夢を持つと、苦難を乗り越える力が湧いてくる。(ハインリヒ・シュリーマン)
ナチュラル・ボーン・ヒーローズ―人類が失った”野生”のスキルをめぐる冒険の中に
考古学者のシュリーマンの話が出てきます。
考古学者になる前の彼の体験を読むと、目標の重要性を理解できます。
本書から、以下引用します。
1830年代、ドイツに暮らしていた十代のシュリーマンは、弱い肺を治したくて南米へ向かう船の水夫として働くことにした。船はオランダの沖合で沈没し、シュリーマンは命からがら岸に泳ぎついた。病弱で極貧の彼は暖房のない倉庫に寝泊まりし、昼間はオランダ人商人の伝言係として働いた。夜は死にもの狂いで勉強して、22歳になるころには簿記と7ヶ国語を習得していた。33歳までに自分の会社を起こし、なんと15ヶ国語を話せるようになった。とにかく蓄財に熱心で、兄の遺体を引き取るためサンフランシスコに短期滞在したときは、金の採掘のことを知ってすぐにフロンティア向けの貯蓄貸付組合を設立し、またひと山、ポケットに現金を詰めこんで帰ってきた。だが、シュリーマンが心から愛していたのは古代の文化で、なかでもギリシャの古典はなぜかずっと彼の心に引っかかっていた。
そして、稼いだお金で、夢を次々実現していくのです。
清や幕末の日本などに世界旅行に訪れた後
ギリシャ神話に登場する伝説の都市「トロイア」を発掘し
古代ギリシアの先史時代の存在を明らかにしていくのです。
病弱で貧しかったハンディをものともせず、勉学を続け
自分の才覚で巨万の富を得た後も、自分の夢にチャレンジしていく姿は素晴らしいです。
彼には冒頭の言葉以外にもいくつも名言があります。
みじめな境遇と、努力すればそこから抜け出せるというたしかな見通しほど、勉学に拍車をかけるものはない。
私はシュリーマンが貧困から抜け出すために意志を固め
語学や簿記を勉強したことを尊敬します。
言語を操れることが成功の秘訣だと信じて、次々に外国語を習得していくのです。
驚くことに、シュリーマンは、それをほぼ独学で行っていくのです。
彼は隙間時間を徹底的に活用します。
記憶力は少年時代からほとんど訓練しなかったから弱かったけれど、あらゆる時間を勉学のために利用した。
次々夢を叶えるシュリーマンは、世界を旅することと
子供の時に聞いたギリシャ神話の存在を明らかにするという大きな目標を設定し
それに向かって、努力を重ねていきます。
私は世界を見たいという大きな望みを持っている。
今とは違い、まだ、飛行機もなく、宿泊施設も完備していない中
中国、インド、そして150年前には日本にも訪れているのです。
まだ、日本が欧米人のブームになっていない1865年というタイミングで
彼は来日し、横浜、江戸、八王子を旅します。
幕末のシュリーマンの手記から、私たちは当時の日本の様子を知ることができます。
また、彼の好奇心の力によって
幕末の日本人の生活や武士のプライドの高さを世界の人々に知ってもらえたのです。
彼の次の言葉を読むと、人生のルールが理解できます。
目的の大きさに比例して努力・精進しなければならいのは、人生の鉄則だ。
一つの目標を達成すると、次の目標が見えてきます。
それを達成するためには、さらなる精進が必要になります。
勉学で貧困を抜け出し、夢を次々叶えていったシュリーマンの言葉と行動から
私たちは多くのことを学べます。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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