大坪勇二氏の40代で後悔しないためのカスを掴まない技術の書評

「カスは徹底して避けるべし」。ここでいうカスは、仕事や人間関係の上で「経験しないで済むならそれに越したことのない、無駄な、あるいは有害な体験や人、モノ」のことをいいます。(大坪勇二)


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大きなカスは致命傷、徹底して避けるべし!

大坪勇二氏の40代で後悔しないためのカスを掴まない技術を読了しました。著者は保険営業マン時代に数多くの人に出会い、多くの学びを得たと言います。それと同時に数えきれない「カス」な体験をしてきたそうです。

自分の過去を振り返ってみると、私もなんどもこの「カス」な体験をして、嫌な目にあってきました。人を見る目が足りずに騙されたり、先輩の忠告を無視して、甘い判断をすることで周りの人に迷惑をかけてきました。その多くの失敗は、眼力を鍛えていれば、防げていたはずです。若い時にこの本を読んでいたら、そのうちのいくつかの失敗は避けられたのに!と言うのが本書を読んだ後の率直な感想です。(ただリスクをとったから、面白いことが起こるのも事実ですから、若い時には小さなカスは積極的に掴みにいきましょう!)

大坪氏は大学時代に海外放浪の旅に出た際に、南米メキシコでとてつもないカスを掴みます。その後の人生でも最初はオオゴケして、散々な目に遭うことが多かったと言います。好奇心旺盛な性格で、まずはチャレンジしてみると言う著者の思考が多くの失敗を引き寄せていますが、大坪氏はその失敗から成功のルールを見つけ、会社経営で成功していきます。

大坪氏はインデペンデントになる人への教訓を紹介しています。私も独立した個人事業主なので、この言葉にはめちゃめちゃ共感を覚えました!

インデペンデントは本来、おカネにせよ時間にせよ非常に貧弱な資源を使い回して最大の成果を上げなくてはいけません。

時間とお金という貴重な資源をしっかりと使いまわすことがインデペンデントには求められます。ここでカスを掴むとあっという間にアウトを宣告されるのがインデペンデントなのです。

逆に言えば、フリーの人たちの貴重な資源を私たちは浪費してはいけないのです。お互いがWinWinになれるような思考スタイルを身につけた人としか、インデペンデントは付き合ってはいけません。カスを見分ける鉄則は、この人は自分の時間を自分が浪費していないか?という質問を心がけることです。

会社を経営し、ビジネスをしているといろんな有象無象が寄ってきます。私は「妖怪アンテナ」ならぬ「カスアンテナ」を目いっぱい伸ばして、全力でカスとそうでないものをより分けていました。なぜなら、この「カス仕分け」こそがサバイバルできるかどうかの分かれ目だったからです。

「カスアンテナ」を鍛え、リスクを減らすのと同時に、カスを掴んだ際の対処法を大坪氏の数々の体験から早速学んでいきましょう!大きなカスを避けなければ、致命傷を負うということをしっかりと認識し、そのための選択眼を養うべきです。

 

カスを掴まないために、選択眼を鍛えよう!

前半は、掴んでも致命傷を負わない程度のカスなら思い切って掴むくらいのリスクは負い、できるだけ短期間に経験値を積むことに集中する。後半は、それまで得た知見を基にしたイノベーションがきっかけで(ただし、何がきっかけになるかは分からない)反撃を開始し、カスを徹底的に回避、当たり案件、当たり人脈にエネルギーと時間、それに資金を集中投入して勝ち越していくというパターンです。

カスを掴みたくないからといって、行動しないのは本末転倒です。多くのチャレンジは成功には欠かせません。特に素晴らしい人に自ら会いに行かなければ、チャンスは訪れないのです。よい人たちに出会うことで内面が変化し、物理的な世界も変わり、結果、豊かな生活が手に入ります。本書はカスを掴まないというタイトルですが、実は内面を鍛え、幸せな成功者になる方法がメインのテーマになっているのです。

心が成長する(WinWinになる)ことで人は豊かになり、カスを掴まなくなります。人生には3つのステージ(修行期、独立期、幸せな成功期)があり、それぞれのステージで出会うカスには特徴があると大坪氏は指摘します
1、修行期 依存体質のため、不必要な出費を重ねたり、時間を無駄にする
2、独立期 付き合うべきではない人とのトラブルやライバルとの消耗戦
3、幸せな成功期 ほとんどカスと出会わない
幸せな成功期は互助の精神を持ち、周りの人に貢献する人だけに訪れます。相手の話を傾聴し、自分の価値を使って他者に貢献できる人のみが、真の意味での豊かさを手に入れられるのです。

自分の行動や習慣に責任を持つこと、目的を持って時間を過ごすこと、要は他人に人生を支配されないことが重要です。以下気になったアドバイスをいくつかピックアップします。

