課外活動を積極的に行っている子どもたちのほうが、課外活動をあまり行っていない子どもたちよりも、学校の成績がよく 、自尊心も高く 、問題を起こすことも少ないなど、さまざまな点で優れていることを示す研究は、枚挙にいとまがない。(アンジェラ・ダックワース)
PDFA習慣術の徳本昌大です。
やり抜く力の書評ブログを続けます。
アンジェラ・ダックワースは、子供を成功させたいなら
課外活動をやらせるべきだといいます。
やり抜く力を鍛えるためには、課外活動で懸命な教師やコーチの指導を受けて
「大変」だけど「楽しい」時間を過ごさせるべきなのです。
そうしなければ、子供たちは無駄なことに時間を費やします。
子供の自主性に任せてることは現代においては、リスクが高いのです。
現在、平均的なアメリカのティーンエイジャーは、テレビやゲームに1日3時間以上も費やしている。さらにSNSをチェックしたり、友だちにペットの猫の動画をメールで送ったり、話題のファッションをチェックしたりしているうちに時間はどんどん過ぎていく。
子供たちにクリエイティブな時間を少しでも過ごさせたいならば
スマホやSNSと距離を置かせることが必要です。
そして、その時間を課外活動に当てさせるのです。
体系的な練習に取り組んで子供のスキルをアップさせるために
子供たちに積極的に課外活動をさせましょう。
やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける / 原タイトル:GRIT[本/雑誌] / アンジェラ・ダックワース/著 神崎朗子/訳 |
コロンビア大学のマーゴ・ガードナーの研究結果を読むと課外活動の効果がわかります。
高校で課外活動を1年以上続けた生徒たちは、大学の卒業率が著しく高いだけでなく
コミュニティのボランティア活動への参加率も高いそうです。
さらに、課外活動を2年以上続けた生徒に限った場合
1週間あたりの課外活動時間数が多かった生徒ほど
就業率も高く、収入も高いことがわかったのです。
学校の成績では、成功はまったく予想できないと著者のアンジェラは指摘しています。
科学者のウォーレン・ウィリンガムは成績と試験のスコア以外に
将来の決め手となることは何かを調査しました。
同じ程度の成績の生徒でも、大人になってから大きな差が出ることから
何が影響するのかをチェックしたのです。
そして、その結果やり抜く力(最後までやり通す項目が高い)がある生徒が
ずばぬけて優秀な結果を残したのです。
その活動はテニスでも生徒会でもディベートでもなんでもよかったのです。
重要なのはやろうと決めたことを1年たってもやめずに翌年も続け
その間に何らかの進歩を遂げたことなのです。
挫けそうになっても、あきらめずに努力を続けるという性格的特徴が重要なのです。
ハーバード大学のビル・フィッツシモンズは
地道な努力が未来を明るくすると指摘しています。
40年以上も入学審査にたずさわってきて思うのは、ほとんどの人は生まれながらにとてつもない可能性を持っているということだ。だから問題は、やり抜く力を発揮して、ひたすら地道な努力を積み重ねることで、その可能性を最大限に生かせるかどうかにかかっているんだ。最後に大きな成功を収めるのは、そういう人たちだからね。
最後に成功をおさめる人はコツコツ型のタイプで
それは高校時代の2年以上の課外活動で養われるのです。
そして、フィッツシモンズは課外活動の効果を以下のように語っています。
活動に取り組んでいくうちに、周りの人から多くのことを学ぶ。いろいろな経験を重ねるうちに、自分にとってなにが重要なのか、その優先順位がわかってくる。そういうなかで人格が育まれる。ときには、学生が親やカウンセラーの勧めで活動を始めるケースもある。しかし、そういう活動をとおして学生たちは重要なことを学ぶし、そこで学んだことはほかでも生きてくる。学生たちがアドバイスにしたがって思い切って活動を始めてみると、親やカウンセラーが思ってもみなかったほど、熱心に取り組むようになるケースも多い。
大変なことに取り組むことで、他の大変なことにも熱心に取り組めるようになり
子供たちの成功する可能性が高まるという本書の考え方は正しそうです。
子供たちに課外活動をさせ、それを続けさせることが親の役目なのだと実感できました。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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