これまで一度として、「私が上司の好きなところこは、彼が怒りまくるところ。それで彼がどれだけ私のことを気にかけてくれているかがわかった」「私は彼の短気なところが好きだ。いつも身構えていられるから」などという答えを聞いたことはない。ネガティブな情動は相手に行動を促すかもしれないが、よい刺激を与えることはない。(トニー・シュワルツ)
忙しい社長のための「休む」技術(トニー・シュワルツ著)には
リーダーに関する心構えが書かれてますが、これがとても参考になります。
部下に対するネガティブな発言や強い怒りを示すだけでは、彼らからの信頼を得られません。
刺激だけでは、長期的な成功はもたらされないのです。
信頼されるリーダーになるためには、以下の10の条件を身につけることだと
トニー・シュワルツは本書で紹介しています。
この10の言葉を読むと、部下に勇気を与えること、部下の支えになること
ビジョンや頭脳明晰などが、リーダーに求められていることがわかります。
・励ましてくれる
・刺激を与えてくれる
・親切
・前向き
・冷静
・頭脳明晰
・ビジョンがある
・支えになってくれる
・決断力がある
・公正
怒りとネガティブな情動で部下を管理しようとするリーダーは
社員を病気にする力を持っているそうです。
無意味なパワハラを続ければ、組織が壊れてしまい
結果として、自分や会社をダメにしてしまうのです。
もし、あんなに怒りまくっていなければ、もっと優れたパフォーマンスができただろう。(ジョン・マッケンロー)
ある研究で、2人の上司を持つ医療従事者たちの調査を行ったところ
彼らは片方の上司のことは好きで、もう片方には我慢できないと思っていたそうです。
嫌な上司と一緒に働く日には、血圧が平均して113/75から126/81に上がり
正常値から高血圧に近い状態にまで上がっていました。
別の研究では、上司から不当に批判されていると感じたか
自分の意見に耳を傾けてくれないと感じた部下は
上司が公正に接してくれる、自分たちを気遣ってくれると感じていた部下たちより
冠動脈性疾患にかかる確率が30%も高くなっていたそうです。
パワハラが本当に病気を引きこすのですから、リーダーは注意が必要です。
特に人不足の今は、優秀な人材をパワハラで失うことはリスクになっています。
私たちはリーダーを「最高エネルギー責任者」と考えている。リーダーにとって最も大変な仕事は、部下となる人たちを採用し、動かし、刺激を与え集中させ、彼らのエネルギーを定期的に補充することだ。「ハイ・ポジティブ」のエネルギー状態に持っていくのである。200件以上のリーダーシップ研究についてメタ分析を実施したブルース・アボリオとフレッド・ルーサンズは、継続的に部下にポジティブな影響を与えているリーダーに共通している資質が、1つだけあると結論した。本当に優れたリーダーは、部下が自分ではまだ気づいていない能力を見出すことができる。
リーダーの条件は部下の強みを見つけ、それを引き上げることなのです。
本人も理解していないような強みをリーダーが見つけられれば、組織は活性化します。
部下の強みを組み合わせることができるリーダーが本物のリーダーなのです。
タイトな状況で組織運営を行っているリーダーも、当然、プレッシャーやストレスを感じています。
誰かに怒りを感じながら仕事をしたり、ネガティブな感情を持ち続けると
大事なエネルギーを消耗してしまいます。(サバイバルゾーン)
今すぐ、そのサバイバルゾーンから抜け出さなければなりません。
リーダーが自分の心や体を壊してしまっては、意味がないのですから。(燃えつきゾーン)
定期的にポジティブな情動を得ることが、サバイバルゾーンを避けるための鍵となる。身体エネルギーの蓄えが1日の間に容赦なく減っていくように、私たちが職場で遭遇するような困難な状況は、ポジティブな情動の蓄えも奪っていく。身体エネルギーと情動エネルギーは密接な関係にある。自分の体を大事にするかどうかが。情動にも深い影響を与える。
夜中に目を覚まさずに、ぐっすり眠れた朝は気分がとていいですし
散歩やジムで運動したあとは気持ちもすっきりしています。
ポジティブな情動を再生する最も簡単な方法は
デスクから離れて体を動かすことと疲れた体をしっかり休めることです。
十分な睡眠をとることが生産性をを高めるコツなのです。
また、困難な仕事をやり遂げたり、同僚と楽しく会話を交わすなども効果があります。
ポジティブな情動を育てると、気分よく感じるだけでなく
生活のあらゆる面で生産性や能力を高めるという点でも、私たちのためになるのです。
エネルギーのあるパフオーマンス・ゾーン(冷静・楽観的な状態)と
再生ゾーン(心穏やかな状態)の間をリズミカルに行き来する方法を学び
どんな困難からもすばやく回復できるようにすることで、私たちは強くなれるのです。
この事実に気づいた私は、運動、睡眠、瞑想のサイクルを生活の中に取り入れています。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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