子どもは親の思いどおり育たない?

子どもは親の思いどおり育たない。(橘玲)

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親は子育てに影響を及ぼせるのか?

子育てには終わりはなく、子供がいくつになっても新たに課題が登場します。子供が親の言うことを聞くことは稀で、別人格として接しないとお互いが不幸になります。私も日々子育てに悩んでいますが、橘玲氏の事実 vs 本能 目を背けたいファクトにも理由があるの中のジュディス・リッチ・ハリスの言葉を読んで、自分の考え方を改めました。

ハリスはアメリカの在野の研究者で、子育ての大誤解の著者です。彼女は就学前の移民の子どもたちが母語を忘れ、すぐに英語を話しはじめることに違和感を抱きます。子どもの成長が家庭環境で決まるなら、英語を話せない両親との会話に必要な母語を捨てるのはおかしいと考え、膨大なデータを調査し、以下の結論を導き出しました。

家庭のルールが友だち集団の掟と対立した場合、子どもが親のいうことをきくことはぜったいにない。

子供が大人になった時どのような性格になるかを決める主要因は「親の教育」ではなく、子供の生物学的要素=遺伝的要因と子供時代の子供集団の中で彼らがどのように生きるかによって決まるのです。行動遺伝学の知見によれば、子供の人格は遺伝と友達関係でほとんど決まり、親はあまり子供に影響を及ぼせません。

私たちの祖先は子だくさんで、離乳期が過ぎれば母親は次の子どもを産むのが当たり前で、子育てを年上の兄弟や従兄弟に託しました。彼らは子供の中で生きていくほかはなく、周りの仲間から影響を受けました。そう考えれば、移民の子供が親の言葉を捨てて、友だちの言葉である英語を選ぶのは当然です。

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親が子供にすべきこととは?

友だち集団の掟と対立しない家庭のルールには、子どもを従わせることができる。

親は子供集団のルールと対立しないことなら、子供に影響を及ぼすことができます。子供は家庭の味、おふくろの味に影響を受けますが、食べ物の好き嫌いによって、友達が離れることはありません。同様にハリスは、宗教も「友だちの掟」とは関係がないと述べています。宗教はファッションなどとは異なり、親から子に引き継がれます。

宗教は文化的なもので、脳のOSができあがったあとに農耕社会のなかで影響力を持つようになったのです。子どもたちは、親の宗教によって友だち集団を選ぶことはありません。

進化論的には、子どもは自分に似た子どもに魅かれるようにつくられています。自分のことを親身に世話してくれるのが、身近な血縁関係にある仲間なのですから、そういった友達を選びます。親は子どもの友だち関係に介入できず、どれほど説教しても音楽やファッションの趣味を変えることはできませんこれが友だち集団の内側と外側を分ける指標になっているからだと橘玲氏は指摘します。

親がファッションやソーシャルメディアの使い方に文句を言っても、子供は友達とのルールを優先しますから、親の言うことを聞くわけがありません。ここに子育ての難しさがあります。親は子供に口出しをするのではなく、環境を整えることに力を注ぐべきです。

わが子を一般的な「良い子」にしたければ、良い仲間ができそうな環境に子供を送り込むぐらいしか、親にできることはないのかもしれません。様々な出会いや新たな体験を子供に与えるようにし、子供の可能性を広げることが親の重要な仕事だと考えましょう。

まとめ

多くの親は、親が愛情をかければ良い子が育ち、育て方を間違えれば子どもは道を踏み外すと考えますが、ジュディス・リッチ・ハリスの研究はその常識を覆しました。子供の人格は遺伝と友達関係でほとんど決まり、親はあまり影響を及ぼせないのです。親ができることは良い環境で子供を育て、勉強や体験の機会を増やしてあげることぐらいなのです。

参考図書 橘玲氏の事実 vs 本能 目を背けたいファクトにも理由がある

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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