大坪氏は飲み会いう時間泥棒に注意すべきだと書いていますが、私もこの意見には大賛成です。

私は、参加者が①何か目的を持って行動している人たちか、②自分でリスクを取って行動している人たちか、の2つが満たされていない飲み会には基本的に出ないことにしています。それから、今は2次会には行きません。なぜなら、たいていの場合は酔いが回ってきて内容のある会話がなくなり、行く意味があまりなくなるからです。ただ、唯一の例外があります。それは、その業界での経験が浅くて良質な情報がなかなか得られない場合です。その場合は時間と財布が許す限り徹底的に付き合います。なぜなら「超重要なことは3次会でこっそり語られる」というのもまた真実。私も「これは」という顔ぶれのときには思い切って深夜まで付き合いました。

40代前半まで無意味な飲み会に参加し、時間を浪費していた私も飲み会には気をつけています。特に二次会には行かないという習慣を実践することで、自分の時間をコントロールしています。エネルギーを吸い取られる会合には極力参加せず、これぞと思ったメンバーとは徹底的に付き合うのもよいと思います。無駄に時間とお金を使うのではなく、結果を残すために何を優先するかを決めるのが、優秀なインデペンデントなのです。

では、人を見極めるためには、どうしたらよいのでしょうか?著者は以下の3つのアドバイスを本書で書いています。
(1)人の目を見て話すか最低限の基本的な礼儀です。
(2)話の受け答えがスムーズか会話の中で「でも」とか「そうかなあ」とか、流れを遮るような言葉をいつも投げてくる人は要注意。
(3)最後まで人の話を聞くか会話の途中であっても平然と相手の発言を遮る人は、そもそも相手に対してリスペクトが欠けています。
人との礼儀に欠けている人は避けたほうが良さそうです。確かに私の周りの成功者は、私の話をしっかり聞き、リスペクトしてくれます。自分を否定せずに、WinWinの関係を築けると信じられなければ、お付き合いしてもうまくいくわけがありません。

また、自分の目標を明確にし、そこに向かってアクションを起こさなければ成功もできません。自分のビジョンを周りに宣言していれば、周りの面倒見のよい人たちが応援してくれるようになります。そのためにも結果目標と行動目標を明らかにしましょう。

夢や目標は、頭の中のイメージでしかないときは無力ですが、言語化した途端、あなたの人生の推進力になります。また、言語化することで判断の精度が上がります。その結果、プレることが少なくなり、あなたの貴重なエネルギーを無駄なく人生の向上に使えるようになります。

ビジョンを作成したら、アイデアをひたすらメモし、それを行動に移すのです。大坪氏は週一で「ひとり作戦会議」を行い、メモを吟味しながら、実際にやるべきことを決め、実践するそうです。

私の場合はこれでメチャクチャ行動エネルギーが湧いてきます。言語化のパワーを見くびってはいけません。夢や目標は、頭の中のイメージでしかないときは無力ですが、言語化した途端、あなたの人生の推進力になります。また、言語化することで判断の精度が上がります。その結果、ブレることが少なくなり、あなたの貴重なエネルギーを無駄なく人生の向上に使うことができるようになります。また、自分の意識が正しいものにフォーカスされているかを確認することも大事です。今、自分のしている行動が、進むべき目標への距離を縮める行動なのか、それとも憂さ晴らしのたぐいのものなのか、しっかり認識するようにしましょう。そして意識がしっかり目標に向いているかどうかを確認しましょう。これらのことを定期的に確認するために「ひとり作戦会議」を習慣化することをおすすめします。

実は私も毎朝、一人作戦会議を行なっています。ビジュアル化した目標を毎朝、見返すと同時に前日の振り返りをするのです。Evernoteに書いたアイデアも同時に見返しながら、今日やるべきことを決めるようにしています。前日に会った人の言葉を思い出しながら行う「一人作戦会議」を日課にしてから、人生がうまくいくようになりました。

最後に幸せで、豊かな人になるための4つのステップを紹介します。
①自分の感情にフォーカスする
②怒りや不安などの本当の原因を知る
③必要な行動をとる
④怒りや不安を手放す
この4つのステップを習慣化することで、私たちは上機嫌な人になれます。上機嫌でいれば、良い人が引き寄せられ、運気がアップします。上機嫌を意識的に作り、カスが近寄らない環境を自ら作り、「成功と幸福」を引き寄せましょう。

本日(8月31日)夕方、著者の大坪勇二さんとイベントで対談します。カスを掴まずに、豊かになる方法を大坪さんから学んでこようと思います。イベントの詳細はこちらから。

まとめ

人間力を鍛え、成功するためには3つのことを実践する必要があります。一つが顧客に価値を提供し続けること、次に本当の意味で有効に機能する人的ネットワークを持つこと、そしてもう一つが、仕事の案件や付き合う人物に対する選択眼を持つことなのです。貴重な資源だる時間とお金をを無駄にしないために、カスを掴むのはやめましょう。人を見極める選択眼を鍛えるために本書を参考にするとよいと思います。

ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大の5冊目のiPhoneアプリ習慣術がKindle Unlimitedで読み放題です!ぜひ、ご一読ください。

 

 

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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