多くの場合、わたしたちが望むのは、考えを聞いてもらい、受け入れてもらうだけでなく、それによって他者が力を貸してくれたり、時間を割いたり、仕事の仕方を変えたりするといった実際の行動を引き起こすことだ。だが、それは簡単なことではない。(キャロライン・ウェッブ)
キャロライン・ウェッブの最高の自分を引き出す 脳が喜ぶ仕事術の中に
人に動いてもらうメソッドが紹介されていました。
人間の脳には、いつものやり方をするネットワークができあがっています。
人間はエネルギーを節約するために、以前と同じ行動を繰り返す傾向にあります。
これまでと違う新しいことをすると考えるだけで、脳は不安を感じます。
不安は脳のエネルギーを消費するため
脳はそれを回避しようとし、人は行動を起こしたくなくなるのです。
しかし、新しい方法を快いと感じさせれば
相手の脳は負担を感じなくなり、協力的になってくれるのです。
ハーバード大学のエレン・ランガーの有名なコピー機の実験が本書で紹介されています。
コピー機の横入りを依頼するという実験で、理由の重要性がわかりました。
「急いでいる」という理由を伝えるだけで、なんと94%の人が順番を譲ってくれたのです。
(理由を伝えない場合は60%に留まります。)
急いでいるという理由が、相手の同情を買ったのです。
ここから、誰かに何かを頼むときは、
簡潔に理由を述べたほうが協力を得られやすいということがわかります。
最高の自分を引き出す 脳が喜ぶ仕事術 [ キャロライン・ウェッブ ] |
また、懸命な選択肢を与えることで、相手が行動する確率を上げることができます。
死後の臓器提供が既定の選択肢に加えられた国は、臓器提供が90%を超え
そうでない国の30%以下という数字のケーススタディを見ると
選択肢のあるなしが行動を左右することがわかります。
著者は、他者に影響を与えたい場合の3つの解決策を紹介しています。
1、障害を取り除く
選択肢を与えることで相手の悩みを解消する。
あるいは何もしないという選択肢を用意する。
2、提案する
具体的な提案をすることで、決断をしやすくする。
数字は自分の望ましい数字を基準にしながら、相手にも無理のない範囲を示す。
3、望ましい結果のための、手がかりを視覚的に用意する
やってほしいことをビジュアルで表現すると行動しやすくなる。
フリーアンサーのアンケート用紙ではなく、好ましい回答を視覚的な表現で用意する。
このように、相手の脳のエネルギーを消費させないことを考えることで
人は協力してくれるようになります。
味方になってもらいたい人がいるのなら、その人に貢献することが早道です。
ペンシルベニア大学の心理学者アダム・グラントは、自分が与える以上のものを相手から手際よく奪う人を「テイカー」と名づけている。あなたがテイカーではないと感じてもらえたら、相手は本能的に喜んでカを貸してくれるだろう。したがって、助けや協力を求める際は次のようにしよう。
まずは、自分が持っているものを与えることを考えるのです。
他者に惜しみなく与えられれば、自分に返って来る可能性が高まります。
メリットを与えること、プラス面を理解してもらうことで
人は動いてくれるようになります。
また、当事者意識を持ってもらうこともポイントになります。
助けをお願いする前に、アドバイスをもらい、上手な質問を繰り返すことで
相手はあなたを応援しようと考えてくれるはずです。
自分の仲間になってもらうようなストーリーを考えると、共感が生まれやすくなります。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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