最適脳:6つの脳内物質で人生を変える
デヴィッド・JP・フィリップス
新潮社
最適脳:6つの脳内物質で人生を変える (デヴィッド・JP・フィリップス)の要約
人間の感情や行動に深い影響を与える6つの脳内物質によって、幸福度を高められます。「天使のカクテル」の基本的な成分は、しっかりとした睡眠、健康的な食事、定期的な運動、そして毎日の瞑想に集約されます。これらは単に心地よい感情を享受するためだけではなく、身体と心の健康を維持するためにも非常に重要です。
人間の感情や行動に深い影響を与える6つの脳内物質とは?
脳内物質自体は何百種類と存在するのに、なぜこの本では6種類に限定したのか。それは私に譲れない条件があったからだ。効果をすぐに感じられること、望んだ時に自分でつくれること、それも簡単で実際的な方法によってつくれることの3点だ。 (デヴィッド・JP・フィリップス)
最適脳:6つの脳内物質で人生を変える、はコミュニケーションを専門とする世界的講師のデヴィッド・JP・フィリップスによって書かれた書籍で、人間の感情や行動に深い影響を与える6つの脳内物質—ドーパミン、オキシトシン、セロトニン、コルチゾール、テストステロン、エンドルフィン—にスポットを当てています。
各物質がどのように私たちの日常生活や決断に作用するのか、科学的な根拠をもとに詳細に説明されており、それぞれの物質がどのようにバランスをとり、どのようにしてそのバランスを最適化するかの具体的な方法が提案されています。
フィリップスは、これらの脳内物質が私たちの幸福感やストレスへの耐性、さらには対人関係や仕事の効率に至るまで、日常生活の様々な側面にどのように影響を及ぼしているかを掘り下げています。
ドーパミン、オキシトシン、セロトニン、コルチゾール、テストステロン、エンドルフィンは私たちの脳内で重要な役割を果たす物質です。ドーパミンは達成感や喜びをもたらし、オキシトシンは愛情や信頼感を生み出し、人間関係を深める役割を担います。
セロトニンは幸福感や心の安定を促し、コルチゾールはストレスホルモンとして知られ、適切な量であれば重要ですが、過剰なストレスは健康や心のバランスに悪影響を及ぼします。また、テストステロンは自信や行動力を促進し、エンドルフィンは痛みを和らげます。
これらの脳内物質は、私たちの行動や感情に影響を与えるだけでなく、自分でコントロールすることも可能です。たとえば、運動やコミュニケーションを通じてエンドルフィンやオキシトシンの分泌を促進できます。また、ポジティブな思考や目標の達成はドーパミンやセロトニンのレベルを高め、より良い心の状態を築きます。こうした努力により、幸福で充実した日々を送ることができるでしょう。
今日はドーパミンとオキシトシンを「幸せカクテル」という視点から考えてみたいと思います。
悪魔のカクテルと天使のカクテル
長期にわたるストレスは、私たちの日々を心配や落胆、不満で満たし、人生を暗く感じさせます。喜びの感覚が乏しくなり、日々が繰り返しの連続で、まるでガラスケースに閉じ込められたような感覚に陥ることもあります。
こうした感情の連続は、「悪魔のカクテル」と呼ばれる状態へと導かれ、最終的には慢性的なうつ状態へと移行する可能性があります。 この「悪魔のカクテル」に陥る主な3つの理由は次の通りです。
①感情の教育の欠如
私たちは学校で感情の知識を十分に学ばず、感情がどのように働き、どのようにコントロールするかを理解していません。感情は私たちの言動に大きく影響するため、この知識は他のどの科目よりも重要です。
②成功の金銭的定義
社会は成功を金銭で測定し、常に頑張ることを奨励しますが、これが休息の重要性を無視させます。
③他人との比較
友人や同僚がストレスを感じている状況を目にすることで、無意識のうちに彼らを真似してしまいがちです。
一方で、「天使のカクテル」と呼ばれるものは、生活を豊かにするドーパミンで構成されています。このカクテルには2種類のドーパミンが含まれています。1つ目の「クイック・ドーパミン」は、甘いものを食べることやスマートフォンをいじることから瞬時に得られるものですが、長期的にはあまり役立ちません。
2つ目の「スロー・ドーパミン」は、新しいことを学んだり、運動したり、創造的な活動をしたりすることから得られ、持続的な満足感をもたらします。
