アイディア開発の能力は、努力したら努力したぶんだけ、力がつくというものではない。努力と進歩は比例しない。進歩はつねに階段状だ。とくに若い頃や仕事をはじめた頃は、「こんなに努力しているのに、なにも変わっていない」と不安になるほど進歩のない状態が続くこともある。だが、努力を続けていれば、ある瞬間に、文字どおりステップを上ったかのようなレベルアップを遂げることができる。ひとたびレベルが上がれば、しばらくはそこで横ばいの状態が続く。それでもなお努力を続けていると、あるときにまた突然レベルアップする。(小沢正光)
アイデアは3つのステップを3ラウンド!
小沢正光氏のプロフェッショナルアイディア。欲しいときに、欲しい企画を生み出す方法。を再読しています。博報堂のクリエイティブ・ディレクターとして活躍した著者はブリヂストンやアサヒビール、ANAの広告で一世を風靡しました。その著者のアイデアの作り方は広告会社の社員だけでなく、多くのビジネスマンの参考になると思います。
良質なアイデアを生みだすためには、書き出す→整理する→チョイスする、というステップを3ラウンド繰り返すことだと小沢氏は言います。
●紙に書く 締め切りを作り、浮かんだアイデアを紙に書く
●整理する 紙はひとつのアイディアにつき1枚、ここではチョイスしない
●壁に貼る 選ぶ時は「個人」「相手」「全体」で客観視する
これを3ラウンド繰り返すうちに、よいアイデアが閃くようになります。
しかし、ここで焦りは禁物です。アイデアは知識と体験の組み合わせですから、いきなり良いアイデアが浮かぶわわけではありません。様々な知識や体験をインプットし、3つのステップをしつこく続けるうちに、アイデア作りのコツがわかるようになります。
アイディア開発の能力は、このくり返しで階段状に向上していくのである。では、レベルアップは、どの瞬間に起こるのか。コツを体得したときだ。ずっとアイディア開発の仕事を続けていると、「そうか、わかったぞ」と思わず膝を打つ瞬間がある。ほんのささいなことだったり、言葉では表現できない感覚的なものだったりするのだが、「やり方」や「考え方」についてのなにかを悟る。
アイデア作りのコツがつかめると自分のレベルがアップします。コンスタントにアイデアが作れるようになると、周りにも貢献できるようになり、自分の価値を高められます。
|
焦らず、あきらめないことが重要!
そこにたどり着く直前に「自分には才能がない」と見切りをつけて辞めてしまう人が多いのも事実だ。もったいないことだと思う。低迷期はたしかに苦しい。でもコツコツと努力を重ねれば、いつかはステップアップできる。
多くの人はアイデア作りがうまくなる前に、あきらめてしまうと小沢氏は述べています。陸上競技のトレーニングと記録の関係にこれは似ているかもしれません。陸上競技の選手は、毎日欠かさずトレーニングしますが、記録は少しづつしか伸びません。しばらくは記録が伸びない低迷期が続きますが、ここであきらめると新記録は更新できないのです。あきらめずにコツコツとトレーニングを続けるからこそ、また記録が伸びる日がやってくるのです。陸上もアイディアも、ステップアップする大きさは、低迷期にどれだけ努力したかにかかっています。あきらめずにアイデアを出し続けるうちに、自分のレベルが上がっていき、やがてはアイデアの達人になれるのです。
この考え方はブログにも応用できます。最初のうちはページビューも伸びませんし、誰からも認めてもらえません。この状態が何ヶ月か続くことで、たいがいの人が諦めてしまいます。しかし、あきらめずに半年ぐらい続けていくとよいことが起こるようになります。周りの人が応援してくれるようになり、ブログを書くことが楽しくなっていくのです。
私はビジネス書をインプットし、それを書評としてアウトプットすることで脳が活性化し、アイデアが閃くようになりました。ブログを書いているうちに、よいアイデアが浮かび、それをクライアントに伝えることで、新しい仕事をなんども生み出してきました。
私はこの書評ブログを8年間、毎日欠かさず続けていますが、ここから仕事の相談を受けることが増えています。出版や連載、コンサルのオファーがブログ経由で入るようになり、チャンスが増えてきました。ブログはアイデア作りの武器であると同時に、自分の可能性を広げられるメディアなのです。
まとめ
よいアイデアを生み出すためには、書き出す→整理する→チョイスする、というステップを3ラウンド繰り返すとよいと小沢正光氏は述べています。コツコツとこのステップを繰り返すうちに、アイデアのレベルが確実に上がりますから、苦しくても途中であきらめないようにしましょう。
ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大の5冊目のiPhoneアプリ習慣術がKindle Unlimitedで読み放題です!ぜひ、ご一読ください。
|
コメント