脳がきちんと働くには多大なエネルギーを要するー実際、脳は全身のエネルギーの20%を使い果たす。これはほかのどの器官より多い!(デイヴ・アスプリー)
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ミトコンドリアが脳の働きをよくしてくれる!
シリコンバレー式 自分を変える最強の食事のデイヴ・アスプリーの新刊HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術がとても面白かったので、今日はこちらをご紹介します。私たちの脳は日々多大なエネルギーを消費していますが、脳の働きをしっかりと理解していないと疲労を溜め込んでしまいます。著者は異様に疲れる自分をおかしいと思い、自分の脳をよくする方法を徹底的にハックします。そして、比較的簡単なライフスタイルの変更で脳のエネルギーを高められることに気づいたのです。以下簡単に脳をハックする方法を著者のデイブから学ぼうと思います。
私たちは消費しているエネルギーをどこから得ているのでしょうか?当たり前ですが、私たちの体が大切なエネルギーを作っているのです。体のほぼ全細胞の中には、ミトコンドリアというバクテリアの微細な子孫が数百~数千個はありますが、このミトコンドリアが重要な働きをしています。このミトコンドリアの働きを有効にすることで、私たちのパフォーマンスは向上します。ミトコンドリアが効率的にエネルギーを作れば作るほど、心身のパフォーマンスが高まり、自分の脳の働きよくすることができるのです。ミトコンドリアを活性化するなど、以下の4つのステップで「強靱で回復力の高い脳」をつくれるようになります。
1.「脳を弱めること」をやめる
脳のハイリスク要因は、朝食からベッド脇の読書灯まで周囲のそこかしこにあります。こうしたマイナス要因に負けないためには、脳が使い尽くせないほどの量のエネルギーが必要となります。自分のハイリスク要因をさぐりあてて、生活から排除することで、脳エネルギーの蓄えをもっと重要なことに使える状態にしましょう。
2.「もっと多くのエネルギー」を加える
ミトコンドリアがエネルギーを作るには酸素と、さらにグルコース(ブドウ糖)または脂肪(ときにはアミノ酸)が必要になります。ミトコンドリアが最大のパフォーマンスを発揮するためには、戦略的な食事の改善やサプリメントを摂取すべきです。そのために、私たちは満足のいく脂肪をもっと食べなければなりません。
3.エネルギーの「生成と分配の効率」を高める
ミトコンドリアの働きが悪いとするなら、その原因を明らかにすべきです。栄養素や抗酸化物質の不足か、さまざまな毒やストレスや睡眠不足が原因として考えられます。毒素やハイリスク要因をしっかりと取り除き、適切な食事の摂取やライフスタイルの改善を考え、脳の働きをよくしましょう。
4.「ミトコンドリア」を強化する
ミトコンドリアは一般的に「細胞の発電所」と呼ばれています。あなたがパフォーマンスを最大化したければ、この発電所に活躍してもらえばよいのです。これに最も有効な方法の一つは、ミトコンドリアにきっちり正しい量のストレスを与えることです。ウエイトを持ち上げることがストレスとなって筋肉が強化されるのと同じように、正しい量の圧力をかけることで、盛りを過ぎたミトコンドリアを排除し、残りが強くなるように刺激を与えるようにするのです。
HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術 [ デイヴ・アスプリー ] |
脳のためにミトコンドリアを働かせよう!
