リーダーが「いい判断」をするために大切な3つのこと

「いい判断」をするために大切な3つのこと
「過去の失敗に学ぶ」「善人を登用する」「戯言に耳を貸さない」(出口治明)

Background photo created by freepik – www.freepik.com

リーダーが「いい判断」をするために大切な3つのこと

出口治明氏の座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」の中に、リーダーが「いい判断」をするために大切な3つのことが紹介されています。唐の太宗である李世民と諫議大夫の楮遂良の会話から、出口氏はリーダーにとって、大切な3つのことを説いています。

李世民は楮遂良に、「あなたは、君主の言動を記録する役割も兼ねている。私が行っていることの善悪も記録しているか」と尋ねました。楮遂良は、「史官の記録には、君主の挙動をすべて書き記してあります。善事だけでなく、過失も含め、包み隠さずに記録しています」と返事をしました。

楮遂良の返事を受け、太宗は次のように言いました。

太宗曰く、朕、今、勤めて三事を行ふ。亦、史官が吾が悪を書せざらんことを望む。一には則ち前代の敗事に鑑み、以て元亀と為す。二には則ち善人を進用し、共に正道を成す。三には則ち群小を斥け棄て、護言を聴かず。吾能く之を守り、終に転ぜざるなり、と。

太宗は、「史官(歴史の編さんや文書の記録をする役人)が私のことを悪く書かないことを望む」と自分の気持ちを正直に告白しています。太宗は、自分が纂奪者であり、マイナスからスタートしていることを自覚していました。彼は評判を守り、後世に名を残すために、自分の行動を律していたのです。悪口を書かれないために、日々、部下の諫言を聞き、正道を成していました。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」 [ 出口 治明 ]
価格:1620円(税込、送料無料) (2019/5/30時点)

楽天で購入

過去のリーダーの失敗に学ぶ!

太宗は、悪く書かれないようにするために、3つのことを実践していると楮遂良に述べています。
①過去の皇帝の失敗から学ぶこと
②善良な人や行いの正しい人とともに、道義的に正しい道を歩むこと
③取るに足らない人たちは退けて、嘘、告げ口、悪口は聞かないこと

先日、三鏡のことを書きましたが、太宗は、「歴史の鏡」をもって、過去の事例から学ぶことを特に意識していました。三鏡とは、銅の鏡、歴史の鏡、人の鏡の3つを指し、リーダーはこれら3つの鏡を持たなければいけないという教えです。

・鏡に自分を映し、元気で明るく楽しい顔をしているかチェックする(銅の鏡)
・過去の出来事しか将来を予想する教材がないので、歴史を学ぶ(歴史の鏡)
・部下の厳しい直言や諫言を受け入れる(人の鏡)

先人の成功体験ではなく、失敗体験から学ぶことがとても重要です。歴史を見ればすぐわかることですが、人間は、同じ失敗をなんども繰り返しています。先人の失敗を学ぶことで、自分が失敗するリスクを減らせます。

正しい人と付き合う、良い人脈を持つことがリーダーには欠かせません。噂話や与太話を聞いていると、優秀なリーダーも判断を間違えます。正しい政治をするためには、善人をそばに置き、閣議を設け、みんなで一緒に議論をすることが大切です。

部下も上司に言いたいことがあるのなら、堂々と意見を述べる必要があります。情報はすべてオープンにし、議論すべきだと太宗は考えていました。オープンな組織をつくり、オープンな議論の上で組織の進むべき道を決めるのが、公正な組織のあり方です。

リーダーと特定の部下が、ヒソヒソ話を好んでいるかぎり、正しい判断を下すことはできません。「善人を進用し、共に正道を成す」「群小を斥け棄て、護言を聴かず」という太宗は考えることで、「フラットでオープンな組織」をつくれたのです。その結果、太宗の時代に唐は最強な国家として、繁栄することができました。

まとめ

リーダーが的確な判断をくだすために必要なことが3つあります。①過去の皇帝の失敗から学ぶこと。②善良な人や行いの正しい人とともに、道義的に正しい道を歩むこと。③取るに足らない人たちは退けて、嘘、告げ口、悪口は聞かないこと。これを実践することで、「フラットでオープンな組織」をつくれます。


ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大の5冊目のiPhoneアプリ習慣術がKindle Unlimitedで読み放題です!ぜひ、ご一読ください。

 

 

 

 

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
徳本昌大 Amazonページ >
 

徳本昌大をフォローする
セレクト習慣化書評生産性向上ブログライフハック人脈
スポンサーリンク
徳本昌大をフォローする
Loading Facebook Comments ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました