ザカリー・カラベルの経済指標のウソ 世界を動かす数字のデタラメな真実の書評

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私たちは経済指標にも歴史があり、考案された理由があることや長所や短所があることを忘れがちだ。(ザカリー・カラベル)


現代人は経済指標を過信しすぎていないか?

今、私たちが信じている経済指標が実態経済を反映していないと
経済指標のウソの著者のザカリー・カラベルは指摘しています。
本書は経済指標の矛盾を丁寧に解説していますが
私たちが信じている多くの統計数字が
実態経済と大きく乖離している事実に唖然とします。
例えば、2013年にアメリカのGDPが一夜にして4000億ドル拡大しました。
これは経済成長によるものではなく、不意に出現したものだったのです。
以前から存在していた研究開発費が設備投資として認められ
アメリカのGDPを一気に押し上げました。
現在において、もっとも重要であるはずの知的財産が
それまでは軽視されていたのです。
私たちが日々使うiPhoneやレディ・ガガの創造的な取り組みが
この時まで過小評価されていて、アメリカの経済を実際より弱く見せていたのです。
この4000億ドルという数字はなんと世界の約90ヶ国のGDPを上回る数字でした。

産業国家は、サービス業が中心を占める先進経済と、多国籍企業による製品輸出を中心とした新興国経済とに道を譲った。20世紀に考案された統計は、現在をとらえるために設計されたものではない。担当者のたゆまぬ努力にもかかわらず、時代に追いついていないのだ。

20世紀半ばに考案された数々の指標は、その当時としては画期的なものでしたが
私たちが生きている21世紀にそのまま当てはめるのには無理があります。
産業構造が変わっているにも関わらず、実態に追いついていないのです。

主要指標の変遷をたどってみれば、現代をナビゲートするためにこういった指標を用いることは、1950年代の地図を用いて目的地を目指すのと同じだとわかるだろう。たどり着けるかもしれないが、迷う可能性のほうが高い。政府の経済政策が公約どおりの結果を出せない場合が多いのも不思議ではない。古い定式を新しい現実に当てはめているのだから。

指標によって把握される世界は現実とは大きく乖離しています。
過去の常識で設計された経済指標を使って
現在を分析したり、未来について考えるのはとても危険なことです。
ザカリー・カラベルは本書でGDP、失業率、インフレ率や国民総幸福量など
様々な経済指標の歴史を遡りながら、指標の問題点を炙り出しています。

iPhoneによって明らかになるアメリカの貿易赤字の矛盾

例えば、知的財産の塊であるiPhoneについて考えれば
経済指標のおかしさに気づけます。

イノベーションの象徴であり、アメリカで最も優れたイノベーター兼起業家であるスしんせんティーブ・ジョブズが生み出したiPhoneは、貿易赤字を増加させていたのだ。深馴にあるフォックスコン・テクノロジー・グループ(アップル社の中国での主な請負業者)の工場で製造され、アメリカに輸出され、ロングビーチの港に大きなクレーンで荷卸しされるたび、中国からの輸入として計上される。

実は、アメリカのシンボルであるiPhoneは
「最終工程」が中国で行われている為に、中国のGDPに数字が加算されています。
2010年の対中貿易赤字を見れば、その事実に気づけます。
アメリカでiPhoneが1台販売されるたび
中国に対する貿易赤字は229ドル追加されています。
研究開発費がアメリカの数字に組み込まれる2013年まで
アメリカでのアップル社のiPhone販売によって
中国への貿易赤字が毎年60億ドル加わっていたのです。
Apple製品だけでこれだけの貿易赤字を引き起こしていたのですから
アメリカ企業が中国で製造する多くの製品まで考えると
対中貿易赤字を過信してはいけないことがわかります。
貿易統計が、製品がどのように作られたかを把握できれば
極端な話ですが、中国とのあいだの貿易赤字がなくなります。

まとめ

「経済指標」が正しいとういう認識は捨てましょう。
発表された数字を参考にするのは構いませんが、過信しすぎるのはよくなさそうです。
私たち現代人はインターネットを少し検索するだけで
多くの統計数字にアクセスできます。
その特権をフル活用して、自分の判断基準を作ると良さそうです。
自分の未来を見い出す為に、オープンになった統計数字を活用できるのです。
メディアや政府から発表された数字を鵜呑みにせずに
自分らし基準を持てれば、不安を感じずに、幸せに生きられます。

参考書籍 経済指標のウソ 世界を動かす数字のデタラメな真実

今日もお読みいただき、ありがとうございました!!

    

    

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