自分の幸福論を構築するには、世の中をどのように把握し、それに対して自分の人生をどのようにとらえるかが重要になる。「人生のとらえ方」とは、いわば人生の幸福の実現のためにどういうテーマを持ち、どういうベクトルに向かって進んでいくかということだ。幸福という定義を自分で決め、現在の自分がどの地点にいて、どちらの方角を目指し、どこまで達成すればいいのかということまで、すべて自分で決めていかねばならない。(藤原和博)
本を読む人だけが手にするもの(藤原和博著)を読むと
読書のバリューを知るだけでなく、自分の人生をハッピーにする方法も手に入れられます。
以前の日本では、幸福のカタチは定型でみんな一緒でした。
郊外に家を立て、定年まで働き、退職金を得るというシンプルなストーリーでしたが
もはや、そんな紋切り的な幸せはありません。
21世紀は、ひとりひとりが幸福を作り出す時代となり
以前と違って、幸せになるための定番ルールは存在しないのです。
自分の幸福論は、自分で生み出さなければいけない時代になったため
幸せになるために、多くの人がもがいています。
藤原氏は、30代から読書を始め、読書で幸せになれると気づけました。
その体験が、赤裸々に書かれていますが、本書が面白いのは
藤原氏の個人的な体験だけでなく、彼が校長を勤めた和田中学の生徒の変化も読めることです。
朝の読書やアウトプットによって、子供たちも成長していたのです。
しかし、読書の現実は厳しく、読書を習慣にする人が、日本ではどんどん減少しています。
月に本を一冊も読まない人が約半分に達するなど、活字を読まない人が増えているのです。
スマホやネットで情報集するのは、確かに便利ですが、これだけでは人は変われません。
スマホやネットがあれば十分だと反論する人がいると思いますが
本と比較するとネットの情報はストーリーが短く
また、表面的なものが多いため、論理的な力は養えないのです。
本の抜粋記事を読めるのは、確かに便利ですが、これだけでは想像力が働きません。
もし、本を読む人が減っていけば、日本には新たな階層社会ができそうです。
今後、「本を読む習慣のある人」と「本を読む習慣のない人」に二分され
前者になることで、幸せになれる可能性が高まるというのが本書の主張です。
藤原氏は本を多読することで、著者の脳を味方につけられると言います。
この蓄積が、脳をどんどんクリエイティブに変えていくのです。
自分の脳に他者の知恵をどんどん取り組み、自分の世界感を構築することで
世界を複合的に見られるようになり、決断を躊躇しなくなるのです。
その結果、アクティブに行動できるようになり、幸せが引き寄せられてくるのです。
他人の脳のかけらをたくさんつないで世の中に「味方」を増やすことで、夢を実現するときに他者から共感や信頼を得られる人とそうでない人の差だ。周囲から信頼や共感が得られれば、大人として「信任」されたことになる。この信任の総量のことを、私は「クレジット」と呼んでいる。クレジットが高まると自由度が上がり、クレジットが低くなると自由度は下がる。結果的に、クレジットが高まるとあらゆる夢が実現しやすくなる。自分を取り巻く他人や組織や世の中全体からの信頼や共感が厚くなるからだ。そうすれば、多くのチャンスが巡ってくるし、夢を実現させるためのサポートも得られるだろう。読書で、著者の脳をつなげて未来を予測する 読書は、著者の脳のかけらをつなぐ行為だという話をした。
仲間の共感が得られれば、クレジットが高まり、夢が実現しやすくなります。
自分の意志を一生懸命伝えることで、周りに同士が集まってくるのです。
アウトプットを継続していくと、本当に引き寄せが起こるのですが
藤原氏もそのことに触れていたので、とても驚きました。
著者の脳を繋げることで、アイデアも生まれやすくなり
それをアウトプットすることで、チャンスがどんどん増えていくのです。
読書と、遊びと、芸術がキーになり、つながりが生まれてきます。
読書と多くの体験をつなげて、アウトプットすればするほど
エネルギーが高まり、引き寄せが起こりやすくなるのです。
脳内のつながりが回路になり、想いや考えとして結晶し始めると、それが発信機となってある種の電磁波のようなものを発するのではないだろうか。私は、その電磁波に共鳴するものが引き寄せられてくると本気で信じている。何より、人間自体も粒子の集合体だ。原子レベルでは電子が飛び交っている存在なのだから、そういうことがあっても不思議はない。その沈殿している知識や技術や経験のかけらを結びつけるのに、縦糸、横糸、斜めの糸があると私はイメージしている。その糸のことを「触媒」と呼んでもいいだろう。触媒は3種類ある。その1つが「読書」にほかならない。 ただし、読書だけしていればいいとは言わない。ただひたすら本だけ読み続けていても成長することはたぶんない。残りの2つの触媒である「遊び」と「芸術」を体験することではじめて、脳内にいくつもの回路ができ、沈殿している知識や技術や経験のかけらが豊かにつながっていくのだ。つながりができると発する電磁波がより強力になり、より多くの関連したヒトやモノを引き寄せるのだと、私は考えている。
また、藤原氏は教育とは伝染であると以下のように書いています。
教育とは、伝染、感染なのだ。本好きの人は、じつに豊かな表情をして本を読む。静かに読んでいても、その波動は確実に周囲に放たれる。それが子どもたちに伝われば、少なからず影響を受けるはずだ。そこから、本好きな子どもが育つかもしれない。よく研究者や作家の子どもが本好きになりやすいというが、それは家に本がたくさんあるからではない。小さいころから、親が本を読む姿を見ているからだ。子どもにとって最高の教材は、いつも、大人の学ぶ姿なのである。こうしたエピソードは、本を読む習慣を身につけたい大人にもあてはまると思う。
私は本好きなので、子供たちも親が読書をする姿を見て育っています。
おかげさまで、うちの子達は本好きに育ち、いつも楽しそうに読書をしています。
この習慣を大人になっても、続けてもらいたいと思い
いつも本屋に一緒に行くなど、読書のための時間を意識しています。
私たちの大人世代は、子供の目標にならなければなりません。
読書と遊びと芸術を楽しんで、子供たちの見本になりましょう!
最後に読書で鍛えられる力をまとめます。
この力を身につければ、人生を楽しめるようになるはずです。
■コミュニケーションする力
■ロジックする力
■シミュレーションする力
■ロールプレイングする力
■プレゼンテーションする力
■複眼思考(クリティカルシンキング)
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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