覚えていてほしい、ミトコンドリアがエネルギーを作るには酸素とえさが必要だ。皮肉なことに、ミトコンドリアの機能が悪くなればなるほど、受け取れる酸素とえさが少なくなる。その結果、ミトコンドリアは脳の要求に充分見合うエネルギーを生成できなくなり、脳が節電モードとなり、それにしたがって脳のパフォーマンスは減退する。悪循環がつづき、パフォーマンスが台なしになる。
エネルギーはダメな食事や不要な灯り、邪魔なノイズによって浪費されます。この浪費が「忘れっぽさ」「渇望」「エネルギー低下」「集中力の欠如」、そして「いらいら」を引き起こします。エネルギーを高めるためには、ミトコンドリアが必要ですが、酸素とエサが不足すれば、ミトコンドリアが作れなくなり、脳は働いてくれなくなるのです。そのために食事や生活習慣を見直さなければなりません。
ミトコンドリアを充実させるためには、可能な限り「最高の栄養」を摂取する必要があります。「血糖値」の安定や「ホルモン値」の最適化、有毒物質の効果的な「解毒」と「回避」など食生活や環境を見直すことも重要です。「適切な運動」と「血行を高める」ことも欠かせません。「良質な太陽光」を浴び、夜の「悪質な光(ブルーライト)」を除いて、人間らしい生活を取り戻し、睡眠の質を高めましょう。
糖と酸化した(損傷した)脂肪が、血中に入ると脳と身体が炎症を起こします。この炎症が、貴重なATPを生成する能力を鈍化させてしまいます。悪い食事が血管の内部を詰まらせ、脳への血流を阻害して、脳の機能をダメにしているのです。高糖質食を与えられたマウスは、ほんの2カ月で認知機能の大幅に低下したという研究結果もあります。過度の糖の摂取は脳を傷つけますが、最も損傷される部分が記憶を司る海馬であることもわかってきました。
逆にオメガ3によって、ミトコンドリアを増やせ、脳を活性化できると著者は述べています。魚油に含まれているDHAやEPA、エゴマや亜麻種子などにこのオメガ3は含まれていますので、油を摂取する際にはこのオメガ3を意識しましょう。
ほかには神経発生率を高められ、新しいニューロンを健康かつ活発に保てる食物もある。オメガ3脂肪酸はとりわけ神経発生率に大きな影響を与える。脳の脂肪の3分の1がオメガ3脂肪酸の一種、DHA(ドコサヘキサエン酸)であり、研究によって、食事中のオメガ3脂肪酸の量を増やした結果、成人期の神経発生が増大することがわかった。
先日バリ島でヒラーに体をチェックしてもらいましたが、私は脳の使いすぎで疲れが溜まっているそうです。またホルモンが不足していると指摘されました。とにかく自然からエネルギーをもらうのとオメガ3を摂取すべきだとアドバイスされましたが、本書を読んでいて、その時の体験を思い出しました。もっともっと自然に触れて、良質な太陽光をもっと浴び、オメガ3を欠かさないようにしたいと思います。
柑橘系の果物や多くの野菜に見られるこの植物成分は、新しいニューロンの生存に不可欠だ。ポリフェノールと呼ばれる植物由来の化学物質もそれで、コーヒー、チョコレート、ブルーベリー、ぶどう、その他の青、赤、オレンジ色の食品に見られる。それどころか僕らが通常捨ててしまうコーヒーの実は、ニューロンの成長のために最もよく研究されているポリフェノールを含んでいる。ポリフェノールはニューロンにとっての奇跡の肥料だ。
「ポリフェノール」は私たちの腸を守り、神経発生の比率を高めます。アポトーシス(細胞死)の働きに役割を果たし、炎症を低減してくれるのです。そして体はこれを吸収するために「脂肪」を求めます。脳のために最も重要な神経伝達物質を作るには、一定の脂肪が必要となるのです。「牛肉」「アーモンド」「卵」「ラム」「天然もののサケ」などに良質な脂肪が含まれていますので、糖分を控え、これらを積極的に食べるようにしたいものです。
まとめ
脳のパフォーマンスをアップするためには、人間らしい生活を取り戻すことと食生活の改善が重要です。良い太陽光を浴び、悪いブルーライトをコントロールするようにしましょう。ポリフェノールの含まれる野菜や果物、オメガ3、良質な脂肪を意識し、糖分を控えるようにするのです。現代人の食事や生活習慣は脳をダメにすると考え、本書のアドバイスを参考にすべきです。
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