人は、ただ安いからというだけでモノを選んでいるわけではありません。大切なことやものには、しっかりとお金をかけたいと思っているのです。(石原明)
絶対儲かる「値上げ」のしくみ、教えます(石原明著)を読むと
日本の経営者の問題点が、浮き彫りになります。
実は、多くの消費者が、良いものにはお金を払っていよい考えているにも関わらず
経営者自らが値下げの罠にはまり、自分の首を苦しめているのです。
今は値下げではなく、値上げを選択すべきなのです。
現在の企業の多くは、デフレ不況下での値下げ、値引き、安売りで、販売する商品やサービスの価値よりも、はるかに低い値段で売っている状況です。それを本来の値段に戻すことが、私が勧める「値上げ」の本当の意図なのです。安く売ることは、品質やサービスの悪さの裏返しでもあり、逆に、高く売ることは品質やサービスの良さの保証ともなります。そのものの価値に見合った値段であれば、たとえ他社よりも高く売っていたとしても、お客様はその分、安心して、喜んで買ってくれます。
著者の石原氏は、今こそ値上げをすべきだと本書で熱く語っています。
多くの企業は商品やサービスの値段を上げると
高収益体質に変わり、適正な利益が得られるようになるのです。
資金繰りから解放されたり、仕事の絶対量が減り、社内にも余裕が生まれます。
質の高い限られたお客さまを相手にすることで、サービスも向上します。
高い商品を売ることで、社員は自社の製品やサービスに誇りを持て
生き甲斐を感じるようになり、会社の雰囲気を明るくできるのです。
また、値上げをすることによって、お客様が減ってしまうことはまったくなく
ほとんどの企業で売上と収益が向上すると石原氏は指摘します。
日本人の消費を4つに分けて考えてみれば
誰をターゲットにしたどんな消費を狙えばよいかがわかります。
■「安いから買う」消費
■「高いから安心、信頼が置ける」消費
■「モノではなく、コトを買う」消費
■「自分らしさを買う」消費
最近、話題になっているコト消費や自分らしい消費に
多くの日本人は、実際お金を使っています。
自社のストーリーや強みを明らかにして
顧客に伝える努力を続ければ、値段を上げられるのです。
富裕層や自分らしい消費をしたいターゲットに自社の商品が刺されば
値上げをしても、全く問題はないのです。
値決めをする際には、他社との比較をすることで、自社のポジションが確認できます。
「比較」は自社の商品なりサービスをマーケットのどの位置に届けるかという判断の目安であり、高く売るための要素と考えるべきです。
手間暇をかけている、長い歴史を持つ、代々続いている
メンテナンスがよいなど競合に勝てるポイントをストーリー化できれば
実際、価格を上げられるはずです。
価値を高められれば、競合より安売りする必要はないですし、値段を高くできます。
自社の強みを見出し、ストーリーにして語るなど
競合に勝つための価値を考えられる経営者こそが、勝てる経営者なのです。
他社より10倍高い価格を付けて業界ナンバー1を狙ったり
他社より少し上位の商品群を作って、ちょっと違ったものが欲しい顧客を取り込むなど
競合との比較から価格戦略を考えるなどのアイデアはとても参考になりま
80円から250円に値上げし利益を8倍近くに上げた「あげまんじゅう」や
半年間60万円のコンサルフィーを10倍の600万円にした人材コンサルなど
本書に書かれている事例を読むと、値上げをどうすればよいかがわかります。
値下げの誘惑に負けずに、値上げすることが企業を強くするのです。
自社を強くするための値上げを検討することで、自社の棚卸ができます。
ここから思わぬ強みが見つかり、企業はどんどん強くなります。
また、客層が変わり利益が上がることで、経営者は次なる一手が打てるようになります。
適正価格の設定の仕方や成功事例の詳細は、本書をご確認ください。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
photo credit: clementines via photopin (license)
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