サブスクリプション時代のマーケターに必要なこと!

サブスクリプションサービスでは顧客は使った分だけ支払うので、パッケージ化された商品の販売や1度限りの販売に比べるとわずかな売り上げにしかならない。だが、顧客が解約しなければ、クロスセルやアップセルをかけなくても、顧客生涯価値は増していく。

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サブスクリプション時代のマーケターの仕事とは?

アン・H・ジャンザーサブスクリプション・マーケティング書評ブログを続けます。サブスクリプションモデルでサービスを提供していると、会社の売り上げがサブスクリプションサービスで占められる割合が増えていきます。前回アドビの事例を書きましたが、この数年でその割合は8割程度になっています。

顧客がチャーンせずに、新規顧客が増えれば、会社の成長が続きます。

契約をとることばかり考えていると大局を見失ってしまう。 サブスクリプション型ビジネスのマーケターとして意味のある仕事をするには、収益の推移を注視し、契約後のマーケティングに力を入れなければならない。

サブスクリション時代のマーケターの仕事は、見込み客の獲得だけではありません。会社の長期的成功は既存顧客(継続的な安定した収益)との関係構築であり、彼らをサポートする必要があります。 今までのナーチャリング設計をファネル型からホルン型に変える必要があると著者は指摘します。

既存顧客をファンにし、彼らの声(VOC)をマーケティングに活用し、チャーンレート(解約率)を下げる必要があります。また、良い口コミをコンテンツ化し、ソーシャルメディアで拡散したり、マスメディアで記事化できれば、新規顧客を獲得できるようになります。

 

マーケターはサブスクリプション・モデルをしっかりと数字でとらえよう!

マーケターは、自らのマーケティング活動が会社にどれほどの利益をもたらすかも理解しておく必要があります。サブスクリプションビジネスでは何に労力とお金をつぎ込むべきか、それを判断するために、次の点について考えるようにしましょう。
・顧客を1人獲得するための平均コストはいくらか。
成約に至るまのマーケティングや営業にいくらお金がかかるのか。
・契約者1人当たり収益(ARPA Average Revenue per Account)はいくらか。
・顧客を維持するのにかかるコストは。
・顧客の獲得に要した費用を回収して利益を得るまでにどれだけの時間を要するか。契約更新が何回必要か。
・平均的な顧客はどれほどの期間サービスを利用し契約を更新するか
・現在のチャーンレート(解約率)はいくらか?

顧客の獲得や維持に要する費用を考えると、最初の契約時に1年分の料金が支払われたとしても利益がでることはほとんどありません。顧客の獲得コストが100ドルであれば、サブスクリプションの料金が月額5ドルであった場合、獲得費用の元をとるだけで20カ月の時間がかかります。

サブスクリプションビジネスを始めるとき、多くの企業はすぐに顧客を増やすことばかり考える。そうなるのはわかる。しかし、初期の段階というのは、顧客と長期的関係を保つための基礎を固める絶好の機会である。

既存の顧客が今どれだけの収入をもたらしているかだけでなく収益機会も考慮し、マーケティングにはそれに見合うお金と労力を投じなければならないのです。

将来いくらの収入が見込めるかは、顧客にどれくらいの期間サービスを利用してもらえそうかを考えて、計算しましょう。 その際、チャーン(解約、離脱)が重要な指標になります。チャーンレートが高い場合には、その要因を把握し、改善策を全ての組織でかんがるようにすべきです。
■商品設計
■商品の届け方
■商品の品質や使い勝手
■マーケティング活動
マーケティングチームが適切な顧客とは言えないような人々を引き込んだり、成約後の顧客サービスが十分行われていなければ、解約率はアップします。

顧客との関係を強化するために、マーケティング・チームは以下の活動を行うようにすべきです。
・販売(登録、あるいは契約)前に価値を実証し、信頼を得る。
・契約後は、価値の育成と信頼の維持に努める。

このタスク(顧客との関係構築)はマーケターだけでなく、全社を挙げて取り組まなければなりません。マーケティング、カスタマーサクセス、カスタマーサポート、営業、サービスなどさまざまな部門間の協力があってはじめて、顧客との関係を強化でき、長期的に売上が上がるようになります。 

顧客を最初に獲得したときとまったく同じことをして顧客を満足させる。顧客のニーズに応えることで顧客を獲得する。顧客は常に満足させなければならない。(デビッド・マーマン・スコット)

サブスクリプションモデルでは長期的な収益を得ることが可能になります。従って、マーケターは契約をとることから顧客との関係を築くことに重点を移さなければならないのです。

まとめ

サブスクリプション時代のマーケターは、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との関係を構築しなければなりません。彼らをファンにすることで、チャーンレートが下がる、アップセルやクロスセルが可能になる、口コミから新規顧客が獲得できるようになるのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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