世界最高峰の研究者たちが予測する未来 (山本康正)の書評

silver iPhone X floating over open palm

世界最高峰の研究者たちが予測する未来
山本康正
SBクリエイティブ

本書の要約

アップルは、金融サービスを提供することによって、顧客体験をアップさせることを重視しています。そのため、利用料を他社のサービスと比べて安く設定することで、より多くの人々に利用してもらうことを目指しています。また、利用料を無料にすることで、アップルの金融サービスをより多くの人々に提供することも可能です。

アップルが変える金融の未来

アップル銀行が日本でサービスをスタートすれば、おそらく多くの若者が一般的な銀行ではなく、アップル銀行を選ぶでしょう。理由は明白、若者の多くがiPhoneユーザーだからです。(山本康正)

現代のビジネス環境では、業界の境界が徐々に曖昧になってきており、これらの企業が持つデータ分析能力は、顧客のニーズや行動を深く理解し、それに基づいたパーソナライズされたサービスを提供する強みとなっています。さらに、テック企業の特長とも言える迅速な変革への適応能力は、従来の金融業界にはない新しい価値を生む要因となっています。

以下、テック企業の優位性をまとめます。
・データの力
テック企業は、既に取得・蓄積している巨大なユーザーデータを利用して、カスタマイズされた金融サービスや製品を提供することができます。このデータの活用は、消費者のニーズに的確に応えることができ、新規顧客獲得や既存顧客との関係強化に貢献します。

・デジタル技術の進化
スマートフォンの普及やAI、ブロックチェーン技術の進化は、金融サービスのデジタル化を促進しています。テック企業はこれらの技術を駆使し、従来の金融機関よりも手軽で効率的なサービスを提供することが可能です。

・信用の確立
グローバルなテック企業は、すでに確固たるブランドイメージや信頼を築いています。これにより、新規に金融サービスを開始しても、多くのユーザーが安心してそのサービスを利用することができます。

・利便性とアクセシビリティ
テック企業が提供するデジタルベースの金融サービスは、24時間365日利用可能で、物理的な支店に足を運ぶ必要がありません。これは特に若い世代やデジタルネイティブにとって魅力的です。

・規制環境の変化
一部の国や地域では、金融のデジタル化やイノベーションを奨励するための規制緩和が進められています。このような規制の変化も、テック企業の金融分野への進出を後押ししています。

アップルは世界的に有名なテクノロジー企業であり、その製品であるiPhoneは若者を中心に非常に人気があります。そのため、アップルが銀行サービスを提供するとなれば、多くの若者が興味を持ち、利用する可能性が高いと著者は指摘します。

これまでの日本では、銀行口座の開設には数日かかっていましたが、アップルの新サービスではわずか30秒で開設が可能です。その秘密は、アップルが提供する高セキュリティなスマートフォンとクレジットカードを組み合わせた仕組みにあります。

スマートフォンは個人情報の塊であり、指紋認証などのセキュリティ機能が備わっています。そのため、個人認証の信頼性も非常に高いです。アップルのスマホ銀行では、申込者はソーシャルセキュリティーナンバーを入力し、規約に同意するだけで口座開設が完了します。

また、アップルは金融大手のゴールドマン・サックスと提携しており、アメリカでは年利4.15%の利率を提供しています。この新しいサービスにより、スマートフォンを通じて簡単かつ安全に銀行取引が行えるようになりました。アップルのスマホ銀行は、金融業界においても注目される存在となっています。

この4.15%という金利は非常に高いため、若者にとっては魅力的な選択肢となります。一般的な銀行の預金金利が低い中、アップル銀行の高い金利は若者にとっては大きなメリットとなるでしょう。

さらに、アップル銀行はアップルの他のサービスとの連携も進めることが予想されます。例えば、アップルカードやApple Payとの連携により、より便利な銀行サービスを提供できる可能性があります。これにより、若者は一つのアプリやデバイスでさまざまな金融サービスを利用することができ、利便性が向上するでしょう。

ただし、アップル銀行が日本でサービスを開始するかどうかは現時点では不明です。また、アップル銀行が提供するサービスや条件、日本国内での展開計画についても詳細は不明です。したがって、具体的な情報が明らかになるまでは、アップル銀行が日本の若者にどのような影響をもたらすのかは確定的ではありません。

しかし、アップルのブランド力や高い金利などの要素を考えると、多くの若者がアップル銀行を選ぶ可能性は高いと言えるでしょう。アップル銀行が日本でサービスをスタートすれば、日本の銀行業界においても新たな競争相手となり、サービスの向上や金利の競争が進むかもしれません。それにより、若者を中心に銀行選びの選択肢が広がることで、より良い金融サービスが提供される可能性もあります。

顧客体験を高めながら成長するアップル経済圏とは?

