モノですから、時間がたてば食べられなくなります。
人脈は維持に努力が必要です。この言葉は少し過激かもしれませんが、人脈とは継続的なコミュニケーションやケアが必要な関係性です。放っておけば、徐々にその関係は希薄になってしまいます。まるで新鮮な食材のように、継続的な手間と時間をかけないと、その価値は失われてしまうものです。
では、変化の激しい時代にどういう風に人脈を築けば良いのでしょうか?著者は2つの方法を教えてくれています。
①誰かを追うのではなく「追われる人になること」です。当たり前の話ですが「自分とつながりたい」と多くの人が思ってくれるような人になれば、たくさんの人脈ができます。自分から探す必要もないですし、維持する必要もありません。
②「今、目の前や周囲にいる人を大切にする」ということです。それだけで人脈力が増します。人はつい「身近にある大切なもの」を見落とします。今、自分と一緒に時間を過ごしてくれるビジネスパートナーや同僚やクライアントのことを、今までよりも大切にしてください。もちろん、生理的に合わない人や嫌いな人と付き合う必要はないですが、「身の回りにいてくれる人」のことをとにかく大切にしてください。そういう人たちが自分の大切な「人脈」となります。
「楽をしよう」と考えることは悪いことではありません。イノベーションを生み、生産力を高める上で必要な発想です。「いつか必ず楽になろう」「時間の制約からもストレスからも自由になろう」と考え、自分の存在価値を保持しながら「楽に続けられる状態」へ仕組み化していく。その怠惰かつ力強い意欲が、「楽する力」というスキルです。
楽をすることは怠慢な行為と思われがちですが、実はそれは誤解です。楽をすることは、仕事や生活の効率を上げるためのスキルなのです。例えば、効率的なツールや技術を使って仕事をスムーズに進めることができれば、より多くの時間を自分の成長や創造に使うことができます。
「楽をしよう」と考えることは、怠惰ではなく、自己成長やイノベーションを促進するための必要な思考なのです。効率的に仕事をこなし、ストレスを軽減することで、より充実した人生を送ることができます。楽をすることは、自己の成長や幸福を追求するための大切な手段なのです。
仕事でもなんでも、「無駄だったな」とか「失敗したな」とネガティブに感じる出来事はたくさんありますよね。でも、それは「未来の自分を形成する、その道筋に誘導するヒントなんだ」となれば、大事な時間や経験と思えるわけです。
失敗や無駄な出来事は、私たちが成長するための貴重な経験です。例えば、仕事でのミスやプロジェクトの失敗は、次回同じような状況に遭遇した際に同じミスを繰り返さないための学びとなります。また、無駄な時間や労力を費やした経験は、効率的な方法やプロセスを見つけるための手掛かりとなるのです。
私自身も、仕事や日常生活で何度もとんでもない失敗や無駄な経験を経験してきました。当時はネガティブに感じることもありましたが、後に振り返るとそれらの失敗経験が私の成長につながっていたことに気付きました。失敗や無駄な経験から学んだことやご縁は、私の未来の道筋を形成し、より良い結果を生み出すためのヒントとなっています。
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