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常識の壁をこえて…こころのフレームを変えるマーケティング哲学
著者:ダン・ケネディ
出版社:阪急コミュニケーションズ
本書の要約
常識の壁を乗り越えることで、成功する可能性が高まるとダン・S・ケネディは言います。過去の失敗から学び、別の方法を考え、チャレンジを繰り返しましょう。既存の会社がつくったルールを信じるのをやめ、自らで成功ストーリーをつくるのです。過去の価値観を否定し、新たな価値観でビジネスを捉え直しましょう!
「継続の美徳」という常識を捨てよう!
途中でやめた人間だと言われることを恐れてはいけない。
目標を変えて方向転換するのは恥ずべきことではない。むしろ、 やみくもな忍耐と継続は愚かと言うほかない。 試してみてだめだったら、別の方法を試してみること。 自分の望む方向に導いてくれるものを探そう。(ダン・・S・ケネディ)
途中でやめることは辛抱が足りないと日本では否定されがちですが、目標を変えて方向転換することを恥じてはいけません。人生100年時代は様々な体験を重ね、変化に適応する準備を行うべきです。「継続の美徳」を実践すれば、
広告のプロのダン・S・ケネディは失敗を否定しませんが、過去にうまくいった方法にフォーカスすべきだと言います。ダメだった方法を改善するのではなく、成功した方法をどんどんアップデートするのです。
広告づくりのプロセスで、ほとんどの試行錯誤は結果に結びつかない。コントロールをしのぐ広告もめったに生まれない。トップクラスのコピーライターでも、ヒットを飛ばせるのはせいせい4、5回に1回がいいところだろう。広告業界では、失敗は日常茶飯事。私たちは強い忍耐力を発揮しなければならない。しかし、それは正しい忍耐である必要がある。試してみて、だめならあきらめて次に移るのだ。
最初の1週間で結果が出なければ、別の方法を試してみましょう。例えば、営業マンならば、できるだけ早く返事を確認し、見込みのない相手にはさっと見切りをつけるようにするのです。はっきり「ノー」
その際、営業マンには、
昨日と今日は異なるのだから、変化を恐れない!
売り上げとは「客数×単価×リピート率」ですが、多くの経営者は客数を増やすことに注力します。核となる顧客と継続的な関係を結べる人のほうが、能力もビジネスのテクニックもはるかに優れています。経営者やマーケターはファンを増やすことに意識を向けるべきです。
ほとんどの経営者は、新規顧客の数にばかり目が向いて、リピーター確保の重要性をすっかり忘れていると著者は指摘します。顧客を獲得するためには、現在のデータだけで、顧客ロイヤルティを指標にすべきです。
売り上げ、市場シェア、収益などでわかるのは現在のことだ。未来のことはわからない。しかし、顧客ロイヤルティを基準に考えれば未来が予測できる。
たとえは、ホテルチェーンに投資する場合、売り上げや収益は、不確定要素に左右されやすいので、参考にする程度にしましょう。これらの数字は人為的に操作することもできます。ライバルのホテルチェーンが潰れれば、売り上げや収益が伸びるかもしれないし、新しい広告キャンペーンや航空会社と組んだキャンペーンが成功すれば短期的に数字が良くなります。しかし、顧客を満足させているかどうかを正確に描き出す数字はリピーター客の数だけなのです。全く新しい顧客を獲得するより、既存のファンに新しい提案をする方がはるかに楽なはずです。
次のインク誌の言葉を読めば、顧客ロイヤルティを高めることの重要性を理解できるはずです。
ある程度マーケティングの才覚があるビジネスマンなら誰でも、
新しい顧客を獲得するためにかかる莫大なコストを惜しむ。 しかし、ほんとうにマーケティングの才覚があるビジネスマンは、 ただコストを惜しむだけではない。 新規顧客獲得にかかるコストや競争をなしですませるために、 顧客の数を増やすのではなく、 すでに獲得した顧客との取引を増やすよう努力する。 自分たちの商品やサービスを求める顧客を探すのではなく、 自分たちの顧客に合った商品やサービスを探す。
新しい顧客を獲得することも大事ですが、ファンの顧客を喜ばす商品を作ることを忘れてはいけません。老舗と言われている企業も絶えず変化を忘れずに行動しています。虎屋のマーケティングを見れば、変化の重要性を理解できるはずです。
とくに問題がなくても、とりあえず変えてみよう。
疑問を投げかけてみる。物事をひっくり返してみる。 いままでの反対をやってみる。経験に邪魔されて、 実験を避けるようになってはいけない。今日は、 昨日とはもう違うのだから。
ITが進化し、変化が当たり前の時代になった現代は競争が激化しています。何もしなければ、ベンチャーに追い抜かされ、取り残されるだけです。成功体験を信じて、変化をやめるのではなく、好奇心を持ち続け、新たなチャレンジを続けましょう。
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