妻のトリセツ(黒川伊保子氏著)の書評

そもそも妻の怒りの理由は、「今、目の前で起きたこと」だけではない。過去の関連記憶の総決算として起こるものなのである。(黒川伊保子)


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妻のネガティブトリガーを夫が絶対に引いてはいけない理由

以前、黒川伊保子氏の女の機嫌の直し方をこのブログで紹介しましたが、今日は妻のトリセツを取り上げることにします。男性と女性の脳の構造は異なりますが、この構造の差を男性が理解していないことから、夫婦間の悲劇が生まれてしまうのです。男性とは異なるこの脳の仕組みを理解しておかないとたいへんな事態が引き起こされるのです。

女性は、感情に伴う記憶を長期にわたって保存し、しかも「みずみずしく取り出す」ことができます。何かのきっかけで、心が動くと、その「感情の色合い」と同系色の引き出しに収納された過去の体験記憶が、数珠つなぎになって、一気に引き出されるという特徴があります。

体験記憶を数珠つなぎで引き出すきっかけになる「感情の色合い」は、まさにトリガー(引き金)であり、それにはネガティブトリガー(怖い、辛い、ひどいなどの嫌な思い)と、ポジティブトリガー(嬉しい、美味しい、かわいいなどのいい思い)があります。

女性脳は、自らの身を守らないと子どもが無事に育てられないため、危険回避のためのネガティブトリガーのほうが発動しやすい傾向があります。不幸なことにこのマイナスのトリガーは一緒に暮らしている夫によって引かれ、それが夫婦喧嘩の原因になるのです。

夫にとっては「たったこれだけのこと」で、しかも10年も20年も前の出来事まで含めて、一気に何十発もの弾丸が飛んでくることになる。問題は、怒りの弾丸で撃たれているうちに、夫が徐々に命を削られてしまうことだ。

私も何気ない一言から突然、妻のネガティブトリガーを引いてしまい、なんども痛い目にあってきました。実際、ふとしたきっかけで起こった小さな喧嘩を収束させないとたいへんなことになります。喧嘩の最中に過去の記憶が数珠つなぎで思い出され、最悪の結果をなんども迎えたのです。ここから、喧嘩は小さなうちに終わらせなければ、たいへんなことになることを学びました。

 

ネガティブトリガーを引かないための4つのステップ

男にとって結婚の継続とは、女性の母性ゆえの攻撃から、いかに身を 守るかの戦略に尽きる。ぼんやりしていたら、生き残れない。家庭を、のんびりくつろぐ癒しの場所だと思ったら大間違い。それは、母親の翼の下にいた時代の「家庭」のことだ。

妻は目の前の問題解決のために、過去の関連記憶を瞬時に引き出してダイナミックな答えを出します。特に、怖い、辛い、ひどいといった危険に伴う体験記憶は、子どもを守るために「とっさに発動すべき」第一級重要情報で、それを引き出すネガティブトリガーは、周産期(妊娠、出産)と授乳期に格段にパワーアップします。私はこのタイミング(周産期)で大きな失敗を起こしました。この時期の喧嘩や不注意な発言が、未来に禍根を残すことを理解していなかったのです。

この時期の夫の無神経な発言や行動は、一生残る辛い記憶、傷となって、繰り返し持ち出され、いつまでも消えることがない。

この失敗によって、私はなんども無意味な喧嘩を繰り返してきましたが、最近は大人の対応をすることで喧嘩を減らせるようになりました。

女性脳の最も大きな特徴は、共感欲求が非常に高いことだと黒川氏は指摘します。人から「わかる、わかる」と共感してもらえることで、過剰なストレス信号が沈静化するという機能が女性の脳にはあるのです。共感されるよって、怖かった、悲しかった、痛かった、寂しかった、惨めだった、辛かったという神経回路のストレスが軽減されることがわかっています。

逆に、女性は共感が得られないと一気にテンションが下がり、免疫力も下がってしまうのです。 大切なのは夫が共感してくれたという記憶を妻に与えることなのです。相手から相談された時には、しっかりと相手の話を聞き。共感して、相手のストレスを解くことが肝心なのです。

男性は女性とは異なり、共感が苦手ですから、共感するフリをすれば大丈夫だと黒川氏は言います。また、 男性が得意な左脳的アプローチは夫婦の会話にはあまり意味をなしません。解決策や提案は愚策で、共感することが重要なのです。

妻からなにか提案があった場合も合理的にも判断し、ネガティブフィードバックをしないようにしましょう。 どのように対応すれば妻のネガティブトリガーを引かずに、問題解決ができるのかを考え、それを習慣にするのです。 多くの夫が気づかずにやってしまうのが、いきなり否定形を使ってしまうことです。 

相手の話を真摯に受け止め、受け入れ、共感してから答えを出すようにしましょう。その際以下のフレームワークを使うとネガティブトリガーを引かずに、喧嘩を防げるようになります。
①双方の提案に対して、互いにメリットとデメリットを挙げる。
②実際に調べて検証する。
③デメリットを回避する消極的なメリットではなく、互いのゲインに入れられるもの)も示す。
④以上を踏まえて、結論を出す。
相手の考えをいきなり否定するのではなく、相手が嬉しくなるようなゲインを伝えると、夫婦関係がうまくいくようになります。女性脳の特徴を考えると、小さな喧嘩が命取りとなりますから、共感をベースにした会話を心がけるようにしましょう。

まとめ

子育てを体験した女性は母性脳に変わり、危険を察知する能力が高まります。女性脳は、自らの身を守らないと子どもが無事に育てられないため、危険回避のためのネガティブトリガーが発動され、過去の嫌な体験を一気に思い出すという特徴があります。これが夫婦喧嘩の原因になり、夫婦の関係を壊します。これを避けるためには、女性脳の仕組みを知って、夫は戦略を立てる必要があるのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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