スマホに蓄積された多くの情報を活用することで、株式投資も含め、金融機関やファイナンシャルプランナーが提供しているような、資産運用やポートフォリオの分析などの金融サービスを、アップルが提供してくることはあり得ます。  

スマートフォンが私たちの生活においてますます重要な存在となりつつあります。本人確認を含めて、スマートフォンが最大の生活インフラとして機能するようになれば、銀行口座に限らず、あらゆる金融サービスがスマートフォンに取り込まれていくでしょう。

例えば、証券や保険など、口座やサービスの開始に本人確認が必要なものは、スマートフォンで利用することが便利で楽です。スマートフォンを利用すれば、わずか数十秒で開設が可能な場合もあります。これにより、ユーザーにとっても業者側にとっても利便性が高まります。

しかし、このような流れにより、証券や銀行など、単体で金融関連のサービスを展開している企業は淘汰される可能性が高まっています。多くの金融機関や証券会社は手数料で儲けていますが、アップルなどの大手企業が手数料を無料にするサービスを展開することも考えられます。

アップルは、金融サービスの利用料を安く、もしくは無料にすることによって、顧客の囲い込みやアップル経済圏の構築を目指しています。これにより、顧客はより多くのアップルのサービスを利用することができるだけでなく、アップルも顧客の数を増やすことができます。

アップルは、金融サービスを提供することによって、顧客体験をアップさせることを重視しています。そのため、利用料を他社のサービスと比べて安く設定することで、より多くの人々に利用してもらうことを目指しています。また、利用料を無料にすることで、アップルの金融サービスをより多くの人々に提供することも可能です。

アップルは、金融サービスを通じて顧客との関係を深めることで、より多くの情報を得ることができます。顧客の利用履歴や嗜好を把握することで、アップルは顧客に合ったサービスや商品を提供することができます。これにより、顧客はより満足度の高い体験を得ることができます。

アップルの金融サービスの利用料の安さや無料提供は、競争力を高めるための戦略でもあります。他社と比べて利用料が安いことで、顧客はアップルの金融サービスを選ぶ傾向が高まります。また、利用料を無料にすることで、他社との差別化を図ることもできます。

日本では、ポイント制度が非常に人気です。例えば、クレジットカードやポイントカードの利用が一般的であり、特にスマートフォンの購入においてもポイントが大きな魅力となっています。その中でも、iPhoneは特にポイントを重視する日本人のニーズに合致していると言えます。

特に、Apple Cardはそのポイント制度が非常に魅力的です。利用したお金に対してキャッシュバックポイントが還元されるため、購入時にポイントをためることができます。さらに、このポイントはアップルの貯蓄口座に自動的に還元されるため、手続きが煩雑ではありません。

Apple Cardのポイント制度は、日本人の節約志向やポイントをためることに対する意識の高さと相まって、iPhoneの人気をますます高めるはずです。その結果、楽天やポンタなどの経済圏にも影響を及ぼすはずです。

今日はアップルを中心に金融の未来を紹介しましたが、今後は金融だけでなく、あらゆる業界がテクノロジーによって変化を余儀なくされています。経営陣はAIなどのテクノロジーに真摯に向き合い、取り入れる必要があります。そうしなければ、アメリカのGAFAやベンチャー企業によってディスラプトされてしまう可能性があります。

実際、製造業、建築・不動産、製薬・医療業界などの著者が予測する未来を見ると、変化が避けられないことが理解できます。テクノロジーの進化はあらゆる業界に大きな変化をもたらしています。経営陣はこれらの変化に真摯に向き合い、テクノロジーを取り入れることで、競争力を維持し、業績向上を実現する必要があります。変化を避けることはできませんが、変化に適応し、進化していくことが重要です。


この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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