スロー・ドーパミンの利点を最大限に生かすためには、定期的な小さな目標を設定し、それらを達成することで自然とその欲求が高まります。さらに、感情的な動機を見つけ、ビジョンボードを作成することや冷水浴を試みること、挑戦を成長の機会と捉えることも助けになります。これらの方法は、日常生活に「天使のカクテル」を取り入れ、より充実した人生を送る手助けとなるでしょう。
道で知らない人に突然ハグをしてもオキシトシンが増えたり、信頼や思いやり、連帯感や寛容さが生まれたりするわけではない。しかし友人をぎゅっと抱きしめれば信頼、思いやり、連帯感、寛容さが生まれる。つまりオキシトシンとは状況に左右される存在で、人と人との間で段階を経て培われていく。
最も人気のある人とは、オキシトシンを分泌させる人です。これは、相手の話を積極的に聞き、心配を共有し、思いやりを持って接する人のことを指します。そのような人々には自然と敬意を払い、忘れることなく気を配るものです。
また、困った時に本気で相談に乗ってくれる友人がいるかを考えてみると良いでしょう。
そのような人を思い浮かべるだけで、思わず笑顔になることでしょう。
大自然の壮大さに畏敬の念を抱き、毎朝意識的に感謝の気持ちを持つことで、オキシトシンの分泌を促進し、その効果を一日中持続させることが可能です。私も感謝日記を習慣化することで、幸せな時間を増やせました。 オキシトシンを分泌させる行動には、人との触れ合い、心を開く、共有する、対話する、気遣い、助け合うといったものがあります。
特に、家族の待つ家に帰る時やデートの前、上司や部下との面談を控えた時など、心からその場を満喫したい瞬間には、人への共感や感情移入が非常に重要です。
そんな時に、著者はホ・オポノポノの4つの言葉を唱えるとよいと言います。
・ごめんなさい(I’m sorry)
・許してください(Please forgive me)
・ありがとうございます(Thank you)
・愛しています(I love you)
また、親愛の念や仲間意識を呼び覚ますような写真をスマートフォンで見ることで、オキシトシンの量を「天使のカクテル」として増やすことができます。これにより、ポジティブな感情をより豊かに感じることができるでしょう。
オキシトシンは愛情、信頼、親密さを促進するホルモンであり、心の安定や幸福感に関連していることが知られています。感謝の気持ちを持つことは、日常生活において心のバランスを整え、人間関係をより豊かにする効果があると言えます。
一方で、忙しい現代社会では感謝の気持ちを持つことが忘れがちになりがちです。そのため、意識的に感謝の瞬間を作り出すことが重要となります。幸せな時間を増やすために、日々の生活の中で感謝の気持ちを大切にし、オキシトシンの効果を最大限に活用していきましょう。
「天使のカクテル」の基本的な成分は、しっかりとした睡眠、健康的な食事、定期的な運動、そして毎日の瞑想に集約されます。これらは単に心地よい感情を享受するためだけではなく、身体と心の健康を維持するためにも非常に重要です。
適切な睡眠は体をリフレッシュし、疲労を和らげ、ストレスを軽減します。健康的な食事は栄養のバランスを整え、免疫力を向上させます。適度な運動は体力を保持し、血流を促進し、心臓や血管の健康を支えます。瞑想は心を落ち着かせ、ストレスを管理し、集中力や心の安定を高めるのに役立ちます。
これらの要素を日々の生活に組み込むことで、心地よいカクテルタイムだけでなく、健康で充実した日常を送ることが可能になります。したがって、「天使のカクテル」の基材は、単に楽しむためだけではなく、生活全体を見つめ直す機会を提供する重要な要素と言えるでしょう。
最高の自分になること。自分が最高の気分になれる行動や考えを選ぶこと。その状態になれば、あとは何でも達成できる。
本書は、科学的な知見を基にしながらも、読者が自らの生活を改善するための実用的なアドバイスを提供しており、脳科学に基づく自己改善を求める人々にとって貴重なリソースとなっています。 特に、ストレスの管理、感情のコントロール、人間関係の向上、生産性の増加など、具体的な生活の質の向上を目指す人々にとって、この本は価値があります。
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